今回は、珍しくパッケージ表示の話です。
私の持論として、この表記の部分は、クリエイティブベースの商品設計に限らず、OEM営業マンが努力すべき点です。
まぁ、いろいろな考え方があるので、同調できない方もいらっしゃるでしょう。

弊社で毎月複数の商品を世の中に送り出し続けると、私も、パッケージ表記のチェックも頻繁に行います。
そこで、OEM営業マンや顧客によっても、表示に関する傾向が全く異なります。

1.無難な最低限の表示のみ
2.ホワイトゾーンの中で攻める表示
3.グレーゾーンとわかっていて攻める表示

まぁ、どの表示を行った顧客が成功に近づけるかは、誰でもわかることだと思います。
私の経験上、地味に差が出ます。

弊社の中でも、そのOEM営業マンの姿勢の差によって、差が出ているなぁと感じることも多々あります。
攻め過ぎて、グレーからホワイト、ブラックからグレーにするのに、苦労することも多いですが・・・。

実際問題、販路によっても、攻める重要性が異なり、広告表現ができる通販などではパッケージの影響って少ないのですが、店舗(ドラック、クリニック、サロンなど)のように商品を手に取って購入決定を行う可能性が高い場合は、攻めた表現は不可欠です。
店舗向け商品で守り過ぎた表示を行うと、商品を殺してしまいかねません。


プロは、そこまで見極める必要があり、弊社では、インタビューの段階で販路や詳しい売り方まで聞き取りを行います。
まぁ、厳しいようですが、私は、販路に適した原料選定までできて一人前だと考えています。

一方、8割以上のOEM営業マンは、1の無難な表示にしか誘導していないのが現状。
まぁ、専任の表示担当者がいた場合、営業マンが2や3を望んでも、どうしても1になっちゃうOEM会社も存在するんですけどね・・・。

そして、健康食品サプリメントOEM製造の初心者で表示等がわからない顧客のほとんどは、表示関係について、OEM会社に丸投げされています。
また、製造は初心者でも、広告を知っている人間は、3を超えて、広告表現ではグレーゾーンでもパッケージ表示ではアウトな表示を求めてきます。
中小受託加工会社のOEM営業マンは、そういったところの調整役。
一番良い落としどころをつけるのがミッション。

そういった調整を行うために、以下のような資格を取る人も出てきています。




まぁ、前者は、弊社のように毎月新商品をいくつも出荷し、その度に、校正を行っている弊社なのでは、全く必要ないです。
数をこなせば、誰でもスキルが養えます。
長年所属すると、ホワイトゾーン・グレーゾーン・ブラックゾーンの認識までできるようになります。グレーゾーンを中心とした際どい表示については、直接、消費者庁にも問い合わせて、表示ノウハウを蓄積しています。

さらに、弊社の場合、原料メーカーでもあるので、採用した原料のメーカーから提示された原材料表示に対して、本当に正しいのか?までチェックするので、表示検定では学べないようなところまで自然に学べてしまうでしょう。

次に、後者は、OEM営業マンは、必要ないと思います。
(広告マンや専門ライターは必要。)
理由は、過度なクリエイティブの指導は、販売教唆というリスクを伴うからです。



ただし、クリエイティブを意識した商品設計は、中小企業が勝っていくには不可欠な要素なので、細かく知らなくても、ある程度は、理解しておく必要があります。

パッケージで表現できるクリエイティブ表現なんて、かなり限定されていて、主にこの2つです。

量のクリエイティブ(配合量、〇〇換算 ※要文献情報)
質のクリエイティブ(産地や品質 例:有機栽培原料や無添加)

配合量について、乳酸菌の個数やNMNの配合量などは、必須と言っても良いくらいでしょう。
店舗向け商品の場合、裏面だけでなく、表面に配合量や個数を強調表記しても良いと思う。

〇商品名〇 1000
などという商品面の様に、大きな数字を並べるだけでも、消費者の目を引く。
実際、NMNサプリの場合、NMN 100000のような商品あたりの配合量が表示されることが非常に多いです。

〇〇換算などの粗原料換算は、原料メーカーの協力も必要になります。なので、少し難易度が高い。
弊社の場合、レスベラトロールの赤ワイングラス〇杯換算などは、主に広告表現で利用されますが、たまに、商品パッケージで謳いたいという顧客も出てきます。
その場合は、景品表示法(優良誤認)に抵触しないよう、必ず根拠となる文献情報を記載してもらっています。まぁ、実際に含まれない野菜や果物を利用する場合、パッケージのどこかに「写真はイメージです」と書かなければならない時代ですからね・・・。

最も表現が難しいのは、有機(オーガニック)の表現。
弊社は、USDAのオーガニック認証を取得している原料を取り扱っているため、他社さんに比べれば、表示ノウハウも蓄積されていると思います。

なかなか高いレベルでの表示になってくると、社員達だけでは、対処しきれないケースもあります。
こういったサポートで、会社全体の売上を上げていこうとするのが私の役目です。

実際、校正業務において、私は、間違え探しは軽くしか行うつもりがなく、むしろ、顧客が成功(;レスポンスが取れるパッケージ)して、リピート受注できるような表現の工夫しか考えていません。
アドバイスは行いますが、最終判断は、社員と顧客に任せていますが。

何れにしても、中小企業向けOEM事業は、こういったコンサル色が強い営業サポートである必要があると考えています。
だから、人材育成が非常重要です。
経営者目線では、おそらく、離職率を最小限に抑えつつ、自然に人材が育つような環境を作っていくことが重要なのだろう。
私も、日々努力です!