いぁ~、追尾型の広告で、こんなNMN商品が表示されるようになってきました。



もう、この市場も、本格的に盛り上がる前から、崩壊し始めてしまいました。

とても残念!

予測していたより早かった・・・。

こういった添加物系の原料でブームが起こると、必ず過度な価格競争による価格破壊が起こります。

添加物系の原料は、各社でスパイ的な原料価格の探り合いを行いながら、常に下の価格でプライシングし続けられるという不毛な争いが行われます。
弊社にも、OEMのみとしているのにもかかわらず、スパイ的な問い合わせ電話がたくさんかかってきました。
中には、その後、NMN原料取り扱いを始めた会社もありました。
以前(仁義なき戦い!モラルなき業界での生き残り術♪)にも紹介しましたが、健康食品サプリメントの原料業界は、ほんと、そんな業界です。

実際、NMN原料は、正規で輸入許可が下りる原料メーカーが増えると共に、8月50万円、9月:40万円、10月:30万円という感じて、価格が下がっていました。
着実に、流通量も増えていたと思います。

一方、今回のような正規で通関が通される可能性が低い原料が、ネット通販的に販売されると、真面目にビジネスを行っていた会社は、どこも儲からなくなります。

それも、今回、以前から警告していた本当の敵 が商品ではなく、原料製品として表れました。



おそらく、こういった原料は、食品の検疫も通って来ないだろう。

以前から紹介していましたが、このNMNの商品OEM製造は、原料支給されることが多いです。
今回のような、リスキーな原料が支給される可能性が生じてきます。

弊社は弊社なりの防衛策を講じながら、原料の純度分析を推奨しております。

何れにしても、こういった競争が始まると、素材ライフサイクルは短命化します。

本日の記事のようなLTVなんて、とても追えません。



こういった流れが見えていたため、弊社はNMN原料を流通させませんでした。
OEMに特化しました。
安く原料を仕入れていて価格に反映させても、過度な価格競争による価格破壊が起こりにくいため。

今、日本や欧米で始められた良い研究が、中国に供給を乗っ取られてしまうケースが多々生じています。
ジオスゲニンでも、同様なことが起こりかけており、弊社も必死に対抗策を講じています。

残念ながら、すでに研究の分野では、かなり乗っ取りが完了されています。



第二のNMNになるのも時間の問題。
ただし、日本の行政(東京都)は、ジオスゲニンの高含有品を医薬品区分となる可能性(ステロイド骨格を持った化合物であるため)を示しており、ジオスゲニンという成分として食薬区分が通り、NMNのような純品が出回ることはないだろう。

何れにしても、日本の技術を利用しつつ、特許戦略などで参入障壁を高めていかないと、今後も、今回のNMNのようなことが必ず起こります。

日本企業全体が世界で生き残っていくために考えていかなければならないことだと思います。
【独り言】
日本は、教育格差を生みながらも、教育のレベルは上がっている。特に国立大学において、大学の卒業も、非常に難しくなっている。
一方、日本の国際競争力という点では、年々落ちているように思える。

こういった傾向は、

1. 大学における研究予算の削減(国家戦略の問題)
2. 大学の研究に対する特許戦略の欠如(国家戦略の問題)
3. 優秀な人材の国外流出(企業の姿勢の問題)
4. 歪な留学生保護政策(国家戦略の問題)

が原因していると思います。

日本では予算が付きにくく、本当に優秀な人材は、予算が付く海外大学へ流出してしまう。加えて、日本に帰ってきても、良いポストがない(国家の研究施設だけでなく民間にも)。

まぁ、国が一部の上場企業に依存し過ぎているのも一因だろう。企業としては、博士を雇用するのではなく、社内で博士を育てた方が得。研究上の機密も漏れにくい。

また、歪な形で留学生を保護し、育てて国に返すから、中国に都合良いように利用される。まぁ、留学ビザによる保険利用の問題なんて、最たる事例。



その反面、日本の政治は、老人には手厚いのに、若者には冷たい。

このまま行くと、日本の若者に未来はないだろう。
そいうことは、日本にも未来がないことを意味する。
非常に困ったことだ・・・。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。