
皮膚(真皮)や軟骨に存在するプロテオグリカン:概略イラスト↑
ひも状のコアタンパク質にグリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸など)が複数結合した高分子成分
両末端に活性部位を持つのが大きな特徴(コンドロイチンとの大きな違い)
>> プロテオグリカンの前回の記事
実は、今騒がれているプロテオグリカンの原料には、2種類あります。
健康食品の業界人であっても、ほとんど認識していないでしょう。
1つは、両端の活性部位が残ったまま非変性プロテオグリカンです。分子量は、約1200kDa(キロダルトン)あります。
切れてない一本のプロテオグリカンなので、分析すると、単一の約1200kDaのピークが出てきます。
弊社が取り扱う原料です。

もう1つは、プロテオグリカンが2つくらいに切れたものです。分子量のピークが2つ3つ出てきます。活性部位の1つが失われている可能性が高いです。
熱変性している訳ではないですが、ある意味、分解という変性です。変性プロテオグリカンと言っても良いと思います。
この2つは、液クロ経験者には簡単な話なのですが、HPLCのGPCカラムで分子量分布を調べれば一目瞭然になります♪
どちらの機能性が高いかは不明です。
化粧品としての保湿性は、分子量が高い方が有利です。
食品としての機能性では、全くわかりません。
極論言うと、かなり分解しても、コアタンパク質の両末端の活性部位さえ残っていればプロテオグリカンとしての活性も残っているかもしれません。
また、このプロテオグリカンは、どこまで非変性であるべきかの定義がありません。
プロテオグリカンは、ひも状のコアタンパク質にコンドロイチンが複数(正確にはグリコサミノグリカン)が付いているものです。これが、軟骨でヒアルロン酸にニョッキっとくっついています。すべてのプロテオグリカンが分解されれば、単なるコンドロイチン硫酸になってします♪
でも、この素材は、切れている数や分子量で定められていません。
私の個人的な意見としては、切れている数も重要ながら、両末端が残っていることがプロテオグリカンの定義であろうと考えています。
最低、片方の末端だけでも残っているべきです。
この活性部位があるからこそ、プロテオグリカンは、特別な機能性を有します。
中にはコンドロイチンとプロテオグリカンを勘違いしている原料もありますが、それは、論外です。
したがって、この原料を使用するに当たり、分子量分布のデータをチェックすることも重要です。
今後、業界が大きくなると、絶対にプロテオグリカンと言えないような原料(例えば、単なるコンドロイチン硫酸の原料だったり・・・)が出回ります。
このプロテオグリカンの定期に関係してくるのですが、この問題は、商品化した際の状態にも関係してきます。
製造上におけるプロテオグリカンの欠点は、水が存在している環境下で長時間高温になると分解されることでです。
ドリンクやゼリーなどに配合すると、通常、最低2時間、長いと8時間くらいの熱がかかるので、分解する可能性が非常に高いです。
これを安定化できたら、凄い技術になるでしょう。
我々も試行錯誤しています。
弊社でも、プロテオグリカンをドリンクやゼリーに配合したいという問い合わせが多いです。
一方、分解してしまうのがわかっているので、商品化しません。
でも、実際、商品化されている商品が存在します。
単なるコンドロイチンのドリンクになっているんではないか?とついつい思ってしまいます。
そもそも、プロテオグリカンである定義がないため、このようなことが起ります。
これは、業界にとって、今後の大きな課題だと考えます。
基本、 活性部位による何らかの活性を規格するのが良いのでしょうね。
市場をもっと大きくするためにも、原料供給側も努力が必要ですね。
我々も、日々努力です!
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