先週、以下のように、リプサ株式会社が景品表示法に基づく措置命令を受けました。
ローカル限定かもしれませんが、NHKでも放映されたようです。





実は、リプサ株式会社は、景品表示法だけでなく、食品表示法でも指示を受けています。

リプサ株式会社に対する食品表示法に基づく指示について

食品表示法の指示については、栄養成分分析くらい行いましょうよ・・・とコメントして、終わり。
本題は、景品表示法。

消費者庁の資料を見ていると、本商品は、栄養成分表示などの外枠にラクトフェリンの含有量は記載していません(ページ16)。
でも、広告表現では、含有量を強調表記しています。

今回の事例は、以下のようなことが言えるのだろう。

広告表現で含有量の強調表記を行っていた場合、実際の含有量が適正でなければ、優良誤認として消費者庁から措置命令を受けてしまう。
 ↓
気になる点:
・下限値保証が求められるのか?
・どれくらいの誤差が認められるのか?
・賞味期限内の減衰も加味する必要があるのか?
・製造者責任はどの程度問われるのか?

そして、私は、上記のようなことが非常に気になる。
今のところ、ずっとグレーゾーンになっていた部分でもある。

機能性表示食品と同じ管理が求められると、賞味期限内の下限値保証が求められるようになるだろう。
何れにしても、広告表現でも成分の含有量を謳う場合、製造時の含有量分析を行うことが好ましいのだろう。
場合によっては、賞味期限内の減衰も加味して、含有量を謳う必要性も出てくるだろう。

今、多くの商品において、含有量を強調表記しつつ、分析を行っていない商品がたくさん存在する。
販売者の判断に委ねられるのだろうが、広告表現を行う場合でも、分析を行うのが好ましい時代へと変化していくのだろう。
競合会社が、分析して問題があれば、景品表示法違反被疑情報提供フォームを活用して潰しにはいってくるでしょうしね・・・。

また、最後の製造者責任についてですが、今回の事例では、販売者も製造者もリプサ株式会社なので、ブラックボックスのままです。

仮に、広告表現まで製造者責任を問われるようになった場合、市場は、大きく変化するだろう。
製造者が販売者に対して、広告表現での含有量強調表記に対して景品表示法(優良誤認)にならないような誓約書等を求めつつ、販売者が強調表記することが明確な場合、製造者が管理責任が生じてくるだろう。
例えば、パッケージ等で含有量の強調表記を行うケースが代表例だろう。

ちなみに、このラクトフェリンの商品に関しては、原料=100%ラクトフェリンと勘違いして、そのまま原料含有量を表記していたのではないか?と思う。同様なケースが、実は、プロテインであったりもする。
ラクトフェリンは、質の良い原料であれば90%以上の含有量、でも安い粗悪な原料であれば、60~80%くらいの含有量の原料も存在するだろう。
安い原料であれば、ラクトフェリンの規格値もなく、含有量は60~80%でも「商品名:ラクトフェリン」と謳っている原料があってもおかしくない。

原料を値段だけで選んではいけない理由でもある。
でも、どうしても、価格だけの勝負をしている会社さんは、値段でしか評価しなくなってくる。

何れにしても、今回の事例によって、広告表現でも含有量強調表記する場合、分析によってチェックすることがより好ましくなり、製造者も、広告表現での含有量表記も配慮して、含有量分析の実施を今まで以上に推奨していく必要性が出てきたと思う。

将来的には、栄養成分以外でも含有量強調表記する成分は、増し仕込みを行い、加速試験等で賞味期限内の含有量を担保していく時代へと変化していくだろう。
要するに、大手さんと同じ管理が求められる。

時代は、変化します。
法規制も変化します。今後、厳しくなる一方で、甘くなることはないでしょう。
市場も成熟してきているので、大手さんからの圧力で、規制強化もドンドン進んでいくでしょう。

そういった時代の変化に対応しながら、事業展開していくしかないと思います。
まぁ、どうしても管理コストも上がってきます。
大変な時代です。