今、ちょうど、漫画等で血中フェリチンと共に豆由来フェリチンを表現する案件がある。
こういった医学/生化学系の漫画と言えば、多くの人は「はたらく細胞」を思い浮かべる人が多いだろう。



一方、はたらく細胞では、未だフェリチン絡みのストーリーがない・・・。
赤血球という主役級のキャラクターが絡む大事な役割であり、今後、紹介されても全くおかしくない赤血球の働きです。貧血は、鉄欠乏性貧血は世界で最も頻度の高い疾患の一つですからね。
参考文献:鳥本 悦宏, 高後 裕. III. 貧血の診断と治療 1. 鉄欠乏性貧血鉄欠乏性貧血 日本内科学会雑誌 2006; 95(10) 25-29
また、隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)の指標として、注目されつつある指標成分ですからね。

まだ描かれていない理由は、鉄の利用やフェリチンの役割が意外に難しいからでしょうね・・・。

まぁ、ストーリーのラフを考えると、以下のようになるのだろう。

タイトル:
1案:赤血球のピンチ!鉄を探して三千里
2案:周りを元気にする赤血球の危機

とぼとぼ歩き、顔色の悪い赤血球さん。体の色もやや薄い・・・。飢餓状態?
酸素も運搬できる状態ではない・・・。
理由は、鉄不足。
鉄が不足していて、赤血球さんの赤色色素ヘモグロビンが作れていない。

普段は、血清鉄(トランスフェリン結合鉄)が血管内に落ちていて、鉄補給が可能。でも、鉄の摂取不足で、血清鉄が血管内に落ちていない。

鉄を探して、探し回る赤血球さん。
どこにもない!
ドンドン色が薄くなり、ピンチ!

(酸素が運ばれないため、生体エネルギーも作られず、細胞全ての動きが不活発。だから、人の体は、元気がない。いわゆる、貧血状態。)

赤血球さんの元気がない姿を見て、他の細胞も、どんどん元気がなくなる。

そんな中、必死に鉄を探し回る赤血球さん。

ようやくたどり着いたのが脾臓(もしくは肝臓)に貯蔵されたフェリチン鉄※。
(赤血球さんの目が輝く)

赤血球さんは、フェリチン鉄を摂り入れて、赤色も濃くなり、元気いっぱい!
再び赤血球さんは、元気に働き始めるのでした・・・。
周りの細胞さん達も元気になるのでした。

※フェリチン鉄とは、タンパクに包まれた鉄であり、鉄が体に足りている時に貯蔵される鉄の形です。腸で吸収された鉄は、一旦、鉄プールに移動し、不足されていれば、血清鉄として血管内に供給され、ヘモグロビンの材料となります。不足していなければ、フェリチン鉄として肝臓や脾臓に蓄えられます。そして、不足したら、このフェリチン鉄が血管内に溶けだして、ヘモグロビンの材料として赤血球に利用されるのです。近年では、豆もフェリチン鉄の形で豆果に蓄えることが知られています。

こんなストーリー、清水茜先生の目に留まって、漫画に採用してもらえませんかね・・・。
取材なら、いくらでも受けさせていただきます!
淡い期待をしながら、この記事を投稿します♪