久しぶりのレスベラトロールの研究紹介です。
この論文は、レスベラトロールの抗炎症効果を示した研究です。



Regulatory Effect of Resveratrol on Inflammation Induced by Lipopolysaccharides via Reprograming Intestinal Microbes and Ameliorating Serum Metabolism Profiles

The purpose of this study was to explore the regulatory effect of resveratrol (RES) on lipopolysaccharide (LPS)-induced inflammation and its influence on intestinal microorganisms and serum atlas in murine models during the development of inflammation to explore a novel method for the regulation of inflammation. Mice were randomly assigned to three groups: control (CON), LPS, and RES–LPS. The results showed that RES mitigated the inflammatory damage to the intes-tines and liver induced by LPS. Compared with the LPS group, RES treatment decreased the levels of TNF-α, IL-6, IFN-γ, myeloperoxidase, and alanine aminotransferase in the liver. Serum metabolic profile monitoring showed that, compared with the CON group, LPS decreased the levels of five metabolites, including cycloartomunin and glycerol triundecanoate, and increased the levels of eight metabolites, including N-linoleoyl taurine and PE(O-16:0/20:5(5Z), 8Z, 11Z, 14Z, 17Z). Conversely, RES treatment increased the levels of eight metabolites, including pantothenic acid, homovanillic acid, and S-(formylmethyl)glutathione, and reduced seven metabolites, including lysoPE(20:4(8Z,11Z,14Z,17Z)/0:0) and 13-cis-retinoic acid, etc., in comparison with the LPS group. Moreover, RES treatment alleviated the negative effects of LPS on intestinal microbes by reducing, for instance, the relative abundance of Bacteroidetes and Alistipes, and increasing the relative abundance of Lactobacillus. These results suggest that RES has great potential for preventing in-flammation.
Front Immunol. 2021;12:777159.

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腸内細菌の再プログラミングと血清代謝プロファイルの改善を介してリポ多糖によって誘発される炎症に対するレスベラトロールの調節効果

この研究の目的は、リポ多糖(LPS)誘発性炎症に対するレスベラトロール(RES)の調節効果と、炎症の発症中のマウスモデルにおける腸内微生物および血清アトラスに対するその影響を調査し、炎症。マウスは、コントロール(CON)、LPS、およびRES–LPSの3つのグループにランダムに割り当てられました。結果は、RESがLPSによって誘発された腸と肝臓への炎症性損傷を軽減したことを示しました。 LPS群と比較して、RES治療は肝臓のTNF-α、IL-6、IFN-γ、ミエロペルオキシダーゼ、およびアラニンアミノトランスフェラーゼのレベルを低下させました。血清代謝プロファイルモニタリングは、CONグループと比較して、LPSがシクロアルトムニンおよびグリセロールトリウンデカノエートを含む5つの代謝物のレベルを低下させ、N-リノレオイルタウリンおよびPE(O-16:0/20を含む8つの代謝物のレベルを上昇させることを示しました。 :5(5Z)、8Z、11Z、14Z、17Z)。逆に、RES処理は、パントテン酸、ホモバニリン酸、S-(ホルミルメチル)グルタチオンを含む8つの代謝物のレベルを増加させ、lysoPE(20:4(8Z、11Z、14Z、17Z)/ 0:0を含む7つの代謝物を減少させました。 )およびLPSグループと比較した13-cis-レチノイン酸など。さらに、RES処理は、例えば、バクテロイデス門とアリスティペス門の相対的な存在量を減らし、ラクトバチルスの相対的な存在量を増やすことによって、腸内微生物に対するLPSの悪影響を軽減しました。これらの結果は、RESが炎症を防ぐ大きな可能性を秘めていることを示唆しています。

レスベラトロール投与はLPSによる肝臓や腸管組織へのダメージを抑え、腸内細菌叢(腸内フローラ)へのネガティブな影響を軽減したと報告されています。

この論文を読んでいて、逆に興味を持ったのは、LPSの炎症作用。
LPSは、免疫力を高める成分でもあるのですが、炎症も引き起こすようです。腸管免疫を刺激することで、LPSは免疫力を高めているのかもしれない。
そして、こういったLPSを用いる場合、同時にレスベラトロールのような抗炎症作用のある成分も摂取するのが望ましいのかもしれない。

弊社でもLPSの素材を利用しているので、今後、LPSの原料を用いる場合、同時にレスベラトロールを配合していくようにしようと思います。

ちなみに、弊社の赤ワインエキスも、レスベラトロールだけでなく、LPSも含有します。このように、複合成分として摂取するのが好ましいのだろう。



今回の論文は、フォーミュレーターとして、非常に参考になるものでした。
こういった知見の積み重ねって、やっぱり大事です。
今後も、こういった知見を積み重ねていこうと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。