さて、以下の数式は、何でしょう?

=IFERROR(VLOOKUP(配合表!H4,コスト計算ベース!B49:W84,12,FALSE),"")-IF(O33<500000,0,IF(O33<750000,0.02,IF(O33<1000000,0.04,IF(O33<3000000,0.06,IF(O33<6000000,0.08,IF(O33<12000000,0.1,IF(O33<20000000,0.12,IF(O33<30000000,0.14,IF(O33<40000000,0.15,IF(O33<50000000,0.155,IF(O33<60000000,0.16,IF(O33<70000000,0.165,IF(O33<80000000,0.17,IF(O33<90000000,0.175,IF(O33<100000000,0.18,IF(O33<200000000,0.185,IF(O33>200000001,0.19)))))))))))))))))/N37+E38+G38+IF(配合表!D1="****案件",-0.02,0)+IF(配合表!D1="****案件",-0.05,0)+IF(配合表!D1="企画会社案件",-0.0*,0)+IF(ロット1!H3>1999, -0.01,0)

OEMの目安原価率の式 です。

基本的に、剤形別の最小ロット原価率から売上総額に応じた値引き率を設け、さらに、特定案件カテゴリー対して値引き率を設けています。
例えば、企画会社さんの下請けを行うこともあるので、特別な割引枠を設けています。

また、最小粗利額も2段階で儲け、営業経費を加味すると赤字にならないように工夫しています。
見積書と連動するOEM原価表は、コピペで埋める原料情報や配合量など、一定項目を埋めると、この値が自動的に示されます。

以前に紹介させていただいた原価シートの別シートに組み込まれている数式です。



時代の変化に応じて、定期的に修正を加えています。
時には、新しい値引き項目を設けたり、基本の最小ロット原価率を変更することもあります。

この数式等で導かれた数値±10%で、営業決裁権を与えています。
その決済範囲内に入っていれば、見積書は、回覧等による確認なしでも概算見積書が発行できるようになっています。

最低利益率や最低利益額などで条件を満たさなければ、セル色が赤色になって警告されるようになっています。

こういった形で利益管理を整備しておくことで、

迅速な見積提出が可能になります!

それも、苦労せずに。

統計解析が専門だった、私らしいやり方。
徐々に進化し、試作依頼書も自動的に作成されたり、パッケージ表示内容をマクロでアシストしたりと、いろいろな工夫が施されています。

意外に、OEM案件って、5~7割は、見積り提出のスピードで振り落とされます。
やっぱり、2週間以上の時間がかかるようであれば、成約率は、大きく異なってくるだろう。
特に、せっかちな中国案件。

私の持論:
無駄なことに時間をかけない。OEMは、商品設計の提案に力を注ぐべし。


そんな持論を反映したシステムになっています。

まぁ、このシステムは、徹底的に利益管理して、同時に利益評価するためのツールでもあります。

この健康食品サプリメントOEM、また化粧品OEM業界も、利益評価が浸透しきっていないです。
そのため、利益率が低い案件が工場の製造ラインの多くを占めてしまい、儲かる仕事が入れれない状況すら存在します。
最悪、赤字案件が製造ラインを半分以上を占めている。
これは、明らかに機会損失している。

加えて、給与水準も上がらず、優秀な人材も集まりにくくなります。反対に、優秀な人材の流出にもつながってしまうでしょう。

今までは、儲からないビジネスを行っても、なんとかやっていける良い時代でしたが、今後のアフターコロナ時代は、経営が悪化し、やっていけなくなるだろう。
OEM業界も、ますます厳しい時代に入っていくのだろう。

弊社も、その厳しい時代で生き残っていけるよう、できることを淡々と行っていくだけです。