この度は、弊社原料ジオスゲニンCD(ジオスゲニン包接体)の開発ベースになっている論文を紹介させていただきます。



実は、ジオスゲニンは、難水溶性化合物であり、吸収が悪く、生物学的利用能が低い。
そのまま、摂取しても、効率的に利用されない。要するに、効かない。
そのため、乳化加工や包接加工を行って、その問題点を解決する必要があります。その問題点を解決するための研究が城西大学で行われていました。

その研究は、以下のように、博士論文としてまとめられています。

難水溶性化合物であるジオスゲニンの生物学的利用能および組織移行性の改善を目的とした薬剤学的検討
化合物の溶解度および膜透過性は経口投与後の生物学的利用能に影響を及ぼすことが知られている。近年、製薬産業では多くの化合物が合成されているが、約 40%が低い溶解性や生物学的利用能のために医薬品としての開発が中止されている。このような傾向は医薬品のみならず、健康・美容補助食品にも多く見られる。しかし、これら補助食品の有効成分の体内動態に関する詳細な検討は医薬品に比べてもはるかに少なく、溶解性や生物学的利用能が低い場合は、体内動態を評価して吸収改善技術を発展させる必要がある。ジオスゲニンは卵巣摘出マウスにおいて薄化した表皮を肥厚させる作用や、B16 メラノーマ細胞において、リン酸化酵素の活性化を介してメラニン産生を抑制することが報告されており、美容・健康食品の有効成分として近年特に注目されている。しかし、医薬品の有効成分と
して開発されていないことから、経口投与後の体内動態に関する報告は少なく、皮膚等の
組織への移行性を調査した報告はない。
そこで本研究では、ジオスゲニンの溶解度、生物学的利用能、組織移行性を改善するために、第 1 編ではシクロデキストリン(CD)およびその誘導体について、第 2 編では液晶製剤または自己乳化型薬物送達システム(SMEDDS)製剤と CD の併用効果について検討した。

第 1編 難水溶性化合物であるジオスゲニンのシクロデキストリンによる生物学的利用能の改善
シクロデキストリンは、その疎水性空洞内に疎水性物質を内封する包接機能を有する。包接により内封した化合物の安定性向上や溶解度、消化管膜透過性、生物学的利用能の改善作用が知られている。そこで本編では、ジオスゲニンの生物学的利用能の改善を目的として、CD およびその誘導体との複合体を調製し、物理化学的性質の評価とラットを用いた経口投与実験を行った。天然の CD を使用した検討では、β および γ-CD がジオスゲニンの溶解度を改善した。結合定数は β-CD でより高い値を示したため、ジオスゲニンに対してはγ-CD と比較して β-CD の内孔径が適切である可能性が示された。β-CD は薬物の包接に広く利用されているが、α および γ-CD と比較して溶解度が 18.5 mg/mL と低いため、使用には課題がある。そこで、β-CD 溶解度を改善するために水溶性の β-CD の誘導体として methyl(M)β-CD、hydroxyethyl(HE)β-CD、hydroxypropyl(HP)β-CD を使用した。ジオスゲニンの溶解度改善効果は M β-CD、HP β-CD、β-CD、HE β-CD の順に高値を示すことが明らかとなった。調製した複合体の X 線回折法、示唆走査熱量測定法、走査型電子顕微鏡観察法による解析より、β-CD およびその誘導体は、ジオスゲニンと包接複合体を形成していることが示唆された。ラットを用いた静脈内投与実験の結果より、ジオスゲニンの血漿中濃度の対数値と時間プロットは直線性を示し、ジオスゲニンの消失は線形 1-コンパートメントモデルに従うことが推察された。ジオスゲニン経口投与後の生物学的利用能は 4.4%と低値を示し、β-CD および HP β-CD の複合体投与により、それぞれ 7.6 および 11.3 倍に改善された。また、皮膚中含量も有意に改善され、血漿中濃度が皮膚移行性と相関していることが示唆された。

第 2編 液晶製剤および自己乳化型薬物送達システム製剤とシクロデキストリンの併用によるジオスゲニン生物学的利用能の改善
前編ではジオスゲニンの生物学的利用能および組織移行性の改善にβ-CDおよびその誘導体が有用であることが示された。しかし、CD 複合体は調製に時間を必要とすることや、経口投与時に水に懸濁して投与する必要があるなどの欠点が存在する。そこで本編では調製が簡便な液晶製剤および自己乳化型製剤使用した。また、調製した製剤と CD の併用による効果についても評価した。
液晶製剤は glyceryl monooleate(GMO)や phytantriol(PHY)などの両親媒性脂質と水を混合することによって形成され、難水溶性化合物の経口投与後の生物学的利用能を改善することが報告されている。X 線小角散乱測定より、GMO および PHY で調製したジオスゲニンを含有する液晶製剤は、それぞれヘキサゴナルおよびキュービック液晶相を形成することが示された。また、粒子径測定結果より、100-200 nm 程度の粒子で水中に分散することが明らかとなった。液晶製剤の経口投与により、GMO で調製した液晶製剤は最大血漿中濃度(Cmax)を増加し、PHY で調製した液晶製剤は最大血漿中濃度到達時間を延長した。また、β-CD の併用によって生物学的利用能は、さらに改善された。このメカニズムとして、ジオスゲニンおよび液晶を構成する脂質の放出を β-CD が促進したことが推察された。
自己乳化型薬物送達システム製剤は、難水溶性化合物の経口投与後の生物学的利用能を高めることが報告されているが、CD との併用効果に関する検討はされていない。ジオスゲニン含有 SMEDDS 製剤を調製するために、ジオスゲニンの油脂等への溶解度を測定し、三成分相図の作成を行った。Capryol 90、Cremophor EL、Carbitol を 4:3:3 の割合で混合して調製した SMEDDS 製剤において、広い希釈範囲でマイクロエマルションの形成が確認された。SMEDDS 製剤および製剤と β-CD 水溶液の経口投与により、ジオスゲニンの生物学的利用能は増加した。しかし、SMEDDS 製剤投与群と比較して β-CD 併用群で Cmax および生物学的利用能は低値を示した。これは、製剤中のジオスゲニンとβ-CDが複合体の沈殿を形成し、ジオスゲニン溶解度が減少したためであると推察された。

結論
本研究では、難水溶性で生物学的利用能の低いジオスゲニンの溶解度、生物学的利用能、組織移行性を改善することを目的として、CD 包接複合体、液晶製剤、SMEDDS 製剤を調製した。これらの製剤を使用することにより、ジオスゲニンのメラニン産生抑制作用や細胞増殖促進作用の増強効果や投与頻度の減少が可能であると考えられた。本研究の結果によって、難水溶性化合物の効果的な製剤設計の一端が明らかとなり、今後の更なる製剤技術の発展が期待される。
城西大学城西大学大学院薬学研究科博士論文2014; 乙第63号
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我々は、原料ベースで、包接加工による吸収性の確認まで行っており、しっかり、吸収が4~5倍に高まることまで確認しております。

実は、包接加工って単純ではなく、食品衛生法などに抵触しないように加工する必要性が出てくる。そのため、ラボの条件とは、加工条件が異なってくる。
なかなか奥が深い。

今、ジオスゲニンCDの採用が数多く行われている。
錠剤やハードカプセルの商品も多いが、実は、最もオススメの剤形は、顆粒です。無味無臭の原料なので、食事に添加して摂取するタイプの商品が理想です。
介護施設などで採用され、多くの人に役立ててもらうことが私の夢の1つでもあります。
一歩一歩、夢を現実に近づけていきたいと思います!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。