弊社では、パッケージなどの食品表示について、原材料の情報を仕入れ、弊社内で作成ならびに管理を行っております。
その分、手間がかかるだけでなく、どうしても表示責任者としてリスクが追わざる負えなくなります。

この表示責任者に関しては、過去、このように消費者庁で見解が示されています。

表示責任を有する者等の整理にいて表示責任を有する者等の整理について

基本、ケースバイケースなのですが、必ずしも製造者や販売者が表示責任者になる訳ではなく、結局のところ、加工食品の内容を最もよく把握している者と、曖昧なものとなっています。

墨田区の資料では、各社で話し合って決めると記載されていたりもします。

基本的に、弊社のような中小企業をメインターゲットとするOEM事業の場合、販売者は、食品表示法をあまり理解していないのが実際。

そのため、どうしても製造者に表示責任が生じてしまうでしょう。表示責任は負わないと提示しても、責任から逃げれないんじゃないかなぁと思う。
また、製造者でなくても、完全に処方を指定して依頼している企画会社さんも、表示責任者になりうるだろう。場合によっては、委託している製造者より責任が生じてしまうと思う。

弊社の場合、包材を手配したり、後印刷アルミ袋の裏面データを作成することも多々あるので、表示責任が全くないとは、絶対に言えない。

まぁ、弊社の考え方は、こんな感じ。
原材料の表示順序など「食品表示法(食品衛生法、JAS法、健康増進法)」内の表示に責任を持つことは、当然だろう。だから、しっかり責任を持つ。

でも、商品名や広告表現近い表現など「景品表示法」面までは、弊社で責任が追い切れない場合も多々ある。

なので、景品表示法の部分に関しては、弊社では、グレーな表現を行う要望が出た場合、必ず販売者さんから覚書をいただいております。
部分的な表示責任を明確にするためです。

たまに他のOEM会社と比べられ、顧客から厳しいと言われる部分には、弊社のOEMに存在する。
例えば、強調表記。
栄養成分表示に記載させるのは当然だが、ビタミンなどは、減衰を加味するため、加速試験まで必ず行ってもらっている。まぁ、これを嫌がる顧客もいる。
実際、未だ規格値などだけでビタミンやミネラルの表示まで行わせているOEM会社さんも存在するからだろう。最悪、栄養成分表示も計算値で、栄養機能食品なのに一切分析されていないケースもある。そういったOEM会社さんと比較され、弊社では、分析費用の負担などが問題になることもある。

こういったしっかりしたところは、弊社の長所でもあるけど、短所にもなりうる。
一方、こういった管理面を望まない会社は、弊社には必要ない。
自然にセブメントされる。

基本的に、500個でも5000個でも、商品を作る際、上記のような表示作成に、一定の人件費を要してしまう。加えて、仕掛り(原料手配や原料計量など)の人件費も生じる。
その人件費を加味せずして、案件を受けているOEM会社も存在する。
そういった会社さんは、儲からない案件が足枷になって、あまり儲かっていないと思う。

製剤下請け専門や表示責任なしの契約でやっていれば、数をこなして利益を出せるだろうが、表示責任のあるセットアップまで行っていたら、最小ロットでは営業利益で赤字の可能性すらある。表示責任のリスクを加味すると、完全に赤字だろう。

まぁ、そういった案件でも獲得せざる負えない会社や営業マンもいるだろう。一方、弊社は、労働生産性と社員一人当たりの収益性を追求している会社のなので、そういった案件は、弊社では切り捨てるようにしている。

こういったOEM事業は、マッチングと同じで、顧客との相性も重要になってきます。求めるものが合致しないと、成約には至りません。
また、無理にマッチングしても、悪い結末しか待っていないのと同じで、無理のある案件成約も双方にとって良いものではありません。
弊社としては、弊社と相性の良い顧客を集めていければと思っております。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。