原料事業、儲かる戦略と儲からない戦略、どこに差があるのだろう?
今回は、その差について、まとめてみた。

そもそも、マーケット分析を行っていると、本当に儲かっているのだろうか?と不思議に思う会社・事業が多く存在する。

まず、私が思う儲からない原料事業戦略の特徴は、以下のようなものだろう。

・配合量の下限量制限がなく、少量しか配合されない
・ミックス原料
・LTVが低い商品カテゴリーをターゲットにしている
・商品化した際のコストが高過ぎる

赤ワインエキスは、レスベラトロールブーム後半から、主材から副材へとシフトするための広告クリエイティブ戦略によって、大きなロットで使用される戦略から細々と多くの商品に配合される戦略へと切り替えました。
結果、その戦略が功を奏して、未だ売上を伸ばしています。
まぁ、50mg/日以下の配合だと、エッジが立つ広告クリエイティブにならないので、50mg/日前後で配合している商品が多いのが実際でしょう。

世の中には、たった数mg/日の配合だけで、十分な広告クリエイティブが謳え、汎用在庫されるけど採用商品数の割に売上が伸びない原料が存在します。
ビジネスとして、儲からんだろう。実際、そういった原料も存在する。

また、数のクリエイティブで微配合しかされないミックス原料。それも同様。

そして、両原料は、大した量が変われないのに、微配合であっても手間のかかる原料調査書を提出しなければならない。
そして、その原料調査書は、年々、面倒になっている。

この原料調査書に関しては、共通フォームがあっても、ほとんどの受託加工会社が用いず、独自の原料調査書を各社(受託加工会社・販売者)が求める。
それも、各社が競うように、無駄に厳しい内容になってきている。
最悪な商習慣 だと思う。

既定のフォームのものを出すだけの業務であれば、どれだけ楽だろう?と思っている原料メーカーは少なくないと思う。
仮に、その内容がどんなに内容量が多く作成が大変でも、それだけ作成すればよいのであれば、どれだけ楽だろうか・・・。

海外は、工場の品質認証や安全性データ(米国はセルフGRAS)の有無にはめちゃめちゃ厳しいが、原料調査書的なものは、あまり存在しない。存在するのは、EUで国益を守るために行われている対応がほぼ不可能海産物の管理の調査書くらいだろう。

基本、最低限の共通フォームは、日健栄協の原料情報シートだろう。また、しっかりした内容のCRNの原料調査書が共通フォームとして存在する。
共通フォームの調査書を提出させた上で、両者の共通フォームで足りない部分だを補う補足調査書を提出させれば良いだけなのだが、そうにはならない。
原料メーカーに無駄に仕事させているだけである。

実際、弊社は、協力会社でもる原料メーカーには、無駄な仕事をさせたくないので、日健栄協の原料情報シート+補足調査書だけを提出してもらっている。

ちなみに、顧客対応として、全原料でCRNの原料調査書を作っておこうと思うこともあったが、求められるケースが少ないので、アホらしくなって実行しなかった。

何のための、業界団体の共通フォーム原料調査書だろう?
加えて、原料の安全性データの有無は書かせても、一定以上のデータの有無で採用を決めている会社は、ほとんどない。しっかり安全性データを取っていると、アホらしくなる。売上には跳ね返って来にくい。

なので、近年は、安全性データを取得する場合、高いだけの日本で実施することがなくなってきている。セルフGRAS基準など、世界基準で実施される海外の機関で行った方が良いからです。

半分、愚痴になってしまった・・・。
この件は、ここまで。

次に、LTVの低い商品カテゴリーって、1番は、ダイエットだろう。
顕著に効くことはないのだが、効いても効かなくても、必ず終わりが来て、長期間利用されるケースが少ない。
当然、ブーム等が去ると、忘れ去られ、パタッと売上がなくなる。

おそらく、一部の機能性表示食品も該当するだろう。大変な割に、利が少ないと思う。
成功しているのは、一部の原料だけだろう。
と言いながら、弊社の原料販売で最も大きいのは、機能性表示食品素材なのだが・・・。

反対に、LTVの高い商品カテゴリーは、なんだかんだで、ベースサプリ素材であり、特にビタミン・ミネラルのようなカテゴリーである。
特に、鉄って、LTVが高いと実感している。まめ鉄は、@5万円以上の高額原料なのに、あっという間に年間3トンを超える流通量になった。未だ勢いが止まらない。OEM顧客も、毎回上方修正で発注量の増量が続いている。

基本、こういった高LTVな素材は、価格競争も非常に厳しい。
本気(まじ)で、利益取りにくい。
でも、低利益率でも高LTVだから、物量も置きくなりやすく、収益は大きい。

まめ鉄も、かなり薄利で展開しているので、いよいよ厳しくなってきている。
安定供給のために過剰に在庫を持たなければならないし、相互関税によるコストアップ、勘弁してもらいたい。

商品化した際のコストについてですが、多くの原料メーカーは、想定した上で販売価格を決めていない。設定が高過ぎると、売れなくなる。
例えば、原料原価率10%、でも商品化した際、商品原価が2000円を超えてしまう。そういった原料は、売れないだろう。利益率高いけど、物量が出ない。結果、儲からない。でも、市場には、多く存在する。

また、最適な販売価格を設定するためには、販売価格から逆算してみることだろう。最適原価率はライフサイクルで変動するのだが、いくつかの原価率で最適販売価格を算出してみるのが良いだろう。

まぁ、どんな原料で、いくらで勝負するかは、とても重要な原料戦略決めであり、失敗するとえらいことになる。

もちろん、付加価値戦略って、絶対に忘れてはいけない。

なお、持論だが、独自性の高い原料ほど、OEMと原料販売の両方で走らせないと、市場の成長は遅いだろう。

その理由は、以下の2記事を読めば理解できる。





原料事業って、簡単なようで難しい。奥も深いし、既得権益の部分も多く存在する。

ちなみに、原料事業は、OEMを通じたり、自社通販を通じたりして、販売の現場を知っておく必要がある。
実際、そういって成長してきた会社は、少なくない。そもそも、最大手の受託加工会社が原料メーカーでもある。

また、勝っている原料って、必ず最低限の広告クリエイティブがそろっている。販売者が多くを作っているが、弊社は、基本、私が作っている。時には、社員が担当するOEM案件で使用する主材に対しても、作るようにしている。
原料戦略って、それだけ大事だからです。
まあ、勝ちクリエイティブができれば、近年、勝手に独り歩きする。

最後に、原料メーカーの中でも、特に輸入原料メーカーは、人件費だけで、大して儲からなくても食っていけてしまう。なかなか潰れない。
だから、どうしても甘えが生じやすい。

本気で取り組めば、多くの人は、儲かる事業モデルを作れるだろう。

頑張って、儲けなけないと!!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。