初回は、OEM会社のP/L管理についてです。
OEM会社の場合、工賃など原価計算だけでなく、営業経費というものを見越した管理が求められます。さて、OEM会社のみなさま、
利益が5万円の案件に対して、客先へどれくらい足を運べますか?
また、納品までに、どれくらい自分の時間を浪費するでしょう?
利益が5万円という案件は受けないという会社さんは少なくないでしょう。
実際、初回インタビュー・見積り・試作・製造手配・納品というステップを踏むと、5万円という人件費では収まらないでしょう。
粗利では利益が出ていても、営業利益や経常利益はマイナスということが起こります。
経営状況が悪いOEM会社のほどんどは、こういったお金にならない案件まで受けているという現実があったりします。
500個作るのも、5000個作るのも、生じる人件費の差は大してありません。
加えて、こういったOEM会社ほど、マニュアル化やデータベース化で業務の効率化が行われていないです。
当然のことなのですが、営業経費を加味すると、赤字になってしまう案件は受けてはいけないのです。
最低限の営業経費を確保するような見積書を出しておかないと、大変なだけです。
リピート受注を受ければ、初回ほど人件費がかからないため、利益が出てきます。一方、このスケールで製造される会社さんのほとんどは失敗され、初回の発注しかなされないのが現実です。
そうしなければ、忙しいだけで成果が上がらない営業マンを生み出してしまいます。当然、見積りや製造手配を最大限効率化し、営業経費など人件費を圧縮していく必要があります。
営業マンにも、会社にも、良いことがありません。
実際問題、多くのOEM会社さんは、最小ロットや見積りの仕組みなどで顧客を選別(セグメント)していたりもします。
一方で、クリニックやサロンという小さな顧客も対象とする場合、1年に1回の発注でも長く発注し続けてもらうための工夫も必要だったりもします。また、小ロットにもかかわらず、頻繁に商品設計を変更する顧客に対する対応策にも工夫が必要です。
こういった小ロットに対応するかは、OEM会社の規模や方針次第なんでしょうけどね。弊社は、このクリニック・サロンの市場を重要視しているので、いろいろ工夫しています。
成熟した健康食品市場では、営業経費もLTVを意識した管理・戦略というものも求められるようになってきていると思います。ここは、経営の腕の見せ所だと思います。
そして、近年、起こっている変化。
試作費の管理の仕方。
過去は、営業経費に組み込んで無料で行っている会社さんが多かったのですが、近年は、試作費をしっかりと請求されるOEM会社さんが増えました。
過去は、健康食品市場が伸び伸びだったので、営業効率も良く、試作費を営業経費で賄えました。
近年は、業界の成熟と共に、試作だけで終わる会社も増え、試作費を営業経費で賄えなくなってきています。
各社で、様々な管理がなされています。
工場を持っている会社さんの場合、工場の稼働率を最大化するというミッションが必ず生じてきます。稼働率が低ければ、固定の人件費割合が高くなり、実際の工賃原価も高くなります。
だからと言って、高い工賃設定で競争力のない見積りなどを出し続けると、成約率も下がり、結果、稼働率が落ちて工賃が上がってしまうという悪循環も生じさせてしまいます。
工賃は、相場(競合会社の工賃)と大きく離れていれば、当然、営業の成約率が下がります。実際の工賃だけでなく相場観というものも加味して、設定する必要があるのです。最初は、実際の工賃原価が設定工賃を上回っていても、稼働率を高めて設定工賃に近づけていく必要があるのです。
そういった工賃の正常化のため、原料や包材の仕入れを積極的に行い、それらの管理費で赤字部分を補うような工夫も必要でしょう。
工賃設定は、営業面も加味して設定が必要なのです。
工賃原価は、小さな案件が多いと、必然的に上がってしまいます。最小ロット設定は、工賃原価が上がらないようにするための設定でもあります。
OEM会社さんの中には、営業を強化し、大きな案件は自社工場で行い、小さな案件は下請けに回すという管理をされている会社さんも存在します。
営業は大変ですが、利益を最大化するという意味では、理想的な管理方法だと思います。
仕入れに関しては、〆支払いの顧客の場合、キャッシュフロー上、原料は大部分が仕入れ先行になります。そのため、いろいろな形で管理費を乗せてOEM商品の価格に反映されていることが多いです。
ちなみに、原料メーカーによっては、そういった部分を加味して、販売者価格よりちょっと安めに工場価格が設定されていることがあります。
どうしてもお金が先に出ていくので、特に日本の工場は、海外ほど倉庫も広くないという理由もありますが、仕入れから納品(顧客の支払い)までの期間を少しでも短くしたいため、小ロット仕入れと短納期の原料供給を強く望みます。
発注から2日後の納品要求も当たり前。
製造直前の仕入れがほとんどです。
原料同様、資材も同じです。
原料メーカーのP/L管理でも紹介しますが、原料メーカーは、必然的に常時在庫を抱える必要性が生じるのです。
したがって、OEMという事業は、それなりに資金力がないと、成り立たない特徴もあります。
だからと言って、すべて顧客から前金でもらうこともできないでしょうからね・・・。
OEM会社のP/L管理は、こういった資金面を加味した仕入れの管理も重要になってくるのです。
OEM会社さんの中には、問屋通しでしか原料調達しない会社もあります。
それは、仕入れ管理をシンプルにする目的、管理に要する人件費低減や支払い条件などによるものだったりします。
いろいろな管理方法があるのです。
今回は、管理ポイントが多いため、長文になってしまいました。
<(_ _)>
申し訳ないです。
是非、参考にしていただければ幸いです。
OEM会社の場合、工賃など原価計算だけでなく、営業経費というものを見越した管理が求められます。さて、OEM会社のみなさま、
利益が5万円の案件に対して、客先へどれくらい足を運べますか?
また、納品までに、どれくらい自分の時間を浪費するでしょう?
利益が5万円という案件は受けないという会社さんは少なくないでしょう。
実際、初回インタビュー・見積り・試作・製造手配・納品というステップを踏むと、5万円という人件費では収まらないでしょう。
粗利では利益が出ていても、営業利益や経常利益はマイナスということが起こります。
経営状況が悪いOEM会社のほどんどは、こういったお金にならない案件まで受けているという現実があったりします。
500個作るのも、5000個作るのも、生じる人件費の差は大してありません。
加えて、こういったOEM会社ほど、マニュアル化やデータベース化で業務の効率化が行われていないです。
当然のことなのですが、営業経費を加味すると、赤字になってしまう案件は受けてはいけないのです。
最低限の営業経費を確保するような見積書を出しておかないと、大変なだけです。
リピート受注を受ければ、初回ほど人件費がかからないため、利益が出てきます。一方、このスケールで製造される会社さんのほとんどは失敗され、初回の発注しかなされないのが現実です。
そうしなければ、忙しいだけで成果が上がらない営業マンを生み出してしまいます。当然、見積りや製造手配を最大限効率化し、営業経費など人件費を圧縮していく必要があります。
営業マンにも、会社にも、良いことがありません。
実際問題、多くのOEM会社さんは、最小ロットや見積りの仕組みなどで顧客を選別(セグメント)していたりもします。
一方で、クリニックやサロンという小さな顧客も対象とする場合、1年に1回の発注でも長く発注し続けてもらうための工夫も必要だったりもします。また、小ロットにもかかわらず、頻繁に商品設計を変更する顧客に対する対応策にも工夫が必要です。
こういった小ロットに対応するかは、OEM会社の規模や方針次第なんでしょうけどね。弊社は、このクリニック・サロンの市場を重要視しているので、いろいろ工夫しています。
成熟した健康食品市場では、営業経費もLTVを意識した管理・戦略というものも求められるようになってきていると思います。ここは、経営の腕の見せ所だと思います。
そして、近年、起こっている変化。
試作費の管理の仕方。
過去は、営業経費に組み込んで無料で行っている会社さんが多かったのですが、近年は、試作費をしっかりと請求されるOEM会社さんが増えました。
過去は、健康食品市場が伸び伸びだったので、営業効率も良く、試作費を営業経費で賄えました。
近年は、業界の成熟と共に、試作だけで終わる会社も増え、試作費を営業経費で賄えなくなってきています。
各社で、様々な管理がなされています。
工場を持っている会社さんの場合、工場の稼働率を最大化するというミッションが必ず生じてきます。稼働率が低ければ、固定の人件費割合が高くなり、実際の工賃原価も高くなります。
だからと言って、高い工賃設定で競争力のない見積りなどを出し続けると、成約率も下がり、結果、稼働率が落ちて工賃が上がってしまうという悪循環も生じさせてしまいます。
工賃は、相場(競合会社の工賃)と大きく離れていれば、当然、営業の成約率が下がります。実際の工賃だけでなく相場観というものも加味して、設定する必要があるのです。最初は、実際の工賃原価が設定工賃を上回っていても、稼働率を高めて設定工賃に近づけていく必要があるのです。
そういった工賃の正常化のため、原料や包材の仕入れを積極的に行い、それらの管理費で赤字部分を補うような工夫も必要でしょう。
工賃設定は、営業面も加味して設定が必要なのです。
工賃原価は、小さな案件が多いと、必然的に上がってしまいます。最小ロット設定は、工賃原価が上がらないようにするための設定でもあります。
OEM会社さんの中には、営業を強化し、大きな案件は自社工場で行い、小さな案件は下請けに回すという管理をされている会社さんも存在します。
営業は大変ですが、利益を最大化するという意味では、理想的な管理方法だと思います。
仕入れに関しては、〆支払いの顧客の場合、キャッシュフロー上、原料は大部分が仕入れ先行になります。そのため、いろいろな形で管理費を乗せてOEM商品の価格に反映されていることが多いです。
ちなみに、原料メーカーによっては、そういった部分を加味して、販売者価格よりちょっと安めに工場価格が設定されていることがあります。
どうしてもお金が先に出ていくので、特に日本の工場は、海外ほど倉庫も広くないという理由もありますが、仕入れから納品(顧客の支払い)までの期間を少しでも短くしたいため、小ロット仕入れと短納期の原料供給を強く望みます。
発注から2日後の納品要求も当たり前。
製造直前の仕入れがほとんどです。
原料同様、資材も同じです。
原料メーカーのP/L管理でも紹介しますが、原料メーカーは、必然的に常時在庫を抱える必要性が生じるのです。
したがって、OEMという事業は、それなりに資金力がないと、成り立たない特徴もあります。
だからと言って、すべて顧客から前金でもらうこともできないでしょうからね・・・。
OEM会社のP/L管理は、こういった資金面を加味した仕入れの管理も重要になってくるのです。
OEM会社さんの中には、問屋通しでしか原料調達しない会社もあります。
それは、仕入れ管理をシンプルにする目的、管理に要する人件費低減や支払い条件などによるものだったりします。
いろいろな管理方法があるのです。
今回は、管理ポイントが多いため、長文になってしまいました。
<(_ _)>
申し訳ないです。
是非、参考にしていただければ幸いです。
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