インタネット市場には、相変わらず、消費者を騙す広告表現が多数存在する。中には、一般の人には見分けにくいものも存在する。

これは、某人気葉酸サプリのクリエイティブです。

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酵母葉酸は、普通の合成葉酸と同じ。モノグルタミン酸型葉酸であり、吸収も早いだろう。
しっかり、吸収が早いモノグルタミン酸型とも表示している。吸収が早いと言いつつ、体内に滞在する時間が長いという持続性を謳い、全く真逆のことをもっともらしく表現している。

持続性というとは、明らかに優良誤認だろう。

持続性の可能性があるのは、タンパクと結合したミネラル酵母。
一方、葉酸は、仮に酵母に取り込まれた場合、全く別の成分に変換されてしまうだろう。無機のミネラルと有機の葉酸では、全く異なるだろう。
そもそも、分析を行い葉酸として検出されるなら、葉酸が酵母に含浸もしくは混合されただけの状態だろう。取り込まれてはいない。

持続性の根拠は、どこにあるのだろう?

持続性があるのであれば、データを示すべきだろう。また、最低限、酵母中の葉酸の構造を示すべきだと思う。
データがないなら、研究費を捻出して、データを取るべきだと思う。

ここは、随分と適正化されたが、まだまだ消費者を騙している。
広告のレスポンスばかりで、真実というものを疎かにしている。
良心は痛まないのだろうか?

過去に行なっていた天然葉酸という表現は、使われなくなった。
行政から指導を受けたのだろう。過去、東京都の職員は、指導すると明言していた。

そもそも、ミネラル酵母というものは認められても、葉酸を始めとしたビタミン系酵母は認められるべきなのだろうか?
やっぱり、食品添加物表示の逃げ道でしかないと思う。

過去、東京検疫所に輸入相談を行った際も、しっかりと問題性を指摘された。
最終商品では、酵母と葉酸などと、ビタミン類は、食品添加物として表示すべきだというコメントをいただいた。

担当官や検疫所によっても見解は異なるだろう。
でも、やっぱり、葉酸酵母のようなビタミン系酵母は、ナンセンスだと思う。
無駄に高いだけ。

このように科学的視点から検証すると、優良誤認という嘘であることが簡単に暴けてしまう。

こういったありふれた嘘「優良誤認」を少しでもなくしていくため、こういった記事を書き続けていこうと思う。

特に、葉酸サプリで騙されるのは、主に妊活女性です。
本来、葉酸400μgは妊活期の女性に対する付加量であり妊婦の付加量ではない。でも、妊婦にも400μg摂取させような表現をしている。
結果、妊婦も騙されている。

良心があるのであれば、妊婦期の正しい付加量も示すべきた!

過剰摂取による赤ちゃんへの小児喘息リスクが高まる可能性が研究データして示されているのだから、妊娠が発覚したら、葉酸の付加摂取量を減らす必要性が出てくる。

参考:水溶性ビタミンでも過剰摂取を注意すべき葉酸

消費者を騙してはいけない!

社会は、情報化しています。
騙される人が減るよう、こういった記事は、ドンドン拡散してもらいたいものです。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。