ビジネスを行っていると、どうしても、稀に理不尽なトラブルも起こり得る。私も、過去、何度も理不尽なトラブルを乗り越えてきている。

現在、機能性表示食品の制度見直しが検討されているが、まさに、その一例だと思う。

「第2回「機能性表示食品を巡る検討会」ヒアリングにあたっての意見 」消費者庁

まず、紅麹問題の本質は、初期対応の悪さ/遅さ だったと思われる。
そこは、徹底して改善すべきだと思う。

一方、その場合、どうしても小売りに対する供給責任面へのペナルティーが初期対応を遅らせてしまう要因になりうるのため、その問題点も配慮されるべきだと思う。

次に、原料に対する品質管理に関しては、先日もコメントしたが、GMPやISO22000レベルの製造管理体制は求められるべきだと思います。



それは、機能性表示食品に限らず、米国が採用しているcGMPや諸外国の制度と照らし合わせれば、明らかに日本が遅れている部分である。

まぁ、暗黙の了解で、GMPやISOに対応した原料でなければ採用しないという流れが徐々に強くなっていくだろう。
現在でも、大きな受託加工会社さんでは、暗黙の了解で、一定の安全性データが無ければ採用しないという会社さんもあるので、そこにGMPやISOが加わってくるだろう。

今後、この紅麹問題も、スタチンとの併用が議論されないまま、紅麹原料の製造上の問題として処理されると予測される。

その他の見直し点については、論点すり替えのように感じる。
まぁ、この規制強化が暗躍する会社さんの目的なのだろう。機能性表示食品という効果がある商品が目立ち過ぎたのだろう。

紅麹自身、安全性に問題があったわけでなく、長い食経験もあった。
しっかりと、安全性試験も実施されており、正直、悪い素材だとは決して思わない。あえて、問題点があるとすると、医薬品を脅かすレベルで効果があり過ぎたことだろう。
今後設定されるであろう新基準においても、小林製薬の紅麹は、問題なくパスするだろう。

ちなみに、ヒトによる3倍量・5倍量での安全性試験を行った場合、小林製薬の紅麹の機能性表示食品は、問題を起こした可能性もある。
モナコリンKというスタチンとしての副作用が生じる可能性があるだろう。
有効性が高い素材程、諸刃の剣で、安全性の問題も生じやすい。

まぁ、米国のように各原料でセルフ認証GRASレベルの安全性が求められるのであれば、日本で流通する多くの原料は、淘汰されてしまうだろう。

弊社原料まめ鉄も、米国基準で90日反復投与毒性試験まで行われているが、最低限、これくらいの試験が必要になってくる。
一次代理店を務めているリナイス社のSCPコンプレックス-LSも、現在、90日反復投与毒性試験を実施中だが、弊社の原料でも、その他の原料で対応しようとすると、かなりのコスト負担が生じてしまうだろう。

また、機能性表示食品で、猶予期間付きでヒトによる3倍量・5倍量での安全性試験が必須になったら、機能性表示食品の撤回を行う企業は、一気に増えるだろう。

加えて、機能性表示食品でも、複合処方が行いにくくなり、シンプルな商品設計が増えるだろう。例えば、機能性関与成分+ビタミン・ミネラル・アミノ酸。
多数の原料を配合することがリスクになり得るからです。それは、機能性表示食品だけでなく、その他の健康食品んサプリメントにも当てはまる。
まぁ、ミックス原料の利用は、リスクでしかないと思う。



何れにしても、中小企業がビジネス展開しにくい業界に変わっていくことだけは、間違えないだろう。

理不尽なことでも、ビジネスでは逃げることができず、対処しなければならない。
上記の変化も、仕方ないことだと思う。
対処できた会社だけが生き残っていくのだろう。

ちなみに、このリスクマネージメント能力が経営者に最も求められる力だと思う。
ビジネスでは様々なリスクが潜んでおり、リスクマネージメントの観点からも、多くのことを決断していかなければならない。

私は、淡々と努力し続けるのみ。