今日は、特許戦略の記事です。たまには、こんな記事で、こっそりノウハウや持論を公開します。

まず、特許戦略として、特許には、以下の3つの役割があると思います。

競合の排除 <防衛・排除>
競合の開発抑制・販売抑制 <牽制>
販売への活用 <販促>


戦略を失敗すると、特許の効力が最大限反映されないことがあります。
こういった特許戦略は、業界・業種によって、それぞれの特性があるだろう。成功するモデルは、同じではないと思う。

特に、健康食品サプリメントの業界は、ちょっと特殊だと思う。
2016年まで食品の用途特許が認められていなかったのも一因だろう。
海外企業の特許が意味をなさないことも多々ありました。

過去の事例として、海外企業の特許を振りかざして販売会社に通達分を送った会社の結果を紹介したい。

結果:
すべて無視され、積極的に取引されなくなった
要するに信用失墜しただけでした。

理由は、用途特許が認められていない時期であり、抵触するかが微妙な特許であり、弁護士との連名でなかったためだと考えています。

特許を振りかざすと信用失墜リスクも生じることを表しています。

通達文などは、販売会社さんしか行ってはいけない方法だと思う。大手企業の一部の会社さんは、取得前でも平気で通達文を送りつけてくることは、どうかな?と思いますが。
どんなに強い特許であっても、製造側の会社が通達文を発行すると争いしか生まない。

私の持論、製造側の会社は、どんなに強い特許であっても、告知だけ行い、顧客に判断を委ねるべきだと思う。

特許は、振りかざさなくても、有効に働かせる方法は、たくさんあります。
例えば、弊社の事例。



この特許は、全く振りかざさず、告知だけされています。
もちろん、ブーム時に値上げしなかったのと同様、特許が取得されても値上げしていません。
そして、今、販売にも活用され始め、売上にも影響し始めています。特許を検証する部署がある大きい会社さんの対応は、顕著です。牽制力として、特許戦略が上手く機能していると感じています。

そもそも、このレスベラトロールの市場は、NMN商品の副材として使用されるケースが増えている者のブームが終息し、すでに終わった市場でもあるので、攻める必要はなく、今あるシャアを守れれば良いと考えて、戦略を講じています。
その原料の売上が増えたのも、浮気された売上が帰ってきただけ。今やOEM比率が大きい弊社では、全体に対する売上比率も大したことがないので、あまり気にしていないというのが実際。
特許に抵触するとわかっていても、平気で営業活動を行う会社もあるだろうが、そんな会社は、どんな対抗策を講じても意味がないので、無視するに限ると思う。

弊社がこういった特許戦略で展開するには、大きな理由があります。
それは、業界の体質として、

特許料やノウハウへの対価の支払いを非常に嫌う

という傾向が大きく影響しています。
これは、業界に長く所属し、痛感しています。バレなれば良いと考える会社さんも少なくないです。

でも、一番怖いのは、特許に反発して、特許逃れの方法を開発して、競合原料を競合会社と作られてしまうこと。
また、周辺特許を出しても、異議申し立てで阻まれ易くなります。
よくある話です。
よく聞きますが、工業系の業界でも、よくある話のようです。
だから、弊社は、特許の告知だけで、余程の事がない限り特許を振りかざさない。

ぶっちゃけ、業界を知らない弁護士さんや弁理士さんに任せっきりにすると、本業界の特許戦略は大失敗する。
数年単位で成果が出てなければ、すぐに戦略を見直した方が良いです。

こういった業界において、特許料は、何らかのコストに上手く隠す必要があります。
原料価格だったり、OEM価格だったり。

業界の体質を考えると、別途特許料が生じるのであれば、7割以上の企業は、商品化の稟議が通らないだろう。経験上、そう思う。
特に大手企業で通った話を聞いたことがない。

さらに、現代は、情報化が進んでいるので、すぐに相見積りが取られてしまう。
価格は、高過ぎないことが重要。
特許料設定が大き過ぎると自滅します。
特許利用者の8割以上が納得する特許料に設定するのが理想だと考えます。

OEMで隠す場合、特許料を利益に組み込んで、市場価格(競合価格)の上限20%未満の額に抑えるのが理想だろう。
極論、特許料が事実上ゼロでも良いと思う。OEMによる利益という得られるはずがなかった利益を得ることができ、特許料管理も行いやすいのですから。
所謂OEMを取るための特許。

特許料が多き過ぎたり縛りが強過ぎると、量が取れなくなり、トータルでの収益も減ってしまいます。大事なのは、利益が最大化されること。多くの会社から少しづつ利益を取って、トータルで大きな利益を得ることが理想。

その他、どこかのパートナー会社に契約ベースで特許料管理を任せて、陰に隠れてしまう方法もあるだろう。
そうすれば、自分達に落ちる特許料がパートナー会社の利益に紛れてしまうので、特許料が見えにくくなります。
実際、この業界、フィクサー的な存在が一番儲かりますから。

また、特許を利用した商品が多く市場に出回ることで、相乗的に別の利益も生みます。その別の利益を求めていく必要があります。
ここが経営手腕の見せ所だと思う。

経営者って、ノルマをかけてたり圧力をかけて社員に営業させて無理やりでも売上を獲得するのはレベルの低い仕事だと思う。今の時代、ブラック企業と認定されてしまう。
レベルの高い経営者の仕事って、社員が楽して成果が出せる仕組みを作り、収益を最大化することだと思う。倒産時のリスクだけでなく、そういった仕事を行うからこそ、一般社員より多くの給与を得れる権利があるのだと思う。
働かない無能な経営者の会社は、社員の回転も速く不効率であり、消えていくだけだと思う。

私も、会社が消えないよう、日々努力していくだけです。
残すところ3ヶ月、今期の自分に課している特許申請のノルマが達成できていません。テーマは決まっているけど。年末までに自分を追い込んで、必死に今期中に申請するしかないなぁ・・・。


P.S.
この業界、スパイ活動を行う人が多い。
そういった人は、このブログもよく見ていたりする。

私は、嫌らしい人間なので、あえて圧力をかける記事を書いたりもする。
まぁ、だから、最近、怖がられるのかもしれない・・・。
信頼できる仲間内には、とてもフレンドリーなのに。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

kuri photoM2株式会社アンチエイジング・プロ COO/順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。