先日、まめ鉄に対して、以下のような説明/案内をさせていただきました。



健康食品サプリメントの日本市場は、国土が狭いためか? 海外と異なり、在庫を極力持たないでOEM製造が行われます。
そのため、原料ビジネスでも即納の指定が多く、中には、翌日午前指定などと言う指定も少なくありません。

厳密には・・・1週間以内の納期を要求するのは、下請法で問題になるようですが、これが業界の商習慣となっています。

まぁ、今や、中堅以上の受託加工会社さんは、どこも製造ラインがパンパンな状態で、即納と言う指示は、ほとんどなくなりました。
多くが問屋商社さん経由の案件です。

それには、いろいろな事情があります。
中堅以上の工場さんの原料調達の大部分は、販売者さんの案件であり、ある程度、製造スパンが読めていて計画生産されている案件です。
一方、下請けを利用した企画会社さんの案件で、原料納入を早く完了してしまわないと、納期を詰めれないような案件が多いでしょう。弊社も、この形態に非常に近いため、状況が良く理解できます。
また、暇な零細受託加工会社さんの案件も含まれるでしょう。

さて、前置きはここまで。
OEM事業は、必然的に既存顧客が優遇されます。特に、何度もリピート注文をくれてる既存顧客。
新規顧客は、見込み顧客でしかなく、どれくらいの利益につながるか?が確定していないですし、かつ売上比率は、大して大きくないですからね。

ぶっちゃけ、親会社が立て続けに変わった大手受託加工会社も、この既存顧客を優遇せずに新規顧客獲得に力を注いだため、売上がガタ落ちになりました。
事業の本質を知らない経営者(買収した会社)が誤った戦略を打ち出し、工場の役員が加担したために起こった結果です。
今、上記の会社ほどではないですが、外部から経営幹部が招かれ、似たような過ちを行っている受託加工会社さんが売上を落としています。

弊社も、OEM事業の売上の7-8割は、リピート注文によるもの。2-3割が新規。この2-3割という数字は、意外に大きく、多くのOEM会社さんは、1-2割が新規という構成でしょう。大手さん中心に手掛けているOEM会社さんは、0.5-1割かな?

現在、まめ鉄のOEM顧客の9割以上は、リピート注文をくれる既存顧客です。
そして、原料の出荷ベースで推測すると、弊社OEM顧客が市場の約8.5割をシェアを持っています。

これら弊社OEM顧客の多くは、年間製造計画を出してくれています。
そのため、予定納品日の2ヶ月前には原料が予約されてしまいます。最大大口は、物量も多いため、3-4か月前には原料予約されています。
そのため、8月末から既存顧客から発注が立て続き、11月12月納品が要求される最繁忙期の2ヶ月前の8月末から9月初旬に多くの原料確保が行われました。
加えて、先述の大手受託加工会社さんの既存案件の原料確保も同時に行われたため、欠品を招いてしまいました。

結果として、新規の原料顧客や2回目の発注の原料顧客をお待たせする形になりました。
まぁ、中には、運良く滑り込んだ新規OEM顧客、お待たせすることになった2回目のリピート発注のOEM顧客もいらっしゃいましたが・・・。

何れしても、弊社のOEM事業の営業マンたちは、弊社の在庫も把握しているため、危ないなぁと思ったら、OEM顧客に発注書発行を促します。
結果として、自社原料に関しては、どうしても優遇されて安定的な原料供給がなされます。特に、リピート発注をくれる既存顧客。
今回、この差も多く出たような感じもします。

弊社のようにOEM事業と原料事業を同時に行っていると、売上額が必然的に大きくなるOEM事業に偏ってしまいます。
そういった理由からも、原料事業は、そのバランスを取っている私しか手掛けていません。

まぁ、OEM事業の社員達からは、他社に案件を取られたくないから原料価格を上げて欲しいという要望も常に届きます。特に、まめ鉄の価格。

弊社の原料事業は、取引額によって、問屋商社向け価格に限らず、受託加工会社(工場)向け価格もABCランク付けが行われ、ランク別の価格が設けられています。
私は、OEMの工賃や利益構造も熟知しているので、公平性を保ちつつ微妙なラインで価格統制が行われています。

ちなみに、弊社は、新規顧客に関して、2つの鉄則方針が存在します。

まず、迅速かつ丁寧に対応しても深く追わない!
新規顧客に振り回されないためです。
だから、弊社の見積りは、後からの交渉されることを考慮せず、一発勝負!の気持ちで出されています。

まぁ、じゃなきゃ、ガンガン来る問い合わせをできるだけ高成約率で処理していけないですからね・・・。
また、この業界、商品設計や情報だけ欲しいという提案泥棒もたくさんいるので、そういった輩は、ドンドン切っていく必要がある。

何れにしても、このOEM事業というビジネスも、通販と同じく、リピート注文で利益を出していくビジネスです。
通販と異なるのは、顧客毎に、成長率やリピート率が異なる点。ぶっちゃけ、顧客にランクがある。
1回で終わるより、年一でも注文が来る顧客
年1回の注文より年3~5回の発注をくれる顧客
1回の注文が最小ロットの顧客より1回1万個以上の顧客

弊社は、1000個未満の新規顧客でも、丁寧かつ迅速に対応する。

お客にとって発注金額の大小はそれぞれなので、極小さなロット(70万円前後)でも、とても偉そうに上からくる顧客もいる。
あえて売上を公開していないので、小さな会社だと思って、最初からバカにしたような態度でくる顧客もいる。原料事業でも同じだが。
隣で見ていて、酷いなぁと思う客も少なくない。
まぁ、億単位の売上を持っていても、うちの営業マン達は、分け隔てなく、丁寧かつ迅速に対応に徹している。

もちろん、リピートする顧客には、感謝して、手厚く対応する。

これができるから、弊社は、成長し続けれるのだろう。
奢らない姿勢が大事。

これからも、こういった顧客との付き合い方を徹底していければと思います。
盛者必衰、奢るべからず。