NMN商品のプレスリリース発行状況を見ていると、日に日に、商品が増えていっていることがよく分かる。
来月頭に発表される原料受託バンクでのランキングもNMNが1位になるだろう。
このブログでも、NMN関係の記事のアクセスが伸びている。

一方、いくつか疑問が残る。

まず、盛り上がるほどの潜在的なマーケットサイズは存在するのだろうか?

マーケットサイズを推測するため、重要になって来るのは、顧客像です。
現段階では、この2者層だろう。

富裕者層(日本・中国)
健康オタク

どちらも、健康のためにお金に糸目をつけない顧客層です。

一方、この顧客層は、どれくらい存在するのだろうか? 特に、世の中は、不景気です。
現在、3万円台の商品が多く、この価格の商品を購入し続けることができる人は、どれくらいいるだろか?

当然、現在のマーケットサイズは、大きくない。特に、日本では。
マーケットサイズが10倍の中国市場向けが加わるから、大きく見えているだけだろう。

潜在的マーケットサイズは、市場価格次第で変化するだろう。
価格の下落によって、顧客像の幅が広がるからです。

実際、すでに、市場価格の下落は起こり始めている!

また、市場価格(商品価格・原料価格)が下落したことにより、商品開発の現場では、あることが起こっています。


下落の主な原因は、帝人さんの15万円の商品が半値以下に引き下げられたため。

それは、
NMN配合量合戦!

1日あたり300mgで30日分で9000mgが標準になりつつあり、さらに高配合の商品が作られる傾向が強くなりつつあります。
販売価格は、あまり変わっていないので、実質、商品価格の下落が起こっています。

明確な摂取目安量も定まっていないのに・・・。

まぁ、こういった臨床試験の登録情報から推測すると・・・




1案として、1日あたり250mgで検討されていることがわかる。帝人さんの商品の倍量。
こういった明確な人試験データが示されると、配合量合戦も落ち着くだろう。

一方、この量を配合すると、結構な原価の商品となってしまうだろう。

仮に30万円で原料をしいれたとしても、1商品あたりのNMN原料コストは、2250円となってしまう。
半額で仕入れれるくらい価格が下がったとしても、商品原価は1000円を超えるだろう。

それを2980円で販売するような販売会社さんが表れてくると、ようやく、一般市民にも手が届く商品になるだろう。だだし、富裕層市場は、弾け飛ぶだろう。
当然、NMN単味の商品は、複合処方の商品よりダメージが大きくなるだろう。
実際、米国の安売り商品は、150mg/日の商品だが、この価格より安く販売されていたので、不可能とは言い切れないだろう。

現在、NMNは、市場が形成される前に価格破壊 が起ころうとしています。
誰も儲からない市場になってしまいかねない。

こういった現象は、情報化によるライフサイクル(商品寿命)の短命化によって引き起こされます。
過去、日本市場では、コエンザイム10で起こっています。

やっぱり、添加物系の原料は、短命化を起こしやすい。

レスベラトロールブームでは、日本市場においてブドウなどの植物抽出物しか流通できなかったことが功を奏し、コエンザイムQ10ほど商品寿命は短くならなかった。
加えて、低用量でないと、サーチュインを直接的に活性化しない学説が発表され、さらに、配合量合戦へとつながらなかった。



ある意味、ラッキーな素材だったのだろう。

何れにしても、マネーゲームで、一時的な利益を得ようとする会社が多い時代です。
研究開発などに予算を投じながら、中長期戦略で販売していかないと、大きな収益を生まない時代になってきています。

NMNは、今後、吸収率や利用能にアプローチした商品設計も行われていくだろう。
NMNだけで単味で摂取するより、複合的に摂取することで吸収や利用能が高まる成分も見つかってくるだろう。
様々なアンチエイジング効果も、ヒト臨床試験で示されるだろう。近年の流れから予測すると、近い将来、機能性表示食品としても受理されるだろう。
加えて、様々な特許も出願されるだろう。

一方、こういった研究が行われるためには、中長期的に収益が得られる見込みが必要になる。
価格合戦に突入してしまうと、研究開発に回る予算も減るだろう。

悪い素材ではなく良い素材なので、そういった研究が盛んにおこなわれ、少しでも長く売れ続ける市場へと向かうことを望みます。

弊社も、先を読みながら、商品供給を行っていければと思っております。