弊社は、赤ワイン由来のレスベラトロール原料で、今でもボチボチの売上があります。おそらく、まだトップシェアかな?

一方、弊社は、これ以上、レスベラトロールの研究開発に力を入れるつもりはない。研究開発費として、投資するつもりがない。

その理由は、合成プテロスチルベンの存在。

そもそも、プテロスチルベンは、天産物中にも存在する。一方、その含有量は少なく、原料の多くがレスベラトロールから合成されている。

日本におけるレスベラトロールブーム中の2013年前後、米国では、Chromadex社のイタドリ由来レスベラトロールをメチル化加工して製造されたプテロスチルベンが流通していました。

その時点で、レスベラトロールよりプテロスチルベンの方が機能性的に優れていることを認識していました。

そして、この合成が行われたプテロスチルベン原料が日本にも上陸すると予測していました。

まぁ、イタドリ由来のレスベラトロールは、食薬区分の関係上、なかなか日本に上陸してきませんでした。
一方、2014年頃からインドキノキ由来のレスベラトロールが流通し始め、その内、インドキノキ由来のプテロスチルベンも流通し始めました。

インドキノキ由来のレスベラトロールをメチル化加工してプテロスチルベンが作られているのでしょう。

NMNや5-デアザフラビンの流通が表している通り、近年、昔ほど合成工程がある原料に対して、通関で厳しく追及されなくなりました。



時代の変化により、予想通り、日本でもプテロスチルベン原料も流通し始めたのです。

そうなってくると、ますますレスベラトロールに対して、研究開発費を投資するメリットがなくなってくる。

特に、レスベラトロールは、低用量の摂取でしかサーチュインを活性化しないことがわかっているし、成分として体感が少ないことがわかっているので、これ以上研究開発費を投じてもペイしないだろう。

また、プテロスチルベン純品原料のような素材に投資して有効性データを取っても、あまり意味がない。すぐに模倣原料が出てきて、研究開発費がペイできなくなってしまうだろう。

弊社は、市場性を見ながら、自社原料に研究開発費を投じています。
今年は、ジオスゲニン原料に対して、パイロットテストとして、600万円ほど研究開発費を投じています。

まぁ、どう転んでも、このデータが出ると、ジオスゲニン原料として他社の追随を許さないような原料になっていくだろう。

次は、機能性表示食品対応を意識したプロトコールで、2500万円くらいの研究開発費を投じる必要性が生じてきます。

これは、原料メーカーの宿命、特に、オリジナル性の高い原料ほど。

常に投資先(原料)を開発し、常に研究開発費として投資し続けなければ、事業の未来はありません。
レスベラトロールやプテロスチルベンは、対象から外れただけ。

最後に、大事なマネージメントなのだが、こういったお金を使う仕事が一番しんどい・・・
責任が重いし、会社の未来を左右する。

会社の未来を考えず、得られた利益を分配してしまえば楽チンなのだろうけど、それは、絶対にできない。
そういった原料メーカーは、たくさん存在するが、どこも落ちぶれ、ビジネスが先細っている。

まぁ、この研究開発を止めた時、私自身の潮時なのだろう。