今、セミナー等のタイトルを見ていると、原材料GMPの義務化を推す業界団体の動きが活発になっていることがわかります。

一方、この動きは、なかなか先に進まないだろう。
その理由は、前日紹介した通り。



不都合な方々も出てきますし、対応できない原料もたくさん出てくるからです。

紅麹問題を考えると、原則、機能性表示食品の機能性関与成分の由来となっている原材料からだけでも、原材料GMPを義務付けていくべきだと思います。

まぁ、多くの上場企業は、リスクマネージメントの観点から、必ず要求してくるだろう。

一方、機能性表示食品などは、各原料メーカーが保有しているSRのヘルスクレームの違いの観点から、容易に原材料を変更できない事情がある。
したがって、対応しなければ終売するくらいの覚悟とで圧力をかけて求めない限り、未対応のままとなってしまうだろう。

今回、機能性表示食品で義務化しなかったということは、上記のような結末になってしまうことを意味します。

原材料GMPの義務化において、もう一つの問題。

原材料の製造者が原材料GMPを取得し、コストアップしても、値上げを認めてもらえないケースが想定される。
ドラック系を筆頭に、円安で物価高騰している状況があっても、値上げを認めてくれない販売者は存在する。

原料メーカーは、管理費だけ上がって、粗利だけ減らさざる負えない状況が生じてしまう可能性もある。
なので、原料メーカーは、なかなか対応しようとしないだろう。

まぁ、米国基準だったら、原材料の製造もGMPは必須で、更にGRAS認証やKosherまで必要になるんだが、日本は緩い。

ちなみに、米国向けで伸びているSCPコンプレックス-LSは、原材料GMPにKosherまで対応し、もう少しで(セルフ)GRASにも対応できそうです。



この競合原料との差をなかなか評価されない点は、日本市場らしい評価だと思う。

そんなことだから、日本での原材料GMPの義務化は、進んでいかないだろう。

そして、こういった体質が日本の機能性食品素材が海外展開し、海外勢とガチンコで勝負していかない体質を作っているのだろう。
日本が落ちぶれていく理由も、似たような理由なのだろう。

自動車や半導体など、特定の産業に頼るのではなく、いろいろな産業で外貨獲得を模索していく必要があるだろう。

弊社は、ひとまず、北米におけるSCPコンプレックス-LSの売上を一次目標1億円、二次目標5億円に設定している。
一次目標達成は、そんなに時間はかからないだろう。
二次目標達成は、我々の頑張り方次第。市場的にもポテンシャル的にも、十分に達成できる可能性があるだろう。

日本にとらわれず、広い視野で頑張るべし。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。