昨日(ジオスゲニンのSIRT1シグナル伝達経路を活性化)に続き、サーチュインに関連するジオスゲニンの論文紹介。
今回は、タイトルの通り、腎臓の糖尿病合併症に対して。


Diosgenin protects against podocyte injury in early phase of diabetic nephropathy through regulating SIRT6

Abstract

Background: Diabetic nephropathy (DN) is a serious complication of diabetes mellitus. DN is the main cause of end-stage renal disease (ESRD). SIRT6 becomes the important target of DN. Diosgenin (a monomer from Chinese herbs) is probable to bind to SIRT6.

Purpose: Based on studies presented in the literature on kidney injuries plus screening for the binding effects of the drug to Sirt6, we aimed to carry out the study to assess the effects of diosgenin involved in improving podocyte damage in the early phase of DN..

Methods: DN model was established in spontaneous diabetic db/db mice. Animal experiment was in two parts. The first part includes four groups consisting of control (Con) group, model (Mod) group, low dose of diosgenin (DL) group and high dose of diosgenin (DH) group. The second part includes four groups consisting of control group, model group, DH+OSS_128167 (OSS, inhibitor of SIRT6) group, MDL800 (agonist of SIRT6) group. MPC5 cell line was selected in cell experiment, which was mainly composed of six groups including Con group, palmitic acid (PA) group, PA+DL group, PA+DH group, PA+DH+OSS group, PA+MDL800 group. Some procedures such as transcriptomics, RT-qPCR and so on were used in the study to explore and verify the mechanism.

Results: The abnormal changes of mesangial matrix expansion, glomerular basement membrane (GBM) thickness, foot process (FP) width, urine albumin/creatinine (UACR), DESMIN, ADRP, NEPHRIN, PODOCIN, SIRT6 in Mod group were alleviated in DH group rather than DL group in the first part of animal experiment. The effect in DH group could be reversed in DH+OSS group and the same effect was observed in MDL800 group in the second part of animal experiment. The same results were also found in cell experiment. Protein level and mRNA expression of pyruvate dehydrogenase kinase 4 (PDK4) and Angiopoietin-like-4 (ANGPTL4) were increased in PA group, which could be alleviated in DH group, MDL800 group rather than DH+OSS group.

Conclusions: Diosgenin could protect against podocyte injury in early phase of diabetic nephropathy by regulating SIRT6.
Phytomedicine. 2022;104:154276.
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ジオスゲニンは、SIRT6 を調節することにより、糖尿病性腎症の初期段階における有足細胞損傷を防ぎます。

要旨

背景: 糖尿病性腎症 (DN) は、糖尿病の重篤な合併症です。 DN は、末期腎疾患 (ESRD) の主な原因です。 SIRT6 は DN の重要なターゲットになります。 ジオスゲニン (漢方薬のモノマー) は SIRT6 に結合すると考えられます。

目的:腎損傷に関する文献に記載された研究と、薬剤の Sirt6 への結合効果のスクリーニングに基づいて、DN の初期段階における有足細胞損傷の改善に関与するジオスゲニンの効果を評価する研究を実施することを目的としました。

方法: DN モデルは自然発生糖尿病 db/db マウスで確立されました。 動物実験は 2 つの部分に分かれていました。 最初の部分には、コントロール (Con) グループ、モデル (Mod) グループ、低用量のジオスゲニン (DL) グループ、および高用量のジオスゲニン (DH) グループからなる 4 つのグループが含まれます。 2 番目の部分には、コントロール グループ、モデル グループ、DH+OSS_128167 (OSS、SIRT6 の阻害剤) グループ、MDL800 (SIRT6 のアゴニスト) グループからなる 4 つのグループが含まれます。 MPC5細胞株は細胞実験で選択され、主にConグループ、パルミチン酸(PA)グループ、PA+DLグループ、PA+DHグループ、PA+DH+OSSグループ、PA+MDL800グループの6つのグループで構成されました。 この研究では、トランスクリプトミクス、RT-qPCR などのいくつかの手順を使用して、メカニズムを探索および検証しました。

結果:Mod群におけるメサンギウム基質の拡大、糸球体基底膜(GBM)の厚さ、足突起(FP)の幅、尿アルブミン/クレアチニン(UACR)、DESMIN、ADRP、NEPHRIN、PODOCIN、SIRT6の異常変化は、DH群では軽減された。 動物実験の前半では DL グループではなく。 DH グループの効果は DH+OSS グループでは逆転する可能性があり、動物実験の第 2 部では同じ効果が MDL800 グループでも観察されました。 細胞実験でも同様の結果が得られた。 ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ 4 (PDK4) およびアンジオポエチン様 4 (ANGPTL4) のタンパク質レベルと mRNA 発現は PA 群で増加しましたが、これは DH+OSS 群よりも DH 群、MDL800 群で軽減できました。

結論: ジオスゲニンは、SIRT6 を制御することにより、糖尿病性腎症の初期段階における有足細胞損傷を防ぐ可能性があります。


ジオスゲニンは、糖尿病合併症である糖尿病性腎症に対しても、サーチュインが絡んで、抑制する可能性が示されました。

レスベラトロールもそうでしたが、原則、サーチュインが絡むと、様々な糖尿系の疾患とも紐づいていきます。
ジオスゲニンも、以下のような糖尿病の合併症に特化したレビュー論文が出ていたりします。



文献調査を行っても、糖尿病関係のジオスゲニンの論文が検索されます。

このサーチュイン活性の非常に難しいところは、摂取用量によって、経路や効果が変わってくること。レスベラトロールなどは、低用量でないと、直接的にサーチュイン活性を示さないことがわかっています。

ぶっちゃけ、ジオスゲニンの研究者の諸先生方も、構造などから低用量で十分に効果が期待できると考えている。
ほんの数mgでヒト有効性が示されているので、非常にコスパが良い素材とも言える。一方、ビジネス的には、研究開発費を投じても、研究開発費をペイしにくいので厄介とも言える。

さらに、ジオスゲニンという素材は、基本、山芋が起源原料であり、滋養強壮のイメージが強く、その周辺の機能性でないと、なかなか売りにくいことが明確になっている。
例えば、機能性表示食品で受理されている認知機能の改善に対しても、この山芋=脳のイメージがなく、最終的に検討から外されるケールも少なくない。
実際、先週ご来社いただいた急成長中の通販会社さんも、同様な判断をしていました。

仮に、どんなに素晴らしいいサーチュイン活性による機能性が示されても、山芋=糖・関節とはつながらないので、売上にはつながりにくいだろう。
唯一の方法は、山芋という由来を隠すこと。ジオスゲニンという成分だけで販売していくことだろう。

まぁ、何れにしても、トップシェアメーカーの弊社が滋養強壮の周辺で機能性データを取得していくしかないのだろう。動物や試験管では基礎データがたくさんあるので、ヒト臨床試験で有効性を示す必要があるだろう。
試験に使用する原料は、ジオパワー15でなく、ジオスゲニンCDを用いるだろう。

ジオスゲニンは、超高齢化社会の救世主にもなりうる。
弊社も、頑張って、研究開発費を投じていければと思います。