先日、赤ワインエキス末に対して、うちの原料に競合原料から切り替えられたという連絡が代理店から入った。
昨年以降、結構な案件で切り替わっていると実感しています。
売上で1億弱程度の原料なのですが、意図せずして、今期は売上が伸びている。

まぁ、以下の4点を考えると、必然的に弊社が選ばれるのは当然なのだが、
・有効性データ
・安全性データ
・2つ特許
・会社への信用

さらに、昨年以降、コストでも弊社が勝って選ばれているようです。

この原料の売上に対する割合は、弊社全体の売上に対して10%にも満たないため、原価が上がっても我慢した価格設定を続けている。
とはいえ、競合に比べ、輸入量も多く輸入諸経費も圧縮され、営業活動も行っていないので営業経費も最小限に抑えられているため、今の価格が可能なのだが・・・。

何れにしても、物量の差って、ビジネスの勝ち負けに大きく影響するんだと痛感しましいます。

どこかで利益が薄くても、他のところで補うことができ、トータルで利益を最大化していくビジネスモデルが可能になりますから。
弊社の場合、円安で輸入原料事業の利益が目減りしても、OEM事業と国内原料事業で十分に補えています。

近年では、原産国表示制度が始まり、安くても中国製造の表示が必要になる原料は、なかなか選定されなくなりました。特に、物量が出る主材として。
※食品添加物原料は当てはまらない。
NMNの中国製造表示の原料と国内製造表示の原料を比較した場合、売れ方が明らかに日本製造表示の原料の方が圧倒的に売れていることが市場性を物語っています。

また、弊社の赤ワインエキス末の場合、特許侵害で訴えなくても、2つの特許が地味に効果を出している。
怪しきは近寄らず(手を出さず)、で法務がしっかりしている大手さんほど、弊社の原料を選びます。

今は、値上げ幅を押さえ、市場を取りに行っている。
それも、信用度の低い問屋や商社を介してのスパイ活動でバレないような価格戦略が組まれているので、競合は価格戦略で勝っているつもりだけど、実は負けている。
弊社がシャアを伸ばしている一番の秘密だろう。

ぶっちゃけ、付き合いが希薄な問屋や商社は裏切って競合に情報を流しても、原則、受託加工会社は競合に情報を流すことはなかなかない。
今の時代、この点を加味して、価格戦略を講じるべきなのです。

まぁ、問屋商社さんの役割も、徐々に変わってきています。



ちなみに、今月も、赤ワインエキス405kgの納入がありますが、クリスマス前で便が混んでて、なかなか荷物が届かない。
残り50kgの在庫、ヤバい・・・。

弊社の原料事業は、なんだかんだでストックビジネスであり、この健康食品サプリメント製造業界(日本特有)の常時在庫&即納文化は、大量の在庫を抱える必要があります。
入荷してすぐに納入される大口案件もありますが、原料だけで7000万超の仕入れがある月もありますし、自社原料品目も増え、多い時は、5000万円以上の在庫を抱えている時期もあります。
先月末の請求書(海外送金を除く)は、ほぼ1億円だった・・・。
キャッシュが必要な事業だなぁと思います。
かつ、研究開発費も毎年投じる必要がありますからね。
これでも上手く回している方だと思う。まぁ、今は超潤沢ですが、過去、黒字倒産しかけたこともありましたから・・・。

P.S.
近年、中国原料メーカーの中でも、供給先に頼らず安全性データや有効性データを自社で取る会社も増えてきました。第三者機関や大学を利用して。
この記事の内容を理解しているのだろう。
ただし、その分、コストは上がるだろう。