今回は、弊社がアジア地域総代理店を行う豆由来フェリチン鉄の文献紹介です。
ただし、由来は、エンドウ豆。
現在、米国では、アレルゲン表示の必要がないエンドウ豆由来のフェリチン鉄原料が供給されています。
フェリチン源は、大豆に限定されないのです。
そのため、本研究も、エンドウ豆由来のフェリチン鉄で行われています。
要するに、フェリチン鉄特有の吸収機構であるエンドサイトーシスは、フェリチンの構造に大きく影響し、無傷な非変性構造を保っているフェリチンほどエンドサイトーシスによる吸収が行われるということです。
そして、フェリチン鉄は、エンドサイトーシスで吸収されることにより、他のミネラル(銅や亜鉛など)から吸収阻害を受けることなく吸収されるため、ラジカルによるダメージが少なく優しく、かつ高い吸収性や生物学的利用能を示すのです。
ある意味、マルチミネラルに適した鉄素材でもあります。
まぁ、こういった結果は、我々も予測しており、原料の製造では、構造が崩れないよう過熱を控えています。
そのため、菌のコントロールに悩んだ時期もあります。
すでに、菌のコントロールもクリアし、非変性度の高い原料の製造を可能にしています。
その代わり・・・
豆特有のポリフェノールが残留し、酸化による色目の変化を招く問題が生じています。
それは、大豆よりエンドウ豆由来のフェリチン鉄原料で顕著です。
四苦八苦しながら、非変性かつ安定性の高い原料への改良を試みています。
日々努力です!
明日は、8時から米国のSloIron社の社長とオンライン会議。
頑張らなきゃ!!
P.S.
フェリチンの中に入っているバイオ鉄だけでもエンドサイトーシスによる吸収が確認されています。
おそらく、非変性のフェリチン鉄と比べると、吸収量などに差が生じるのでしょう。
ただし、由来は、エンドウ豆。
現在、米国では、アレルゲン表示の必要がないエンドウ豆由来のフェリチン鉄原料が供給されています。
フェリチン源は、大豆に限定されないのです。
そのため、本研究も、エンドウ豆由来のフェリチン鉄で行われています。
Pea Ferritin Stability under Gastric pH Conditions Determines the Mechanism of Iron Uptake in Caco-2 Cells
Abstract
Background Iron deficiency is an enduring global health problem that requires new remedial approaches. Iron absorption from soybean-derived ferritin, an ∼550-kDa iron storage protein, is comparable to bioavailable ferrous sulfate (FeSO4). However, the absorption of ferritin is reported to involve an endocytic mechanism, independent of divalent metal ion transporter 1 (DMT-1), the transporter for nonheme iron.
Objective Our overall aim was to examine the potential of purified ferritin from peas (Pisum sativum) as a food supplement by measuring its stability under gastric pH treatment and the mechanisms of iron uptake into Caco-2 cells.
Methods Caco-2 cells were treated with native or gastric pH–treated pea ferritin in combination with dietary modulators of nonheme iron uptake, small interfering RNA targeting DMT-1, or chemical inhibitors of endocytosis. Cellular ferritin formation, a surrogate measure of iron uptake, and internalization of pea ferritin with the use of specific antibodies were measured. The production of reactive oxygen species (ROS) in response to equimolar concentrations of native pea ferritin and FeSO4 was also compared.
Results Pea ferritin exposed to gastric pH treatment was degraded, and the released iron was transported into Caco-2 cells by DMT-1. Inhibitors of DMT-1 and nonheme iron absorption reduced iron uptake by 26–40%. Conversely, in the absence of gastric pH treatment, the iron uptake of native pea ferritin was unaffected by inhibitors of nonheme iron absorption, and the protein was observed to be internalized in Caco-2 cells. Chlorpromazine (clathrin-mediated endocytosis inhibitor) reduced the native pea ferritin content within cells by ∼30%, which confirmed that the native pea ferritin was transported into cells via a clathrin-mediated endocytic pathway. In addition, 60% less ROS production resulted from native pea ferritin in comparison to FeSO4.
Conclusion With consideration that nonheme dietary inhibitors display no effect on iron uptake and the low oxidative potential relative to FeSO4, intact pea ferritin appears to be a promising iron supplement.
↓ Google翻訳
胃のpH条件下でのエンドウ豆のフェリチンの安定性がCaco-2細胞における鉄の取り込みのメカニズムを決定する
要旨
背景 鉄欠乏症は、新しい治療アプローチを必要とする永続的な世界的な健康問題です。大豆由来のフェリチン(約550 kDaの鉄貯蔵タンパク質)からの鉄の吸収は、生物学的に利用可能な硫酸第一鉄(FeSO4)に匹敵します。ただし、フェリチンの吸収は、非ヘム鉄のトランスポーターである二価金属イオントランスポーター1(DMT-1)とは独立したエンドサイトーシスメカニズムを伴うことが報告されています。
目的 私たちの全体的な目的は、エンドウ(Pisum sativum)から精製されたフェリチンの食品サプリメントとしての可能性を、胃のpH処理下での安定性とCaco-2細胞への鉄の取り込みのメカニズムを測定することによって調べることでした。
方法 Caco-2細胞は、非ヘム鉄取り込みの食事性モジュレーター、DMT-1を標的とする低分子干渉RNA、またはエンドサイトーシスの化学的阻害剤と組み合わせて、天然または胃のpH処理エンドウ豆フェリチンで処理されました。細胞フェリチン形成、鉄摂取の代理測定、および特定の抗体を使用したエンドウ豆フェリチンの内在化を測定した。等モル濃度の天然エンドウ豆フェリチンとFeSO4に応答した活性酸素種(ROS)の生成も比較されました。
結果 胃のpH処理にさらされたエンドウ豆のフェリチンは分解され、放出された鉄はDMT-1によってCaco-2細胞に輸送されました。 DMT-1および非ヘム鉄吸収の阻害剤は、鉄の取り込みを26〜40%減少させました。逆に、胃のpH処理がない場合、天然のエンドウ豆フェリチンの鉄取り込みは、非ヘム鉄吸収の阻害剤の影響を受けず、タンパク質はCaco-2細胞に内在化されることが観察されました。クロルプロマジン(クラスリン媒介エンドサイトーシス阻害剤)は、細胞内の天然エンドサイトーシスフェリチン含有量を約30%減少させ、天然エンドサイトーシス経路を介して天然エンドサイトーシスが細胞内に輸送されることを確認しました。さらに、FeSO4と比較して、ネイティブのエンドウ豆フェリチンによるROS生成が60%少なくなりました。
結論 非ヘム食餌阻害剤は鉄の摂取に影響を与えず、FeSO4と比較して酸化電位が低いことを考慮すると、無傷のエンドウ豆フェリチンは有望な鉄サプリメントであるように思われます。
要するに、フェリチン鉄特有の吸収機構であるエンドサイトーシスは、フェリチンの構造に大きく影響し、無傷な非変性構造を保っているフェリチンほどエンドサイトーシスによる吸収が行われるということです。
そして、フェリチン鉄は、エンドサイトーシスで吸収されることにより、他のミネラル(銅や亜鉛など)から吸収阻害を受けることなく吸収されるため、ラジカルによるダメージが少なく優しく、かつ高い吸収性や生物学的利用能を示すのです。
ある意味、マルチミネラルに適した鉄素材でもあります。
まぁ、こういった結果は、我々も予測しており、原料の製造では、構造が崩れないよう過熱を控えています。
そのため、菌のコントロールに悩んだ時期もあります。
すでに、菌のコントロールもクリアし、非変性度の高い原料の製造を可能にしています。
その代わり・・・
豆特有のポリフェノールが残留し、酸化による色目の変化を招く問題が生じています。
それは、大豆よりエンドウ豆由来のフェリチン鉄原料で顕著です。
四苦八苦しながら、非変性かつ安定性の高い原料への改良を試みています。
日々努力です!
明日は、8時から米国のSloIron社の社長とオンライン会議。
頑張らなきゃ!!
P.S.
フェリチンの中に入っているバイオ鉄だけでもエンドサイトーシスによる吸収が確認されています。
おそらく、非変性のフェリチン鉄と比べると、吸収量などに差が生じるのでしょう。