以前より、例えば以下のように中小企業向けのOEM製造に対するノウハウを紹介しています。



そして、こういったノウハウは、「顧客ターゲットが中小企業向け」「中小OEM会社」に限定されたノウハウです。
理由は、以下の記事でも紹介しているように、OEM会社は、規模によってテリトリー(適正顧客)が異なるからです。



今回は、その売上規模や具体的な顧客増に対して、深堀して説明してみたいと思います。

まず、ファンケル・アサヒF&H(デュアナチュラ)、DHC、小林製薬など、量販店に並ぶ大手サプリメントですが、完全に中小企業が淘汰され、大手さんだけの市場になっています。
そして、これらを製造するのは、大手受託加工会社さんが主であり、一部、中堅受託加工会社さんが手掛けている程度。

次に、サントリーやLGグループ(エバーライフ・ステファニー化粧品)、やずや、えがおなど、単品通販などから出発して成功された100億円オーバーの通販会社さんという市場も存在します。
また、通販事業規模は大きくなくても、運営している会社が大手さんの通販事業というものも存在します。
これも、上記の量販店商品同様、大手受託加工会社さんと中堅受託加工会社さんが製造を請け負っています。

まぁ、上記の2カテゴリーで、市場の7~8割を占めていると言っても過言ではありません。

そして、ぶちゃけ、中小のOEM会社は、残りの2~3割という小さな市場の中で、案件を分け合っているのが実際です。

要するに、OEM製造の市場は、見えない棲み分けがしっかりされているのです。

弊社は、その2~3割という小さな市場の中で、如何に勝っていけるかを追求し続けています。私も、2社ほど、10億円規模の起業に育て上げている実績はございますが、弊社の理想や目標は、黒子として、こういった顧客をいくつも育てていくこと。

一方、この小さな市場、非常に大きな問題点が存在します。
それは、質の低さ!
悪い顧客とやり取りを開始すると、振り回されるだけ振り回されるので、営業利益で赤字が生じてしまうことも多々あります。そのため、顧客のセグメントが非常に重要になってきます。

そして、この小さな市場は、もの凄く信頼関係が重要で、コピペで十何社にOEM依頼を出している顧客は、相手にしてはいけない。
コストしか見ておらず、どんなに良い提案をしても、他の会社に同じ設計での見積り依頼を行うだけですから。

弊社は、こういった顧客は慣れっこ。臭い(雰囲気)で選別できるので、うちしか勝たん内容の見積書しか出さないです。
弊社は、基本、当日から数日の間で見積書を出しているが、弊社から数日以内に見積書が届かない企業は、信頼関係が築けると考えられていない顧客です。

まぁ、健康食品サプリメントOEM製造の営業マンでも、その関係性構築を作るのが上手い者も下手な者もいる。
また、私のように、競合では成り立たないような提案を中心とし、他社に流れても原料で続くような伏線を張っておくような者もいる。
ぶっちゃけ、私の場合、そういった内容でなければ、億単位で利益を生み出している私の費用対効果が合わないから。

弊社の場合、自社原料と、それに伴う特許を武器としているので、そこを如何に上手く使っていけるかは、各OEM営業マンの腕の見せ所。

最後に、小さな市場の顧客の特徴。
OEM業界の仕組みを理解されていないことが多く、OEM会社を探すのではなく、原料を供給してくれる会社を探してOEM依頼を行ってくる。

OEMのコンテンツはあっても、ポータルサイトが存在しない一番の理由です。

まして、先述の大手さんは、OEM会社を探さなくても、たくさん寄ってくるので、もっとOEM会社を探す必要性が無いです。

まぁ、こういった特性を上手く利用しながらSEOやリスティング広告を行っていかないと、この小さな市場からも、上手く良い案件だけを獲得していくことが難しいのです。

今年は、前年以上に市場への新規参入が少ないです。
こういった局面では、新規獲得に力を入れるより、既存顧客を伸ばすことに注力した方が良いのかな?とも考えています。
臨機応変に対応していこうと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。