ここ10年で、健康食品サプリメント製造業界も大きく変わりました。

その1つの変化がタイトル「原料メーカーのOEM事業」です。
弊社も、そう変化した会社の1つ。

そのように変化したのには、理由があります。

販売者がOEM会社に丸投げせず、ネットを利用して商品開発を行うようになったためです。



まぁ、実は、この変化によって、原料メーカーも製造を受託しやすくなったのです。特に、新規参入の会社さんから。

これは、2014年くらいから顕著になっており、弊社は、原料受託バンク経由で弊社サイトに見込み顧客が訪れ、何件の成約に至るようになったのです。

例えば、某NMN原料メーカーは、かなり高い比率でOEMで案件を獲得している。原料比率が高い商品だと、原料メーカーにはとても敵わん・・・。

でも、成約できる原料メーカーとできない原料メーカーでは、大きな差があります。NMNの事例は、たまたまの成功事例。
成約できない原料メーカーは、ずっと成約し続けない。実際、上手くいっていない原料メーカーが大半を占める。

この差は見積り・製造スキームとOEM時の原料価格設定に尽きると思います。

見積りに関しては、スピード が求められる。かつ、製剤化からセットアップまで、1つの受託加工会社に丸投げしているようであれば、成約率はいつまで経っても上がりません。

弊社は、見積り作成にも強みがある。ぶっちゃけ、同じ会社内で同じシステムを用いても、見積り作成のスピードによって成約率にも差が生じている。



それくらい、見積りのスピードは重要。
OEM成約率とも関連深い。

原料メーカーのOEMは、大口顧客の受託加工会社に丸投げしているケースがほとんど。
実は、それが一番の失敗ポイント。
OEMで成功しているOEM会社は、原料購入量とOEM案件委託件数は全く関係ない。ドライに、最もコスパの良い工場を選んでいる。
まぁ、基本、製剤工場や包装工場は、工場側の営業経費の入れ方によって、使いやすさが分かれてくる。

今や、商社・問屋に限らず、受託加工工場も、原料選定権限が弱くなっていますからね。特に、副材より主材の権限の方が弱くなっていると思います。



ちなみに、軽く先述した通り、原則、表示責任者になる代わりに、その作成費や責任担保料、営業経費などを価格に乗せない会社を選ばなければならない。
そうしなければ、2回目以降の製造で、委託先が切り替えられてしまう可能性が高まる。やっぱり、案件を維持するためには、自社原料高配合の商品ほどコストメリットを出しておかないといけない。

これは、弊社のように、関連会社にセットアップ工場を持っていると、必然的に理解できてしまう。
それは、製剤の加工賃や充填包装費用(セットアップ代)、包材代、ロス率などを細々入力して原価表を作成していますから。

次に、OEM時の原料価格設定に関しては、極論、仕入れ原価+管理費で入れても良い。ライフサイクルや原料市場価格とのバランスを見て、上手くOEM価格を設定すべし。
ここは、弊社のノウハウ部分も多く含まれるので、多くは語らん。

市場は、どんどん変わります。

ハウスのOEM会社を持つ販売者もあったのですが、ハウスの流通商社や通販コンサル会社を持つ受託加工会社まで出てきました。

原料メーカーも、既存顧客に依存し過ぎると、ビジネスが先細ってしまうでしょう。
だからと言って、ヒットする新規原料なんて、なかなかないですから、周辺ビジネスで別の収益源を見つけていくしかないのでしょうね。

原料メーカーのOEM進出は、必然だったのでしょう。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。