先日の記事で「老化進行速度の指標となるバイオマーカーとして有効」であることを示した論文を紹介です。
本研究では、血中クロトー値と生物学的年齢加速(BAA)の関係性を統計解析で検証しています。
そもそも、生物学的年齢加速(BAA:Biological Age Acceleration)とは、実際の年齢(暦年齢)よりも、細胞や体の機能としての「生物学的年齢」が速く進んでいる状態を指します。この差がプラスであるほど、将来の病気リスクや死亡率が高いとされています。
そして、結果、対数変換したクロトー値とBAAとの間に強固な負の関連が示され、クロトー値が高ければ高いほど、将来の疾患リスクや死亡率が低いことを示します。
今まで、サーチュイン(長寿遺伝子)が老化の指標として注目されることが多かったが、私の文献調査の限り、サーチュインと老化速度の関係性まで明らかになっていない。
一方、Klothoは、本研究で関係性が示され、顕著な有意差まで示されている。
だから、抗加齢医学会でも注目される訳です。
なお、BAAは、BioAge R package(詳細は以下文献を参照)というものを用いている。
そして、血中クロトー/Klothoは、日本のIBL(株式会社免疫生物研究所)という会社がELISA定量キットを供給しているようです。
すでに、商業化の準備はできているのだろう。
まぁ、ビジネスとして、Klothoが一般消費者まで浸透するか?はわかりませんが、少しづつ備えていきたいと考えています。
ちなみに、メディアが取り上げたりしてブームにはならない方が好ましい。
利益が分散するだけ。
Klotho levels and biological age acceleration: Insights from a diverse cohort of middle-aged and elderly individuals
Abstract
Objective: Aging is characterized by progressive physiological and psychological changes, leading to decreased cellular metabolism and increased vulnerability to age-related diseases.
Methods.: In this study, we examined the relationship between circulating Klotho levels and biological age acceleration (BAA) in a representative cohort of middle-aged and older adults. Data were obtained from the National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES, 2007-2010), including 5,654 participants aged 45-85 years. Serum Klotho concentrations were quantified using ELISA, while biological age was estimated with the BioAge R package.
Result: Linear regression analyses demonstrated a robust inverse association between log-transformed Klotho levels and BAA across all statistical models, with reductions of -1.06 (95% CI: -1.77 to -0.36, p = 0.005), -1.44 (95% CI: -2.15 to -0.73, p < 0.001), and -1.30 (95% CI: -2.20 to -0.40, p = 0.01). Consistent results were observed in logistic regression models, where higher Klotho concentrations were linked to lower odds of accelerated aging (OR = 0.72, 95% CI: 0.59-0.88, p = 0.002; OR = 0.63, 95% CI: 0.51-0.77, p < 0.0001; OR = 0.62, 95% CI: 0.46-0.84, p = 0.01). Subgroup analyses revealed significant associations in women, participants over 60 years of age, and individuals without chronic illnesses. Interaction analyses further indicated that age (p-interaction = 0.002), alcohol intake (p-interaction = 0.04), and diabetes status (p-interaction = 0.03) significantly modified the Klotho-BAA relationship. Moreover, restricted cubic spline analysis showed a non-linear L-shaped dose-response pattern, suggesting that the protective effect of Klotho becomes more pronounced above a certain threshold.
Conclusion: Collectively, these findings underscore the pivotal role of Klotho in the biology of aging and emphasize the importance of accounting for demographic and health-related modifiers in future investigations.
PLoS One. 2026; 21(3):e0343429.
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クロトー(Klotho)値と生物学的年齢加速:中高年者からなる多様なコホートによる検討
目的:加齢は進行性の生理学的・心理的変化を特徴とし、それにより細胞代謝の低下や加齢性疾患に対する脆弱性の増大が引き起こされる。
方法:本研究では、中高年者を対象とした代表的なコホートにおいて、血中クロトー値と生物学的年齢加速(BAA)との関連を検討した。データは「国民健康栄養調査(NHANES、2007-2010年)」から取得し、45歳から85歳までの参加者5,654名を対象とした。血清クロトー濃度はELISA法を用いて測定し、生物学的年齢はRパッケージ「BioAge」を用いて推定した。
結果:線形回帰分析の結果、すべての統計モデルにおいて、対数変換したクロトー値とBAAとの間に強固な負の関連が示された(減少量:-1.06 [95% CI: -1.77~-0.36, p = 0.005]、-1.44 [95% CI: -2.15~-0.73, p < 0.001]、-1.30 [95% CI: -2.20~-0.40, p = 0.01])。ロジスティック回帰モデルでも同様の結果が認められ、クロトー濃度が高いほど、加齢の加速(BAA)のリスク(オッズ)が低いことが示された(OR = 0.72, 95% CI: 0.59-0.88, p = 0.002; OR = 0.63, 95% CI: 0.51-0.77, p < 0.0001; OR = 0.62, 95% CI: 0.46-0.84, p = 0.01)。サブグループ解析では、女性、60歳以上の参加者、および慢性疾患を有さない個人において有意な関連が認められた。交互作用の解析により、年齢(p-interaction = 0.002)、アルコール摂取量(p-interaction = 0.04)、および糖尿病の有無(p-interaction = 0.03)が、KlothoとBAA(血中Klotho濃度と生物学的年齢加速との関連)の関係を有意に修飾していることが示されました。さらに、制限付き3次スプライン解析では非線形なL字型の用量反応パターンが認められ、Klothoの保護作用はある閾値を超えるとより顕著になることが示唆されました。
結論:これらの知見は、老化の生物学的機序におけるKlothoの極めて重要な役割を裏付けるものであり、今後の研究において人口統計学的および健康関連の修飾因子を考慮することの重要性を強調しています。
本研究では、血中クロトー値と生物学的年齢加速(BAA)の関係性を統計解析で検証しています。
そもそも、生物学的年齢加速(BAA:Biological Age Acceleration)とは、実際の年齢(暦年齢)よりも、細胞や体の機能としての「生物学的年齢」が速く進んでいる状態を指します。この差がプラスであるほど、将来の病気リスクや死亡率が高いとされています。
そして、結果、対数変換したクロトー値とBAAとの間に強固な負の関連が示され、クロトー値が高ければ高いほど、将来の疾患リスクや死亡率が低いことを示します。
今まで、サーチュイン(長寿遺伝子)が老化の指標として注目されることが多かったが、私の文献調査の限り、サーチュインと老化速度の関係性まで明らかになっていない。
一方、Klothoは、本研究で関係性が示され、顕著な有意差まで示されている。
だから、抗加齢医学会でも注目される訳です。
なお、BAAは、BioAge R package(詳細は以下文献を参照)というものを用いている。
そして、血中クロトー/Klothoは、日本のIBL(株式会社免疫生物研究所)という会社がELISA定量キットを供給しているようです。
すでに、商業化の準備はできているのだろう。
まぁ、ビジネスとして、Klothoが一般消費者まで浸透するか?はわかりませんが、少しづつ備えていきたいと考えています。
ちなみに、メディアが取り上げたりしてブームにはならない方が好ましい。
利益が分散するだけ。











