前回は、労働生産性と決裁権についてでしたが、次は、労働生産性と人材流動性について。

要するに、離職率が高い会社と低い会社の労働生産性について。

基本、離職率が高い会社さんは、労働生産性が低いことが多い。
それに伴い、給与水準も低いという傾向があると思う。

離職の理由は、成果が出せないことや労働時間や業務の大変さが給与に見合っていないことが主だろう。

そして、それらの原因の1つは、間違えなく労働生産性の低さだろう。
また、誰でも成果が出せる仕組みがないという原因もあるだろう。

ある上場企業の給与形態を見たけど、平均年収は、うちの最も若い社員より低い。それで、会社ページには、参考例として、違和感のある高年収例が表示されている。
人材の流動性が高い理由がよく理解できる。

この会社さんに限らず、近年、健康食品サプリメント製造業界、原料メーカーもOEM会社(受託加工会社)も、人材の流動性が高まっている点が目に付く。

まぁ、OEM事業は、設備というハードが必要であり、そのハードがあるから仕事できている側面もあり、人材等のソフト面が重要視されないケースもある。

原則、相手が大手で、OEM製造に慣れている担当者出れば、大きな問題は生じない。一方、相手が中小企業で、まして、OEM製造初心者であれば、サポート力で問題が生じてくる。
経験豊富な人材が不可欠になる。

何れにしても、人材って、簡単に育たないし、雇用・教育するにしてもコストがかかる。
人が入れ替わると、高い確率で組織の労働生産性が落ちる。

特に、中小企業向けOEM事業は、人材育成と人材流出抑制が会社の成長を左右するというのが私の持論。

だって、繰り返しますが、求人にも(弊社は払っていないけど)広告費や面接等の人件費かかるし、当然、人材育成にも見えにくい人件費がかかる。
人材流動性の高さは、労働生産性を低下させるだけでなく、見えないコストがかなりかかっているのです。
旧時代の経営者ほど、人材を物のように交換しようとするが、人手不足が深刻化している今、考え方を改める必要があるだろう。

だから、経験を積んだ社員には、結婚しても、出産しても、在籍して働き続けてもらいたいと私は思っている。
やっぱり、そういった理念を持たない会社は、今後、生き残っていけないだろう。

今までの時代、どうしても、ノルマ等で営業管理を行っていかなければ、成果が出にくい時代でした。一方、弊社のように、ノルマもなく、飛び込み営業や電話営業もない営業体制で成長してきている会社も出てきている。
これからの時代、古いシステムで業務遂行され、人材の流動性が高い会社は、淘汰されていくだろう。

ちなみに、弊社は、経験者を積極的に採用していない。
理由は2つ。

1. 前職の会社と弊社の関係性
2. 前職の働き方とのギャップ

1については、引き抜いていなくても、引き抜いたと勝手に噂される業界だからというのもある。
2については、仕事も持ってこなくていいから、真っ新な気持ちで再出発してもらいたいという私の考え方が影響している。

なお、会社の年齢構成上、どうしても制限が生じ、経験者が取りにくいケースもある。30代前半までの経験者であれば検討したいのだが、そういった縁になかなか恵まれていない。

次の人材は、かなり条件厳しいが、経験者の方が良いと思っているので、良い縁があればなぁと思っている。

弊社は、人材の流動性を高めたくない会社であるからこそ、不用意に人材を採用しない。業界の方々から入社希望もたくさんもらうけど、今のところ、採用の事例はない。
入社する人にも後悔してもらいたくないから。

1度しかない人生、満足できる仕事人生であってもらいたいし、満足できるように一緒に苦労したいと思っている。