最終商品を輸入した場合、原材料で輸入する時より植物検疫のチェックがどうしても緩くなってしまいます。
後々、回収騒動といえケースも少なくありません!
数年前、放射線殺菌された大麦若葉エキス末の大きな回収騒動があったくらいですから・・・。
今回は、気をつけるべき原材を紹介いたします。
エチレーションされた魚油
注意レベル:★★★★
過去にも紹介しましたが、日本は、意外に魚油の規制が厳しいです。濃縮の工程でエチレーションが認められておらず、酵素法で製造された魚油しか輸入できません!
特に、トリグリセリド(TG)ではなくエチルエステル(EE)に置換された魚油は、日本において医薬品グレードの魚油だったりもします。
海外産の魚油は、ほぼ該当すると考えても良いかもしれません。
まぁ、末端商品としては、結構、スルーして流通してしまっているような感じもします。
【追記】
2021年現在、エチレーションが行われているエチルエステルタイプの魚油も流通し始めています。過去は、NGとされていましたが、近年、規制緩和された可能性も出てきております。
DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチン
注意レベル:★★★☆
ケルセチンは、エンジュや蕎麦、小豆など、由来原料が限定されています。ケルセチンは、ルチンからの分解物とされており、当然、ケルセチンの由来植物の条件は原料となるルチンと同じだそうです。
ルチン(抽出物) (アズキの全草、エンジュのつぼみ若 しくは花又はソバの全草から得られ た、ルチンを主成分とするものをいう。)
>>もっと詳しく
DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチンは、ブラジルのメルクが供給しており、世界的に広く流通しています。安くて品質が良い。でも、日本ではNG。
東京検疫所に照会をかけるとNGと回答されるのですが、稀にスルーして流通している原料が存在します。東京ではなく、緩い検疫で通ってしまったのかなぁ?
まぁ、何れにしても、最終商品に配合されていたら、なかなか発見できないでしょう。
イタドリ根由来のレスベラトロール/プテロスチルベン
注意レベル:★★★☆
由来が医薬品区分のイタドリ(虎杖根)だと、医薬品区分の原料になってしまいます。
アメリカなどでは、安価な中国産イタドリ根由来のレスベラトロールが主で流通しています。合成されたプテロスチルベン;メチル化レスベラトロールも流通しているくらいですからね・・・。
最近では、アミノ酸を出発原料として酵素を用いた合成方法も確立され、日本でもNGではないそうです。でも、アミノ酸が遺伝子組み換えの微生物から抽出されたものなので、通関を通すのは、かなり厄介と考えています。過去、私も原料輸入でチャレンジしましたが、諦めました・・・。
パラアミノ安息香酸
注意レベル:★★☆☆
ビタミンB群の一種で、アメリカではサプリメント素材です。日本では、医薬品成分に該当します。
海外のマルチビタミンには、かなりの比率で配合されています。また、育毛の医薬品パントガールなどにも配合されていることが知られています。
キレートミネラル
注意レベル:★★☆☆
アメリカのミネラルサプリメントには、極普通に配合されている成分。
日本では認可されていません。指定外添加物に該当します。
アシュワガンダ
注意レベル:★★☆☆
数年前、医薬品区分に移行しました。もうサプリメントには使えなくなっちゃいました。
イカリ草やヨヒンベ(ヨヒンビン)など
注意レベル:★☆☆☆
アメリカではサプリメント素材でも、日本では医薬品素材です。精力系のサプリには、配合されていることが多いです。
まぁ、★が2つの素材は、十中八九、通関で止まると思います。
健康食品を末端製品でも原料でも輸入する場合、食薬区分のチェックは、一番最初に行うことです。そして、次は、由来原料や製法のチェック(日本の規制に適合しているかどうか)です。★が3つ以上の素材は、チェックしないとわからないこともあります。
しっかりとしたチェックが必要なのです。
是非、こういった事例を参考にしていただければ幸いです。続きを読む
後々、回収騒動といえケースも少なくありません!
数年前、放射線殺菌された大麦若葉エキス末の大きな回収騒動があったくらいですから・・・。
今回は、気をつけるべき原材を紹介いたします。
エチレーションされた魚油
注意レベル:★★★★
過去にも紹介しましたが、日本は、意外に魚油の規制が厳しいです。濃縮の工程でエチレーションが認められておらず、酵素法で製造された魚油しか輸入できません!
特に、トリグリセリド(TG)ではなくエチルエステル(EE)に置換された魚油は、日本において医薬品グレードの魚油だったりもします。
海外産の魚油は、ほぼ該当すると考えても良いかもしれません。
まぁ、末端商品としては、結構、スルーして流通してしまっているような感じもします。
【追記】
2021年現在、エチレーションが行われているエチルエステルタイプの魚油も流通し始めています。過去は、NGとされていましたが、近年、規制緩和された可能性も出てきております。
DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチン
注意レベル:★★★☆
ケルセチンは、エンジュや蕎麦、小豆など、由来原料が限定されています。ケルセチンは、ルチンからの分解物とされており、当然、ケルセチンの由来植物の条件は原料となるルチンと同じだそうです。
ルチン(抽出物) (アズキの全草、エンジュのつぼみ若 しくは花又はソバの全草から得られ た、ルチンを主成分とするものをいう。)
>>もっと詳しく
DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチンは、ブラジルのメルクが供給しており、世界的に広く流通しています。安くて品質が良い。でも、日本ではNG。
東京検疫所に照会をかけるとNGと回答されるのですが、稀にスルーして流通している原料が存在します。東京ではなく、緩い検疫で通ってしまったのかなぁ?
まぁ、何れにしても、最終商品に配合されていたら、なかなか発見できないでしょう。
イタドリ根由来のレスベラトロール/プテロスチルベン
注意レベル:★★★☆
由来が医薬品区分のイタドリ(虎杖根)だと、医薬品区分の原料になってしまいます。
アメリカなどでは、安価な中国産イタドリ根由来のレスベラトロールが主で流通しています。合成されたプテロスチルベン;メチル化レスベラトロールも流通しているくらいですからね・・・。
最近では、アミノ酸を出発原料として酵素を用いた合成方法も確立され、日本でもNGではないそうです。でも、アミノ酸が遺伝子組み換えの微生物から抽出されたものなので、通関を通すのは、かなり厄介と考えています。過去、私も原料輸入でチャレンジしましたが、諦めました・・・。
パラアミノ安息香酸
注意レベル:★★☆☆
ビタミンB群の一種で、アメリカではサプリメント素材です。日本では、医薬品成分に該当します。
海外のマルチビタミンには、かなりの比率で配合されています。また、育毛の医薬品パントガールなどにも配合されていることが知られています。
キレートミネラル
注意レベル:★★☆☆
アメリカのミネラルサプリメントには、極普通に配合されている成分。
日本では認可されていません。指定外添加物に該当します。
アシュワガンダ
注意レベル:★★☆☆
数年前、医薬品区分に移行しました。もうサプリメントには使えなくなっちゃいました。
イカリ草やヨヒンベ(ヨヒンビン)など
注意レベル:★☆☆☆
アメリカではサプリメント素材でも、日本では医薬品素材です。精力系のサプリには、配合されていることが多いです。
まぁ、★が2つの素材は、十中八九、通関で止まると思います。
健康食品を末端製品でも原料でも輸入する場合、食薬区分のチェックは、一番最初に行うことです。そして、次は、由来原料や製法のチェック(日本の規制に適合しているかどうか)です。★が3つ以上の素材は、チェックしないとわからないこともあります。
しっかりとしたチェックが必要なのです。
是非、こういった事例を参考にしていただければ幸いです。続きを読む