空手の組手競技にとって、最も重要な力は、集中力だと思います。
私自身、得られた集中力が学業や仕事に活きています。

今、私の空手の指導で悩んでいる点も、子供達の集中力です。
まず、改めて、

どのように自分は集中力を得たか?

を振り替えてみることにしました。
そこで得られた答え。

受けて反撃 という稽古。

まずは、しっかり防御して、即座に攻撃するという稽古。

でも、私は、後の先の稽古の中で、ぶっちゃけ、残念ながら本稽古で後の先は磨かれませんでした・・・。
だけど、相手の後の先に合わされないように先を取る技術を磨かれた。

相手をよく見て、相手の攻撃時やフェイントに対する防御反応時、刻み突きで相手より先に反応して極めるという技術を大学時代に身に着けていました。
(だから、逆構えの選手は苦手。)
めっちゃ集中力を使った戦い方。
8月以降、女子ボクシングの入江選手の試合を見て以降、この戦い方に少し戻した。まず刻み突きのモーションをなくすことから始めている。無駄に動かないようにもしている。

たしかに、集中力がない子供ほど、受けて反撃することが上手くできない傾向が強いように思えます。任意一本組手ができない。
(実戦形式の約束組手や任意一本組手ができないから、自由組手を行っても、攻防がなく、交互の攻め合いを繰り替えてしまう。だから、試合で勝てない。)
子供達が空手の中から集中力を得るためには、こういった稽古をたくさん行う必要があるのでしょうね。
一方、同時に、子供達の場合、

ゲーム性

が求められます。楽しくできないと、効率悪いし、長続きもしない。
だから、ゲーム性のある稽古方法を考えてみました。

【組手の集中力トレーニング】
お互いが基立ちもしくは組手の構え(真半身四股立ち)になって、刻み突きで手を伸ばして3cmの(突きが当たらない)距離に位置する。そして、30秒で1セットとし、以下の防御・反撃練習を足を動かさずに行う。

1.軽い単発突きに対する防御(アップ)
2.2連突きまでOKの軽い突きに対する防御
3.フェイント入れた軽い突きに対する防御
4.フェイント入れた軽い単発突きに対する防御と軽い反撃

受けの払いを速くするのではなく、集中して反応を速くする!

※突きは、刻み突き、上段・中段逆突きの3つのみ。なるべく同じ技を続けない。相手が避けにくいように突く順序やフェイントを駆使する。
※受けは、横にのみ払う。抑え禁止。受け方を決めても良い。

ちなみに、受けは、無駄な力を使わず最小限に受けないと、次の攻撃を受けてしまうことを身で学ぶでしょう。改善しないようであれば、助言してあげれば良いでしょう。


来週は、この稽古を行ってみるつもりです。
このトレーニングは、稽古のない日、自宅で親子で行っても良いと思う。

そして、このトレーニングが慣れてきたら、フットワークを入れての任意一本・任意二本へと発展させていけば良いだろう。3と4だけアップで行い、任意一本組手を行うと良いだろう。
いきなり、全力の任意一本組手を行うのではなく、軽い任意一本に対して小さなステップバックからの全力突きに変更したり、段階を踏むことが大事なんだろう。

また、ステップアップメニューとして、受けと同時に突いたり、中段逆突きのカウンターなどを組み込んでいっても良いだろう。
海外選手のように、蹴りで反撃する練習をしても良いと思う。

子供達は、集中力を付けながら、レベルアップしていくだろう。
練習相手の後の先レベルが上がれば、私のように、先で取っていく技術も上がっていくだろう。
それは、あと、何年後だろう・・・。

ちなみに、非常にハイレベルの稽古に、全力のラッシュに対してダッキングするという稽古がありますが、徐々にレベルアップしていくと、そういった稽古もできるようになっていくのだろう。

最後は、余談です。

実際、超難関校の大学には、組手も上手い学生が存在します。
東京大学の選手でも、都道府県や流派の強化選手だったり・・・。
それって、やっぱり、集中力や(厳しい稽古で養われる)精神力が関係していると思います。そして、空手で養った集中力や精神力は、学業や仕事にも良い影響をもたらすと信じています。

私が文武両道を最重要視する最大の理由。

まぁ、私は、空手で進学させようとはあまり考えていません。ぶっちゃけ、トップ選手を目指すなら、うちじゃないなぁと思う。ほぼ毎日稽古ができる環境が必要だと思う。
でも、そこそこ勝てる選手は育てたい。
相変わらず半端もんでです。
その半端さが私の空手道なのだと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。