今回は、ガッツリと通販マーケティングの話です。今週の見せ場♪
以前にも、通販方程式を利用して記事を書いたのですが、今回、もう少し細かく作り直しました。その新しい通販方程式をベースに、商品設計・原価率の位置付けについて、紹介したいと思います。

商品力は、通販方程式に示した通り、初期集客の広告費用対効果などに影響するだけでなく、リピート購入にも影響してきます。私の持論である「販売の成功は商品開発の段階で8割決まる!」はここに由来します。
また、この方程式を見ていただくとわかると思うのですが、近年の健康食品通販というものは、特に紙媒体や電波媒体の場合、初回の販売時点では赤字です。リピート購入で赤字部分を補てんし、黒字に転換していかなければなりません。一部のネット通販(コンプレックス系など、MRが1以上の販売モデル)を除き、広告予算の先行投資型ビジネスになっています。

通販方程式と商品設計

そして、そのリピート購入には、商品力が大きく影響します。結局、どんなにフォローしても商品が悪ければ、リピート購入されにくいですからね。やっぱり、自然引き上がり率が高めの商品でないと、正直、勝っていけないです。
持論として私は、たとえ原価率が高くても、お客様の満足や納得を得られる商品設計を優先すべきだと考えています。適正原価率15%という神話もありますが、その適正原価率というものは、ライフサイクルや競合状況が関係するので、一定ではありません。要するに、時代によっても変化します。

皆さん、目をつむりたがるのですが、例えば、W生活のブルーベリーサプリは原価率30%以上ですし、D社の窓口商品のビタミンは原価率55%近く(その他を含めると33.8%:東洋経済 調べ)です。それなりに、消費者に指示され続けている現実があります。
また、セサミンの会社さんで12.8%くらい(東洋経済 調べ)。でも、セサミンという素材の開発費が含まれていません。広告だけでなく、あれだけ研究開発を行っているので、そういったコストを加味すると、実質の原価率は15%では収まらないと思います。まあ、中小企業は、決してここをモデルにしてはいけません!

まあ、そういった現実は、各社の思惑として、なかなか受け入れてもらえない場合もありますが・・・。
広告代理店ベースの通販セミナーを受けてきた顧客などによくする話です。

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広告代理店は、広告予算を最大限化したいため、商品原価率を低く設定させたい。
OEM会社は、薄利多売でもたくさん販売してもらいたいため、商品原価率を高く設定させたい。

という、思惑が根底で働きます。

キレイ事かもしれませんが、共通して最重要視して考えなければならないのは、顧客の収益性です。事業で儲からなければ、広告予算も付かないですし、商品製造も行われません。
それぞれ別の思惑を持つ両者は、その点を加味してアドバイスすべきであり、かつ販売会社の経営者は、決してどちらかの言いなりになるのではなく、その点を理解して戦略を構築する必要があるのです。

また、広告費用対効果と商品力は比例し、商品力とは、商品の良し悪しよりクリエイティブ力を問われます。
商品が量のクリエイティブに依存するなら、競合より高いコスパが必須です。
収益性に大きく影響するリピート購入率は、顧客が満足・納得するコスパと体感を求められます。

理想は、勝てるクリエイティブが作れつつ、体感などが強い商品です。
一方、そんな商品はなかなか現れないですし、今の時代、存在がバレた瞬間に群がられ、儲からない商品に転じてしまいます。
群がられないためにも、なかなか真似できない商品作りも重要なのです。そのためには、原料開発から行うのが理想でありますが、その場合、同時に開発費というリスクも伴うのです。
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まあ、広告側と商品供給側とでは、相容れない部分も存在します。特に、広告型の販売モデルを選ばれるのであれば、これは、避けて通れない問題です。これは、仕方ないことです。

この各社の思惑は別として、販売会社さんの視点から考えると、大事なのは、両方のバランスだと思います。
そのバランス決めこそが経営者やマネージャーの手腕の部分だと思います。それ以外の誰かが決めるものではないも思います。
実際、健康食品の販売戦略に行き詰まったら、是非、通販方程式とにらめっこしていただき、競合状況、時代背景、消費者心理などを加味し、どういった方針で進めるかを考えていただければと思います。
ブレ過ぎてはいけない部分ではあるのですが、PDCAで的確に方向転換していくことも重要だと思います。

基本、私は、毎回、お客様に学ばせていただいています。
的確でスピーディな経営ができるお客様と一緒に仕事できることが、最も多くを学べ、この仕事をやっていての幸せです。
こういった素晴らしい経験に恵まれ、お客様方に感謝です!
そういった仕事をもっとできるように、私も磨き続けれなければならないです。
がんばります!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。