今回は、前編「健康食品サプリメント製造業界のXYX」の続きです。
前編では、主に個人に対しての話ですが、今回の後編は、会社組織や管理職に対しての話です。Zに特化して。なので、Zが何かをしるため、前編を

当たり前の事なのですが、会社によって、
Zを導きやすい会社と導きにくい会社が存在します。

もちろん、私の目標は、少しでもZを導きやすい会社に成長することです。
今日の朝も、コスト計算から見積りまで一貫して行える原価シートの修正をコツコツと行っていました。

会社を成長させるために、プレイングマネージャーやマネージャーなど管理する側は、その顧客の感動を導きやすい環境や顧客が喜ぶサービスを意識して作り続ける必要があります。
理想は、新人の対応でも顧客から感動してもらえるシステムです。

例えば、弊社のOEMの場合、

チャット会議や電話会議による
オンタイムでの商品設計(処方と包装仕様)調整


ができる環境がある。他社にはできないサービス。

原価シートは、剤型、入り数や包装仕様などに加えて、使用する原料をデータベースからコピペして配合量を入力し、仕込み量や包装仕様の詳細を入力していけば、ざっくりした原価が出てきます。
打ち合わせ前に原価シートのドラフトを作っておき、原料のデータベースを開きながら、顧客と設計調整します。使用する原料を入れ替えたり、配合量の数字を変更したりして、顧客の目的とするコストに近づける設計調整を行う。

秘密をちょっと公開、実際の原価シート(もちろん数字はいじってある)
costs

使用する原料を別シートにコピペして、赤紫の部分を選択し、黄色の部分を入れていくと、資材や工賃が自動入力されるので、それだけで約7割の計算が完了します。
最小ロットの倍数で、7ロット計算される。しかも、概算の見積り価格提示案付きで。
もちろん、入力内容は、すべて見積書に自動反映される。

この計算を手計算で行うと、最低30分はかかるだろう。環境が整っていなければ、数時間かかってしまうこともあるだろう。
それを数分で行うことによって、削られた時間で提案の質を上げるべきというのが私の考え方です。

他社が1つの設計でしか提案しないのに、弊社は、3つも4つも提案できてしまう♪
ベテランに限らず、新人にでもできてしまう。


その他、カプセルの号数を入力すると、内容物量とカプセル込みの内容量が算出される。この数字を用いて原材料表示を作成していくのだが、これが算出されていると次の作業で無駄が減る。
また、概算見積りで各原料の原材料表示やアレルゲン等を示せば、顧客との認識の不一致が起こりにくくなる。

せっかちで無駄が嫌いな私らしいやり方です。

効率化すれば、成約率が上がるだけでなく、少ない人数でより大きな成果が出せるようになる。成果が出れば、給与も上がる。給与が上げれば、離職率が下がり、人材が育つ。人材が育てば、会社も成長する。
正の循環が生じる。

このシートは、今でも進化している。もちろん、簡単に作れたわけではない。
(仮にスパイが入って、盗まれたとしても、問題ない。このシートの前後の2シートがなければ機能しない。また、シートの数式を理解しなければならないので、理解するだけで恐ろしい時間が必要になり、簡単に条件等を修正できない。)

さて、話は戻り、オンタイムでの商品設計調整だが・・・
見積り価格を瞬時に決定しなければならないため、精神的に非常にしんどいのだが、この調整は、マーケティング戦略がしっかりしている顧客ほど確実に喜ばれる。
実際、私は、すでに2商品で行い、その場で商品設計を確定している。当然、成約率は高い。
(電話は負荷が大き過ぎるから、チャットで行うのがベスト。メールでもできないことはない。また、私は、誰にでもオンタイムでの調整を行うわけではない。かなり相手を選ぶ。

まぁ、流石に原料データベースにない原料を使用する場合は、再度、メールやチャットで送りなおすことになるが、データベースに存在する原料だけで商品設計するなら、ざっくりとしたコストは明確になります。それで十分。

概算見積りで95%くらい正確なコストを提示できれば、顧客はマーケティング上のジャッチが可能になります!

100%が求められていないのに、100%にするために時間をかける必要はないのです。
まして、健康食品サプリメントは、試作してみて、見積りが変わりえる商材です。

結局、スピードも顧客から評価される重要ポイントです!

やっぱり、見積りに1~2週間かかる会社と、その場で概算まで出てくる会社では、どちらが選ばれるかは明白である。

当然、どちらがZにつながりやすいかも明白である。
原料の方がOEMよりシンプル。

会社は、こういった環境を作ることで、単発で仕事が終わらず、別の案件でも頼ってもらえるような演出をしなければならないのだと思います。

会社がZを演出すれば、必ず会社は成長します!

健康食品サプリメント製造業界の成長期は、営業マンのZのチカラで成長してこれました。一方、成熟期になると、会社組織のZのチカラがしっかりしていないと、どんなに営業マンが優れていても成長できなくなってしまいます。

新型コロナウィルスの問題で、営業活動は鈍化しています。
いろいろ考える時間も生じたと思います。
そういった生じた時間で会社組織のZを見直してみては如何でしょうか?

【追記】15:14
この原価シートには、いくつかの関数(IF、IFERROR、VLOOKUPなど)が使用されています。そのため、ブランクの状態でも630キロバイトほどのファイルサイズがあります。関数がそこそこ使えれば、誰でも作れると思います。
一方、OEMのことを良く知っている人間が作らないと作業が非常に不効率で、決して良いものに、p仕上がりません。

だって、食品表示法も加味して作り込まれていますから。
このシート、実は、強調表記する栄養素を提示するだけで分析コストまで提示されますし、付随するシートでは、栄養成分を100gあたりで入力すると、1粒当たりだけでなくゼロ表記の可否まで判定されます。

今、原料情報と設計情報を入れたら、自動的に原材料表示順まで出てくるようにしようと企んでいるけど、やっぱり、データベースの情報も足らないし、複合原料が多く存在するから難しそう・・・。
まぁ、一括表示を作る際は、案件が成約した後だから、半自動で多少の時間がかかっても良いかなぁと思っています。


【追記】2020年4月2日 9:08
昨日は、シートにマクロを組み込んで、原材料表示のための並べ替えを自動化した。ショートカットキーを押すだけで♪
数式を値に置き換えて、並べ替えるという簡単なマクロ。
大学時代、解析をマクロで自動化していた時の経験が役立ちました。

ただし、原価表の使い回しで「再並べ替え」という問題も残った。
今後の課題です。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。