健康食品サプリメント製造業界、ぶっちゃけ、景気が悪いのだろうか?

弊社は、まだ成長し続けている状況があるので、あまり感じられないのだが、他社の様子をみていると、景気の悪さを感じてしまう。

そして、確実に言えることがある。

新規案件が減り、既存顧客への依存度が高くなった
のだろう。

そして、営業マンは、新規獲得率が悪くなり、その責任を問われたり、人員削減の対象になりやすくなっているのだろう。

また、新規案件って、意外に手間がかかり、私が何度も話している通り、初回の製造では、営業利益がほとんどでない。面倒な顧客なほど、赤字です。

顧客からの注文がリピートしなければ、新規獲得という点だけで見れば完全に赤字です。

そういった判断をしている受託加工会社経営者も増えてきているんだろうと感じています。ここ最近、人材の流動性が高まっている大きな理由の1つだろう。

一方、数年前、大手受託加工会社で、同様な判断がされ、人材の大量流出と共に、かなりの売上減を引き起こしたことがある。
その時、その会社が行ったのは、既存顧客のリピート発注を営業マンの成果から外して、工場の成果にするという方針。

実は、OEM営業マンの最も大事な仕事は、既存顧客のリピート注文のフォローと既存顧客との関係性構築、すなわち顧客の浮気防止です。そこの経営陣(買収した会社)は、その点が理解できなかったのでしょう。

実際、こういった短絡的な経営判断をする経営者が増えてきていると思う。
そして、こういった局面、大手さんの薄利な案件を担当している人間だけが評価される。この大きな薄利な案件が原因で、他の儲かる案件まで切り捨てされるケースも少なくない(;機会損失)。
これは、利益評価をしっかり行っていないから起こり得る失敗です。

まぁ、契約書で縛り、大手企業が他案件を退かせてでも自分のところの製造を優先させざる負えない状況を作ってしまうから機会損失が容易に起こってしまう。

なお、大手さんの薄利案件は、会社全体の売上のどのくらいを占めているか?も重要。
理想は10%を超えないこと。30%を超えると黄色信号、50%を超えると赤信号だろう。成長している会社の多くは、10%を超えないような経営を行っている。

そして、今、新規案件や収益性の良い既存案件を捨て、大手の薄利案件に依存する選択を行った工場が数社出てきている。
大手企業の薄利案件という選択を行い、経営を失敗した受託加工会社は、大手企業の奴隷にならざる負えない。
地獄モードでしかない。

最悪、大口顧客が製造を内製化したり、別の委託先に切り替えて、完全に切られてしまう可能性もあるのに・・・。

私は、過去、そういった会社を数多く見てきた。いくつもの会社が倒産に追い込まれた事例を知っている。

実際、これだけ人件費や物価が上がっているのに、何社も潰してきた某販売者の打錠工賃が直打錠でも造粒打錠でも一律300円/kgという工賃は変わっていないようだ。よくそんな儲からない案件を請け負うよなぁと思う。

まぁ、しばらくの間、地方だから成り立つのかもしれないが、社員は、低賃金で働き続けなければなるため、今後、人手不足の問題が直撃するだろう。
社員は、不幸でしかない。

このアホな経営方針で経営のかじ取りを行っている方々は、

付加価値戦略

が如何に重要であるかを認識していないのだろう。

弊社とは真逆の経営方針。
なお、弊社は、マーケティング面と技術面の両方で付加価値戦略を講じ続けている。

まぁ、こういった会社は、古い体質が邪魔して、新しいことをチャレンジしたり、業務効率化を進めたりすることができなくなっている状況もあるのだろう。
そういった工場に限って、品管も、ペトリフィルム&自動カウンターではなく未だ寒天培地を利用していたりする。そんなの、日本の会社くらいだと思う。

いやぁぁあぁ、ほんと、本業界は、分岐点に差しかかっているなぁと思う。

こういった分岐点の結果は、すぐに出ず、2~3.年後に大きく示されるだろう。弊社としては、更に成長し続けていたいものです。