健康食品サプリメント原料OEM製造業界 生き残り術

健康食品サプリメントの受託製造加工;OEMや原料供給を行う栗山雄司(広告代理店経験のある博士マーケッター)のブログ。原料クリエイティブからの商品設計ノウハウ、最新研究データ、機能性表示食品、食品表示法・薬機法・景品表示法、中国を始めとした海外展開の話など

機能性食品素材で介護のない幸せ笑顔あふれる世の中を作ることがです。そのためには、素材の研究開発とマーケット創造の両方が不可欠です。
本ブログでは、その理想像を追い求めながら、その実践で得られた市場での生き残り術を紹介していきます。

マーケット情報や学術情報を集約しながら、会社のフォーミュレーターとして、日々、健康食品サプリメントを作ってます。
近年は、機能性表示食品にも力を入れております。

仕事のご依頼がございまいたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

特許

地味なモンスター素材:赤ワイン由来レスベラトロール

原料受託バンクでのアクセスで、10万を超えるOEM資料ばかり注目を浴びがちですが、実は、モンスター資料は、他にも存在します。

それは、弊社の赤ワインエキスです。

r5

2万以上ダウンロードされている資料が複数あります。

弊社からすると、本原料は、

売上が落ちない素材

流石に、ブームが起こった2011、2012年の売上には敵いませんが、安定した売り上げがあります。
主材から副材へと利用のされ方も変わっています。

その理由は、やっぱり、原料に投資し続けているからでしょう。



安い類似原料も増えてきていますが、特許やヒト臨床試験データ・安全性データの方が評価されているんだと思います。

主に利用し続けていただいているのは大手受託加工会社さんなので、コンプライアンス面を考慮しての結果なのでしょう。先日も、某受託加工会社さんが安い類似原料の使用を採用しないように社内通達していただけました。

まぁ、この原料は、マーケティング的に見て、

ブームが去った原料 レスベラトロールブームとして
でも
副材としては活躍し続けている原料

なので、W特許のクリエティブ、写真素材や安心して使えることが重要視されやすいんだと思います。
副材で多く配合されることは少ないですし、多少コストが高くても、クリエイティブ面を考慮すると、弊社原料を採用するメリットの方が大きいのでしょう。
意外に、今人気のLPSも含まれていますし・・・。

こういった部分を見ても、原料メーカーの勝ちモデルって、原料に投資続けて信頼を勝ち取ることが大事なんだなぁと改めて実感します。



日本の原料ビジネスの特徴。
海外勢が入ってきにくい理由でもあります。

弊社は、そういった信頼を勝ち取る努力を淡々と行っていくだけです。
夏休みも関係なく、淡々と。

原料メーカーの勝ちモデル

ここ最近、感じたこと。

今は、
原料事業に新規参入したり新原料を上市するには最悪の時期
だと思います。

今年は、既存顧客の中で勝ち負けはあれど、売上は落ち込んでいません。
一方、新規は、既存顧客の新規案件はあれど、ド新規のOEM案件等は少ないです。
やっぱり、コロナの影響!

また、消費者庁の薬事や景表法の監視が昨年以上に厳しくなってるため、元気だったネット系通販がコロナ禍後半で落ち始めています。
そういった状況もあり、新規参入も減っているものと思われます。



NMNの市場が伸びない理由でもあります。
特に、高価格帯の市場が不調。不景気で、高価格帯より高コスパや低価格の商品へとシフトしています。
以前の記事でも紹介しましたが、売れている商品は、別に存在します。

ぶっちゃけ、今は、案件が少なく、チャンスが少ない時期。
最悪な時期である理由。

当然、そうなってくると、原料事業にも影響が生じてきます。でも、弊社は、さほど影響は受けていません。
ぶっちゃけ、今も昔も、弊社の状況は、以下の通りです。これが影響を受けにくい理由でもあります。

発注の約9割は、リピート注文!

問い合わせの8割以上は、既存顧客からの問い合わせ


すなわち、既存顧客によって成り立っています。
これが原料メーカーの収益構造(原料事業の本質)だと思います。
通販と同じで、リピートやLTVが命!
新規参入すると、このリピートがないから、非常に苦労します。私も、非常に苦労しました。原料事業に新規参入する誰もが通る道です。

ちなみに、よくある話なんですが、販売者さんが複数のOEM会社に声をかけて、同じ案件の問い合わせが一度に複数来るということも多いです。

まぁ、新規問い合わせも、競合からの調査であることも多いです。
半分以上は、調査だと思った方が良いでしょう。

こういう風に探りに対して対応するのも面倒なので、弊社の場合、一般流通原料の価格は、販路別に固定しています。
滅多なことがない限り、価格を崩すことはないです。

価格で争わなくても、評価されて注文され続けるには、理由があります。

原料の顧客は、何を求めているか?
を考えると、すぐにわかります。
何を求めちえるか?

信頼とデータ です。

信頼 とは、

常時在庫されてて、即納される供給体制
が前提で・・・
その長年の実績が問われます。
欠品を繰り返すと、あっという間に信頼は失われます。意外に厳しい・・・。
弊社でも、信頼度が低い特定の原料メーカーさんの原料は、安定供給に対してリスクが伴うため、検討することはありません。また、新規の原料メーカーさんの原料を取り扱う際も、非常に慎重です。

新規参入した原料メーカーさんは、製品の品質のことばかりアピールされますが、むしろ重要なのは、即納が前提の安定供給なのです。

例えば「中国には在庫があるけど、国内在庫は全くない」という状況では、全く話になりません。

また、価格の安定というものも、信頼を得る重要な要素でもあります。

次に、データ とは、

有効性データと安全性データ

厳しい会社さんだと、反復投与毒性試験データがないと、取り扱ってくれない会社さんもあります。
加えて、日本の通販市場では、クリエイティブやストーリーまで、求められます。

場合によっては、競合の特許の調査報告なども求められる素材もあるでしょう。こういった情報って大事なので、例えば、最近ではNMNなどの特許について、業界の仲間達からも質問を受けます。
こういったサポートが、さらなる信頼へとつながります。

これが原料メーカーの勝ちモデルの正体(成り立ち)です。

だから、信頼とデータで勝ちモデルと言えるほど売れるようにするためには、意外にコストがかかります。
売れるようにするには、原料への投資が不可欠 です。

まぁ、論文データを引用しやすい添加物系原料は、先述の信頼の部分と価格だけなので、最終的にコスト合戦にしかならない。(弊社が手を出さない理由)

抽出物系原料は、販売者やブランドが異なれば、先述のデータ(特に安全性データ)が原料単位 で求められます。

先発の原料メーカーが特許で固めているケースが多いので、その隙間でビジネス展開する必要があります。
反対に、実は、弊社の赤ワインエキス末も山芋抽出物も、こういった見えない特許の影響で選ばれ続けていたりもします。

危ない特許があれば、販売者やOEM会社は選ばないです。特に、リスクマネージメントが大事な役割の商社・問屋さんは、絶対に選ばないでしょう。反対に、特許に守られている原料を使用しようとされます。
だから、市場で選ばれて流通されていることがステータス(;信頼)だったりします。

弊社のリピート発注;勝ちモデルは、こういった条件を満たすことで成り立っているのです。

まぁ、顧客は、無言で不採用にするだけで、購入しない理由を述べないですから、新規の原料メーカーさんは、売れない理由がわからず、苦労されるケースも多いでしょう。

ちなみに、利益を最大化する成熟度に応じた価格設定セオリーというものもあるのですが、それは、別の機会にでも紹介できればと思います。

年々、景気の悪い今年に限らず、参入障壁は、上がっています。
理由は、2016年に認められた食品の用途特許。


近年、食品の用途特許が見とれられるようになったため、先発原料メーカーの特許申請数や取得数が増え、実は、ますます参入障壁が上がっているのです。

でも、チャンスは少なくても、上記の勝ちモデルを作る努力が必要でしょう。
当然、先発組も、同じように努力を積み重ねます。
先発組に負けないような投資が必要になってきます。

原料市場に新規参入されるにしても、この勝ちモデルの成り立ちを理解して参入いただければと思います。
また、新規参入の原料メーカーさんに限らず、既存の原料メーカーさんも、是非、参考にしていただければ幸いです。

ジオスゲニン原料の諸事情と製法特許

ジオスゲニンの原料を流通させ始めたのは、2013年からです。いつの間にか、日本国内におけるジオスゲニンのパイオニア的存在になってしまいました。
当初は、コンプライアンス的なものをクリアするのに、大変苦労しました。
ジオスゲニンには、例えば、以下のような諸事情があるからです。

1.ジオスゲニン高含有品は食薬区分から外れる
2.毒性がある山芋が存在するため山芋種が限定される
3.酸で加水分解しなければジオスゲニン遊離体として含有しない


まず、1の含有量については、成分の構造上というか、ジオスゲニンが天然ステロイド系化合物であるため、行政(東京都福祉保健局薬務課)から高含有品の流通は認めないという指導を受けました。
高含有品は、食品検疫も通らないでしょう。

弊社が15%品で展開している理由です。
(安定性試験が48%で行われている裏事情でもある・・・。)

次に、2の山芋の品種ですが、安い山芋はたくさん存在し、実際、漢方の山薬に使用されている山芋種以外にも、効率的にジオスゲニンを抽出することが可能です。
一方、そういった山芋種は、食経験が乏しく、中には毒性が確認されている山芋種も存在します。
実は、国内で流通させれるような山芋種は限定されるのです。
某大手さんに供給し始めて、そのお客様が一番気にかけたことでもあります。

そのため、お客様が取り扱うに際し、流通実績や安全性試験のチェックが厳しく行われました。

加えて、近年、大手さんの多くは、安全性試験(28日以上の反復投与毒性試験)がないと、採用されなくなってきています。

だから、ジオパワー15は名だたる大企業に採用されているんだと思います。

最後に、山芋中のジオスゲニンの構造です。
我々の研究では、山芋中には、基本、ジオスゲニン配糖体でしか存在しないことが明らかになっています。
そのジオスゲニン配糖体は、ジオスチン(ジオスシン)と考えられましたが、実は、別のジオスゲニン配糖体でした。
山芋を摂取しても、摂取できるのはジオスゲニンではなくジオスゲニン配糖体なのです。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。



まぁ、分析では、酸分解してからジオスゲニンを測定するので、配糖体もジオスゲニンとして検出してしまうのですが・・・。
なので、機能性表示食品の申請では、ジオスゲニン配糖体は検出されずジオスゲニンだけを検出できる方法で定量分析が行われています。

これら1・2を反映したのが弊社の製法特許です。
狭いようで広い特許になっています。

結局、市場が大きくなってくると、必ず類似商品や粗悪な商品が出てきます。原料に投資することなく、価格だけで攻めてきます。

そういった商品に市場が荒らされないよう、このような特許を出願しています。

弊社は、原料開発やデータ取りなどの研究開発に1原料あたり1000万円以上を投資することは極当たり前です。
実際、添加物系原料以外は、原料に投資しないと原料が売れない時代になってきました。

仮に、欧米で流通実績がある原料でも、日本のレギュレーションや商習慣に合った補足データが必要になってきます。

今の私の課題は、如何に効率良く投資し、如何に効率良く売上につなげていくか? 米国・ヨーロッパ市場でも勝っていけるか?になってきています。

原料は、海外で展開しようとすると、GPMは当たり前で、KosherやHalalが普通に求められる。
贅沢を言えば、国際特許も必要になってくる。

さて、このジオスゲニン原料は、どこまで成長させれるかが、今後10年の課題の1つです。

コロナで足踏みしている場合ではない!
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博士(水産学) 46歳 富山県滑川市出身  (株)アンチエイジング・プロ COO 現 東京海洋大学卒 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

営業は天職、通販化粧品会社や広告代理店での所属経験がある異色のコンサルタント。
博士論文は海洋プラスチックごみがテーマ。
プロフィール詳細は、カテゴリー最下段より。

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