健康食品サプリメント原料OEM製造業界 生き残り術

健康食品サプリメントの受託製造加工;OEMや原料供給を行う栗山雄司(広告代理店経験のある博士マーケッター)のブログ。原料クリエイティブからの商品設計ノウハウ、最新研究データ、機能性表示食品、食品表示法・薬機法・景品表示法、中国を始めとした海外展開の話など

機能性食品素材で介護のない幸せ笑顔あふれる世の中を作ることがです。そのためには、素材の研究開発とマーケット創造の両方が不可欠です。
本ブログでは、その理想像を追い求めながら、その実践で得られた市場での生き残り術を紹介していきます。

マーケット情報や学術情報を集約しながら、会社のフォーミュレーターとして、日々、健康食品サプリメントを作ってます。
近年は、機能性表示食品にも力を入れております。

仕事のご依頼がございまいたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

品質管理

健康食品サプリメント原料の加工係数と残留農薬管理

みなさん、植物抽出物の残留農薬管理において、加工係数は、どのように定めておられますか?
そもそも、加工係数って、ご存知でしたか?

植物抽出物のように、高濃度の濃縮が行われている場合、由来となる農産物の残留農薬基準を余裕でパスしているのに、加工食品の残留農薬基準をパスしない!なんていう事象は、よく起こりうる事象です。
(植物抽出物は、中間加工食品にも該当するため、加工食品の残留農薬基準をパスする必要があります。)
現実問題、一律基準の0.01ppmなんて、加工係数 を加味しなければ、多くの残留農薬で引っかかってしまいます。由来農産物の基準をパスしていても、引っかかってしまいます。
それだけ、厳しい値になっています。
ドリフトや昆虫による輸送でも検出されてしまうレベル。

実は、加工食品の残留農薬基準をパスしていないのではなく、加工係数を加味していないから、パスしていないように見えるだけです。
最終商品で残留農薬試験を行うと、特に起こりえる事象(トラブル)です。

ちなみに、こちらは、10倍濃縮という加工係数から残留農薬の検出値を検証し、加工係数を加味すればパスした事例です。

例:10倍濃縮リンゴ果汁の場合

検査→クロルピリホスが2ppm検出!

評価→濃縮率が10倍であるから、原材料での濃度を試算すると0.2ppm,クロルピリホスのリンゴでの基準値は1ppmであるから、違反ではない!

出典:公益財団法人 山口県予防保健協会 食品環境検査センター Q&A Q3

わかりやすく事例が紹介されています。

中間加工食品の加工係数は、希釈や濃縮の工程を反映して設定する必要があります。

特に、健康食品やサプリメントに使用される多くの原材料は、高い濃縮率での濃縮工程を含むため、必ず加工係数を加味する必要があります!

まぁ、実際、これを知らずに、焦ってデータをねつ造する健康食品サプリメントの原料メーカーさんもいらっしゃるのですが、罪が重たくなるだけです・・・。
最終末端商品で残留農薬試験を実施している会社さんには、すぐにバレてしまい、最悪、訴訟問題に発展しかねません。

ちなみに、弊社の人気原料である赤ワインエキスも、必ず加工係数を加味しなければならない原料の1つです。



数百mg単位で摂取する原料なのに、グラム単位で食べることを想定したブドウの残留農薬基準を余裕でクリアしていても、加工係数を加味しなければ加工商品の基準をパスしないということが稀に起こります。

過去、行政に相談した際も、担当者の方は「生鮮食品など一般食品の残留農薬管理が目的の制度なので、健康食品サプリメントの原料は想定されていないと推測できるから難しいね・・・。」ともコメントされていました。
難しい問題です。

この原料は、嗜好品の赤ワイン搾りかすを再び発酵させて製造される調味料用の赤ワインを作る工程で抽出されており、粗原料自身が嗜好品の赤ワインのブドウより残留農薬量は少ないのですが、1000倍という濃縮工程があるため、どうしても残留農薬がゼロにはなりません。

本原料は、赤ワインから分離抽出されているのですが、まず、この赤ワインは、ブドウ1000kgから約1000Lの二次原料の赤ワイン(調味料用)を製造されています。そして、本原料は、1000L以上の赤ワインから1kgの原料が製造されております。
要するに、1kgの中間加工原料である赤ワインエキス末を作るのに、1000kgのブドウから抽出されていることになります。
したがって、加工係数は1000になります。

まぁ、この加工係数の明確な設定基準が定められていないため、原料メーカー責任で設定しなければならないものなので、ここら辺を業界団体で基準化してもらえると非常に助かるんですけどね・・・。

ビルベリーなども、1:500~600という抽出比で、高い濃縮率での工程があるため、加工係数を加味する必要があります。
自生している植物を抽出していますが、ドリフトや昆虫によって運ばれる残留農薬が検出される可能性もあるので、検出されないとは限りません。
実際、自生している植物でも、残留農薬が検出されます。

弊社の赤ワインエキス末は、毎ロットで残留農薬試験(約400項目)が行われているので、最終商品で検出されても、しっかりとした見解を示すことができます。
何れにしても、例えコストがかかっても、こういった管理体制を続けることが大事なのでしょうね・・・。
指摘されるのが怖いから、わざと項目を減らしたり、なるべく分析を行わないという時代ではないと思います。

弊社は、品質管理に対して、真摯に取り組み、安心して原料を採用してもらえるような環境を整えるだけです。

猶予期限間近、新食品表示のポイント

平成27年4月に食品表示が施行され、食品の表示方法が新しくなりました。そして、その変更の猶予期限が平成32年;今年3月末に定められています。
猶予期限間近の現在、多くのOME会社では、新表示への変更に追われていると思います。ラストスパート状態。

弊社も、表示変更地獄です・・・。

実際、どんな表示が必要になって来るかを、弊社の商品(栄養機能食品)の事例で示してみました。主に赤で示した部分が変更点。

sample

上から。
1. 原産国表示
2. 食品添加物との区分け
3. 製造所固有記号(新ルールの表示方法)
4. 栄養成分表示の文言と内容量の枠内表示化
5. ナトリウム→食塩相当量
6. 強調表記における含有量担保の厳密化
7. 栄養成分の指定桁数の設定


一番配合量の多い食品添加物以外の原材料に対して、原産国表示が求められるようになりました。

原産国表示については、最終加工国のルールなども明確化されました。リパックだけでは、最終加工国として表示できなくなりました。まぁ、対応しきっていない原料メーカーもあるので、過去、この様な記事も書いております。



食品添加物と食品添加物以外の原材料(いわゆる食品原料)の区分けは、スラッシュ以外にも、段を変えたりしても良いです。

製造所固有記号は、販売者さんによってWebから登録される必要性が出てきました。平成27年3月以前に取得された製造所固有記号は、使用できなくなりました。すなわち、新規取り直しの必要性が出てきました。

まぁ、マニュアルを渡しても登録できなお客様も多いので、IDとパスワードだけ取得してもらい、弊社で登録するケースも少なくありません。

また、表示方法も変更させれています。
固有記号の製造所の問い合わせ先の表示も必要になり、記号の前に「+」を付けなければならなくなりました。

食塩相当量は、次の式を用い、

ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)

ナトリウムの値から算出する必要が出てきました。
ゼロ表示基準に注意する必要があり、小数点の桁数がとんでもないことに・・・。

強調表記における含有量担保の厳密化と書かれていますが、この画像では、示せません。
主に経時変化で減衰するビタミンが対象ですが、減衰も加味して、表示値を設定しなければなりません。弊社では、ビタミンについて、加速試験まで推奨しております。
ミネラルは経時変化しないので、一回の確認分析だけ。

最後の栄養成分の指定桁数の設定については、知らない方も多いようです。
なので、ここが一番見落としがちかな・・・。
注意すべき栄養素は、以下のものです。

亜鉛 小数第1位
鉄 小数第1位
銅 小数第1位
ナイアシン 1の位
パントテン酸 小数第1位
ビタミンB1 小数第1位
ビタミンB2 小数第1位
ビタミンB6 小数第1位
ビタミンB12  小数第1位
ビタミンD 小数第1位
ビタミンE 小数第1位

例えば、ビタミンB1を10mg配合していたら、なかなか10.0mgって表示しないでしょう。
盲点になりがちなので、ご注意ください。

まぁ、その他にも、ちょこちょこ変わっているのですが、焦点がボケてしまうので、今回は、この程度に留めておこうと思います。

皆さん、猶予期限間近です。
備えてください!!

P.S.
今回は、強調表示の表示値保証は、ビタミンとミネラルに限定されましたが、一部の行政では、栄養素以外の強調表示にも、表示値保証を求めています。消費者庁も、相談すると、同様な見解を示しております。
未だ指導例などはないですが、機能性表示食品制度が導入され、機能性関与成分の表示が行われるようになり、有効成分に該当するような強調表示成分は、今後、一定の管理が求められてくるとも予測されます。
また、LPなどの広告表現では、ビタミン・ミネラルの強調表記を行いつつ、商品には栄養成分量が記載されていない例などについても、指導が入ってくる可能性があります。
みなさま、十分にご注意くださいませ。

亜鉛含有酵母のX線分析による残留粗原料チェック

実は、先々月より、新しいメーカーの亜鉛含有酵母を輸入し始めました。
主に、自社のOEMに使用するため。

この亜鉛って、滋養強壮だけでなく、美容商材の体感素材に利用できたり、育毛サプリの主剤の1つにも利用できたりするので、とても便利な素材なんです。

黒点の問題で、いろいろ既存顧客から相談も受けていたので、外販しても良いかなぁと考えています。

黒点が生じるのは、洗いが不十分だからだと考えています。
洗いが甘いと、糖質が残ります。
その糖質の量が多いと、焦げ付きを生じやすく、黒点を作ってしまうのです。
そして、その黒点がソフトカプセルなどで問題になります。

まぁ、どうしても、亜鉛含有量を保ちながら粉末化しようとすると、洗いが甘くなります。
製法によっては、洗い過ぎると、亜鉛が減っちゃいますからね。

この亜鉛酵母は、今まで見た亜鉛酵母の中で最も品質が良いです。

何と言っても、培養時の1回しか亜鉛源が投入されていない!
意外に画期的。
それでかつ、結晶物が検出されない!

zincyeast

結晶物が含まれない場合は、こんな感じにブロードなピークが示される。
含まれると、シャープなピークが示され、データベースと照らし合わせると、どんな成分なのかが定性できる。

粗悪な原料だとX線分析で指定外添加物の酸化亜鉛などが残留粗原料/残留結晶物として検出されてしまう。
未だ、こういった原料が流通する。
理由は、添加物をブレンドしているだけの粗悪な亜鉛酵母の原価が培養時に添加している原料に比べて1/4程度だから。
亜鉛源も、残留しにくい硫酸亜鉛より残留する酸化亜鉛の方が安いからという理由で選択されていることが多い。
業界の闇の部分。
そりゃ、儲かるもん。

この条件で10%の亜鉛酵母を製造するのは、なかなか困難だったのだが、このメーカーは、それを可能にしています。
中国で作っていること以外、マイナスポイントはない。
まぁ、当然、先述の粗悪な亜鉛酵母に比べると、割高ですが・・・。
今や、食品加工の技術力という面では、中国の方が高いケースが多いです。その代表例。

やはり、植物検疫では、中国製造品なので、結構、細かくチェックが入りました。

酷い話、残留結晶物の品質管理方法に対して、分析方法を解説させられました。
分析機器の条件の説明や原理など。
通関とは、関係ないじゃん・・・。

ちなみに、東京検疫所に事前相談した際も、分析方法概要の解説を依頼されました。
私の論文が残っていたのもあり、丁重にお願いされました。
一方、通関時は、命令だたので、気分良くなかったです・・・。まぁ、東京と横浜で連携がとれてないのは仕方ないことなのだろうが・・・。

昔と違って、適当な分析方法で検証されているか? などという点までチェックされます。
良いことなのだが、面倒です・・・。

例えば、試験成績書上の分析条件では、ターゲット:銅 とされていて、亜鉛を測るのにどうして銅なのか?という質問を受けました。

このターゲット(ターゲット金属)と言うのは、X線分析の場合、X線管球の素材を指します。
通常、原子番号の高い金属が望まれるため、主に銅が用いられています。
X線分析を知っていれば常識であり、ちょっと調べればわかることでもあります。

まぁ、こういったチェックが植物検疫でも指導されるようになり、粗悪原料が減るならば、業界にとって、良いことだと思います。
こういった原料は、問題になる前に、通関時に止められた方が良いです。
その方が業界のため。

ちなみに、5kgの梱包形態を崩すつもりはないです。
今、1kgに小分けすると、送料負担が大きくなってきているので、原料価格、人件費やコンタミリスクなどを考えると、得策ではないです。
基本、販売先は、大手さんもしくは受託加工会社さんになるだろう。汎用原料になっていることが多い原料でもあるので、5kgくらいすぐ使ってしまえるだろう。

何れにしても、品質を大切にする顧客に活用していただければと思っております。
まぁ、ニーズはあるだろう。
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博士(水産学) 46歳 富山県滑川市出身  (株)アンチエイジング・プロ COO 現 東京海洋大学卒 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

営業は天職、通販化粧品会社や広告代理店での所属経験がある異色のコンサルタント。
博士論文は海洋プラスチックごみがテーマ。
プロフィール詳細は、カテゴリー最下段より。

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