今日の朝は、数千万単位の大口OEMによる乱高下の激しい営業数字を見ながら、今後の研究開発の予定を考えていました。うちは、月初だけで、ほぼ半分の売上が集中します。
過去の職場の年間売上を数ヶ月で越しちゃうけど、社員数は、変わらない。だから、社員達の給与水準は、ほぼ2倍。なので、離職率も低い。
業務効率化や研究開発費への投資額が異なるだけで、如何に経営が重要かがわかります。

まぁ、今期の目標は、減益でも増収。
ぼちぼちのペースで目標達成へ向かっています。ありがたいことで、今期の業績も悪くなく、今月もしくは来月第一週でで損益分岐を超え、研究開発の予算が捻出されてくる。その状況を見ながら今後の研究開発計画を立てるのだが・・・今期は、

ヒト臨床試験の実施はなし

ただし、ジオスゲニン包接体の反復毒性試験くらいは実施


という感じでまとまってきている。

この原料は、近々、安定性試験の結果で問題なければ、賞味期限を2年から3年に変更する予定。
まぁ、量が出るような原料ではないため、ジオパワー15ほど伸びていたいですが、ぼちぼち伸びてきています。

まぁ、ジオスゲニンは非常に注目度が激上がりの素材でもあるので、ヒト臨床試験は、将来的に実施していきたい原料です。

ここ一年で137報も論文が出ており、レスベラトロールの時より凄いんじゃない?と思ったりもします。
pubmed-diosgenin220620

一方、ステロイド系化合物なので、食薬区分には入りましたが、純ピンはできない

でも、評価項目がなかなか定まらない・・・。
サルコペニアやシニアの体力あたりが候補だが、有意差が出るか?非常に心配です。

一方、ジオスゲニン原料の難しい点、難水溶性の化合物であり、剤形や加工方法、素材の組み合わせによって吸収性や生物学的利用能が大きく異なってくる点です。

でも、ビックなプロジェクトのも2つほど水面下で動いているので、気合を入れていかなければならないです。

最後に、この研究開発費の使い方って、一番大変。
金額も大きいし、結果が伴わない可能性もある。

まぁ、研究開発費の使い方にも、安全性と有効性の2つがあり、やっぱり、優先されるのは、安全性の方です。
以下の記事でも紹介したのですが、ガイドラインに沿って一定の安全性試験データがないと、採用検討もされにくくなってきています。


記事でも紹介されているように、NMNでも同じような基準で、原料選定されていた会社さんも少なくありません。

やっぱり、日本は米国の制度を参考にしているので、行きつくところは、GRAS認証のレベルなんでしょうね。

でも、なかなかそこまで投資できる会社は、少ないのが現状。
私はさらりと実施すると言っていますが、反復投与毒性試験だけでも、数百万円かかりますからね。

まぁ、今の時代、こういった試験を実施するかしないかで、原料メーカーとしての成長率も変わってくるでしょう。
弊社は、その流れをしっかり把握しているので、淡々と実行し行くだけです。

ちなみに、ジオスゲニンCDで反復投与毒性試験を行ったら、今まで本原料で稼いだ利益が全て吹っ飛びます。それでも、投資して実施した方が将来的に利益として返ってくるのです。
これが研究開発マネージメントなんだと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。