先日、5-デアザフラビンについて、いろいろ文献調査を行い、以下のようなページを作成しました。



5-デアザフラビンを調べてみると、意外に歴史は深く、非常に興味深い成分でした。
一方、5-デアザフラビンって、総称であり、様々な5-デアザフラビンが存在します。

わかりやすく例えると、ポリフェノールという総称の場合、レスベラトロール、プロアントシアニジン、カテキン、クルクミンなど様々なポリフェノールが存在します。
詳細は、フィトケミカルMAPを参照。


5-デアザフラビンに関しては、詳しく説明すると、焦点がボケて、理解しくくなるので、ポイントだけ紹介。

基本、日本には、現在、以下の2つので5-デアザリボフラビンが存在します。

deaza

注目を浴びているのは、TND1128という5-デアザフラビン(正確には5-デアザリボフラビン誘導体)です。
そうは言っても、試験管や動物試験でNMNと比較して高い機能性が示されている程度。
まだまだ、エビデンスが豊富で、アカデミックな素材とは言い切れない。
ぶっちゃけ、可能性はあっても、学術的コンセンサスが得られているようなデータが少なすぎる。一定以上のアカデミックなエビデンスを求める方々は、決して認めないだろう。

一方、市場において、新素材がないため、勝手に評判だけが独り歩きしている。

まぁ、ポストNMNと勝手に呼ばれているけど、正直、微妙なところ。アカデミック度で言えば、レスベラトロールやNMNとは大きな差がある。
ちなみに、アカデミック度が高ければ売れるというものではなく、それだったら、とっくの昔にジオスゲニンがブレイクしているだろう。

pubmed-diosgenin220620

ちなみに、プチブレイク中のフェリチン鉄も、実は、非常にアカデミックな素材。
有名な科学雑誌で様々な報告な行われている。
実用化が難しかっただけ。

さて、話を戻すと・・・
極論、以下のようなことが言えるだろう。

中国産の安い5-デアザフラビンもTND1128も、原材料表記名は「5-デアザフラビン」と同じ。
ぶっちゃけ、消費者に違いや差は理解できんだろう。

したがって、この素材は、名前だけ上手く利用して、勝ち逃げするべき素材だと思う。

NMNや5-ALA、CoQ10と合わせても良いだろうが、あくまで副材の脇役だろう。

あと、今流通しているどちらの5-デアザフラビンも、現段階において、未承認添加物。
使い方にも注意が必要。

また、安全性データは、どの原料でも見たことがない。
単回投与急性毒性試験くらい、行ってもらいたいものです。
うちの原料なら必ずやる。
ぶっちゃけ、販売者さんが毒性試験まで行って、販売した方が消費者からの信頼が得られて、上手くいくのでは?とも考えてします。
下手な広告より、効果があると思う。

まぁ、弊社としては、要望はあるので、現状を説明しつつ、深入りせず上手く収益につなげていくだけだと思います。
弊社の方針も、今回の調査で固まりました。


P.S.
そもそもの疑問。
いつの間に化学合成された未承認添加物が普通に流通する市場になったのだろう・・・。

有機ゲルマニウムなどは、国内で合成された原料は、普通に流通してしまっている。一方、過去、輸入しようとしたことあるが、食品としての輸入許可が下りなかった。
輸入はNGでも、国内で勝手に合成して販売するのは、合法なのだろうか?

ヒト幹細胞培養液がエクソソーム素材として点滴薬や経口剤などで流通し始めている。
かなり危険。
なので、研究用(for Research)として販売されていたりする。

市場として、儲かれば何でもありの市場になり始めたなぁ・・・。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。