先日、プロテオグリカンの最新研究(作用メカニズム)を紹介しましたが、同じく鮭鼻軟骨抽出物中の非変性コラーゲンでも、着々と研究が進みつつあります。

以下のページでも紹介していますが、実際、すでに非変性II型コラーゲンと非変性XI型コラーゲンの定性分析までは可能になっている。



まぁ、この分析は、両コラーゲンの分離が難しいだけで、両方が重なった状態での定性分析であれば、そんなに難しい分析ではない。

某最大手さんは、機能性表示食品でも、非変性を外して単なるII型コラーゲンに変更されました。
きちんとバンドがでませんからね・・・仕方ないと思います。でも、流石です!
問題は、今でも非変性として表示し続けている機能性表示食品。その内、消費者庁から指摘を受けると思う。厳密には景品表示法に抵触するから。そこんところ、機能性表示食品は厳しい。

今後、サケ鼻軟骨由来非変性II型コラーゲンでも、鶏由来非変性II型コラーゲンと同様な原料規格変更が行われる可能性も低くはありません。

機能性表示食品の定量分析って、その精度や適格性が問われることが少ないですが、結構、無理がある定量分析方法も存在する。

プロテオグリカンもその1つだと思う。
かなり低分子(コンドロイチン硫酸レベル)までのリテンションタイム域設定をしている分析方法も存在する。
プロテオグリカンのHPLC(GPCカラム)のピークは、高分子の150万Daくらいのものから示され、120万Daくらいでピークトップを示す。そして、そこから示されるピークは、どんどん分子量が低くなる。
変性しているプロテオグリカンは、42万Daくらいなので、少なくても35万Daくらいのリテンションタイム域までに設定すべきです。低分子のピーク面積をと取り続ければ、コンドロイチン硫酸までプロテオグリカンとして定量してしまう。

まぁ、いずれにしても、プロテオグリカンの定義が明確でないから、こういったことが起こってしまう。

なお、我々は、90万Daくらいのリテンションタイムで切るようにしている。基本、変性プロテオグリカンが多ければ、プロテオグリカン量が目減りしてしまうのだが、ほぼ目減りしない。

今回紹介した非変性コラーゲンの定量分析に関しては、未だ我々が納得するレベルの定量分析まで達していないのも現実。それを可能にして、非変性Ⅱ型&XI型コラーゲンの定量分析を標準化できればと考えています。
近い将来、分析キットメーカーが詳細分析方法を開示するだろう。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。