今回は、とにかく問い合わせだけは多い葉酸の研究データを紹介です。

問い合わせの中で、一番多いのは、

活性型葉酸についてです!
メチル化葉酸、5-MTHF葉酸などとも呼ばれます。

弊社が取り扱うレモン果皮由来葉酸の形状についても、質問がなされます。
理由は、日本人の約7割の人はMTHFRの酵素活性が弱く、合成の非活性型葉酸を活性型葉酸に変換する力が弱いという研究データに基づいています。

葉酸代謝関連遺伝子多型に基づくテーラーメイド栄養学 : さかど葉酸プロジェクト(<特集>葉酸と女性-現状と課題-) 外部サイト

いろいろなタイプの遺伝子があり、遺伝子によって活性型葉酸への変換率も異なってくるのです。
しっかり葉酸を摂取していても、上手く利用されていない可能性があるのです。

この変換酵素の活性を調べる遺伝子検査キットも存在します。



アフィリの画像

妊活女子の場合、基本、合成の非活性葉酸だけを付加的に摂取しても、二分脊椎症などの発症リスクを抑えることが可能です。しっかり、データでも証明されています。
De Wals P, Tairou F, Van Allen MI, Uh SH, Lowry RB, Sibbald B, Evans JA, Van den Hof MC, Zimmer P, Crowley M, Fernandez B, Lee NS, Niyonsenga T. Reduction in neural-tube defects after folic acid fortification in Canada. N Engl J Med. 2007; 12;357(2):135-42.

でも、非活性の葉酸だけを摂取すると、何らかの弊害もあるのでは?と考えている研究チームがあり、できれば活性型葉酸を摂取したいというニーズがあるのです。

出典:自閉症が増えた本当の原因 その2

ただし、実証されている訳ではありません。

前置きが長くなりましたが・・・
上記サイトの緑黄色野菜のサラダには、活性型と未活性型の両方の葉酸が含まれています。という内容の根拠を探していた時、今回紹介したい内容を偶然見つけました。
それも、意外な文献から。

以下の活性型葉酸(のカルシウム塩:5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム)の食品添加物への登録要請の書類からです。

5-メチルテトラヒドロ葉酸カルシウム:食品添加物指定に関する要請書

その書類の36ページ(スライド35)には、表4‐1に葉酸を添加していない一般食品中の総葉酸量および5-メチルテトラヒドロ葉酸含有量が紹介されています。

そこでは、野菜、果物製品の平均70%が5-メチルテトラヒドロ葉酸(活性型葉酸)であったという紹介もされています。
オレンジジュースなんて100%。
73の文献は入手できて読めましたが、残念ながら、53の原文は、入手出来てもフランス語。読めませんでした・・・。

植物性葉酸と合成葉酸の構造の違いが明確にされていました。
植物性葉酸は、生物学的利用能がモノグルタミン酸型葉酸の半分であるポリグルタミン酸型葉酸ですが、核となる葉酸は、メチル化して活性化している葉酸であり、活性化酵素の強弱に関わらず利用できるのが特徴なのでしょう。

基本的に、厚生労働省の栄養摂取の指針は、食事からというスタンツは変えておりません。おそらく、こういった背景もあるのだろうなぁと思いました。

天然は天然の良さがある!
一方、天然は天然で欠点もある。
残留農薬、コスト、収量の制限など・・・。

最後に、本日の内容(葉酸の分類)をイラストにまとめてみました。

葉酸の分類

多少、わかりやすくなったと思います。

ちなみに、弊社が取り扱うレモン果皮由来の葉酸ですが、抽出という工程を踏むと、どこまで5-メチルテトラヒドロ葉酸を保っているかの確認が必要だと思います。
これを分析するのは、今後の新たな課題です!!
頑張って、研究を進めていきたいと思います!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。