近年、インターネット販売での健康食品サプリメントの販売が一般化し、新たな売り方をする企業も現れてきました。
その代表例は、タイトルのような商品で、

製造前から販売を先行し、
仮想商品の販売から始める販売会社さん


です。
個人的には、あまり良く思っていない。

こういった会社さんは、メルマガ等を中心に仮想商品の案内を出してマーケティングテストを行います。

テスト結果が悪ければ、販売しない。
終売などの案内を出して終わり。
結果が良ければ、商品化を行います。

また、あくまでテストであり、アクセス情報さえ得られれば十分なため、必ずしも受注を行う必要がないので、「完売/売り切れ」もしくは「近日発売予定」で販売されます。

実際、弊社が原料供給前に、DM等で配合予定の商品が紹介されたこともありました。
まぁ、クリエイティブと素材情報さえあれば、商品を作らなくても、販売が可能なのです。ただし、あくまでテストからのスタート。

非常に迷惑なのは、原料の発注まで行われるケース。
そして、テストの結果が悪ければ、適当な理由でキャンセルされます。運良くて遅延。
製剤加工や最終包装を行っている会社へも同様なことが行われていたら、非常に迷惑だろうなぁと思います。

こういったモデルで仮想商品の販売から行われる会社さんが徐々に増えています。

まぁ、こういったケースは、中国案件で聞くことがあったものでした。
中国では、品質は別として、2週間で製造する会社があるようなので。
それが、今、日本でも行われるようになったのです。

近年、何でもありの会社も増えています。
上手くいかなければ、会社を安易に潰してしまうし、トラブルが起これば、どこかの会社に責任を押し付けて終わりの会社もたくさんある。
失うものがないので、何でもできてしまう。

5-ALAの原料のケースも良い例で、正規輸入されていない原料や特許に抵触する原料を購入して販売しても、責任は、原料メーカーに被せて終わりだろう。
そして、その原料メーカーも、大きなトラブルになるようであれば、会社をたたんで終わり。



この記事でもコメントしていますが、嫌な時代になってきました。
業界自体が荒廃し始めている。

まぁ、社会貢献や顧客満足より、収益しか追求されず、健康食品サプリメント事業もマネーゲーム化し始めているのだろう。

ぶっちゃけ、とても残念なことだが、顧客満足によるLTVで儲けていこうという会社が激減したと思う。

こういったことは、近年、NMNサプリメントでも起こりましたし、健康食品サプリメントではないですが、昨年の今頃、マスクでも起こっていました。
こういったビジネスは、中国絡みのケースが多いです。今回、私が経験した仮想商品販売の会社さんも、中国系の会社さん。
ビジネスに関する考え方の違いだろう。
育成するのではなく、チャンスを見つけて、ハイエナのように狩っていくスタイル。

だから、ここ数年の私のテーマは、中国系企業に侵食しないビジネスでの展開。原料開発や特許戦略では、着々と実行しています。
現状を見て、先行きを考えると、どうしても、こうなっちゃうのです。

なお、今回の仮想商品の販売に対抗する措置として、原料資料の公開を段階的に行っていくことくらいしかできないだろう。
要するに、納品後に供給される情報を切り分ける。例えば、レスが出るクリエイティブ情報など。
実際、弊社は、いくつかの原料で行っている競合対策。
それが、今回のケースもでも有効だろう。

目には目を歯には歯を!
アホらしいが、こんなくだらない対応を行わなければならない時代になった。
非常に残念だ。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。