私は、様々な会社さんと仕事することがあります。
ほんと、経営者の数だけ色があり、いろんな会社さんがあるなぁと、常々思っております。

比較的多いのは、成長 だけが目標の会社さん。
売上至上主義。

中には、上場も目標とされている会社さんも多々あります。
また、利益額より売上額という観点でしか人事評価していない会社すら存在します。

一方、本当に、成長だけが重要なのでしょうか?

今の日本にも言えるのですが、成長至上主義で続けていても、何れ成長が止まります。

成長を重要視して企業経営されるべきは、成長期のビジネスにおいてのみです。

市場で多くを占める成熟期のビジネスの場合、持続可能という戦略が重要になってきます。
まぁ、だから日本も、ようやく、SDGsという形で、持続可能な成長戦略に梶を切り出したのだと思います。

私が身を置く健康食品サプリメント、化粧品の業界は、すでに成熟期です。
そういったビジネスでは、持続可能な企業成長戦略が求められます。

多くの営業マンを雇用して、飛び込み営業や電話営業で手当たり次第に営業を行っても、結果は出前ん!
特に、情報化社会で、情報が溢れている社会では、顧客が多くから選択する方式で製造委託先や原料が選択されるため、プッシュ型で営業活動を行っても成果が出にくいです。

情報化した時代において、成熟した市場では、プッシュ型の営業よりプル型の営業の方が効率良く成果が出せるものなのです。

ビジネス(産業)のライフサイクルは変化します。
時代も変化します。

その変化に応じたスタイルで成長戦略を行っていくことが重要なのです。

健康食品サプリメントの製造業界において、持続可能な成長戦略は、以下の点が重要になってきます。

自社原料開発・原料調達力
研究開発
特許戦略


まぁ、昨日も特許戦略で紹介した通り、弊社が淡々と行い続けていることです。
仮に一旦売上が前年を割ったとしても、5年、10年スパンでゆっくりと成長すれば良いと考えて戦略を講じています。



急な成長は、市場のライフサイクルをあっという間に成熟へと向かわせてしまいます。
コエンザイムQ10 の市場が代表例であり、あっという間に急成長し、あっという間に市場が成熟してしまいました。
NMNにも当てはまるのだと思いますが、こういった急成長した素材では、継続的な収益が期待できなくなります。競争が激しくなり、誰も儲からないという現象も起こりやすいです。

だから、持続可能な成長戦略が重要になって来るのです。まぁ、NMNは適度に追っても、それだけになってはいけないのでしょう。
この流れは、機能性表示食品制度が始まり、より加速しています。一定条件を満たす機能性表示食品の方がライフサイクルが長くなりそうですからね・・・。

また、近年、市場の成熟を表す傾向として、米国のように、自社原料を持ちながら受託製造事業を行っていく会社さんが増えています。
こっそり、原料の輸入調達まで行っている会社さんも存在します。

某最大手の受託加工会社さんでは、原料を少しでも安く仕入れることで利益率を高めながら価格競争力も高めるため、原料調達専門の部署なども創設されました。

この部署では、価格だけでなく、機能性表示食品への対応状況、特許情報や品質情報など、総合的な判断を行っておられます。例えば、特許で問題が生じそうな原料があれば、取り扱い原料を変更するようなことまで行われています。

やっぱり、原料を少しでも安く仕入れることができるノウハウがなければ、工賃の下げ合いにしか行き着かないので、当然の動きだと思います。
寵愛と呼ばれた問屋さんや商社さんは、非常に困る戦略かもしれませんが、受託加工会社という業態では、最善の方法だと思います。

また、独自の自社原料を持って入れば、その原料を用いたOEM供給ビジネスを有利に行うことができるようになります。
特許や研究開発で既存案件を守ったり、発展させることも可能です。
何だかんだで、OEM事業における原料戦略って、とても重要なのです。

だから、大手受託加工会社は、どこも自社原料を持たれ始めているのです。

まぁ、選択と集中を行って深掘るか、幅を広げていって浅く広く展開するかの戦術は、各会社さんの戦略次第ですが・・・。

何れにしも、ビジネスのライフスパンを伸ばしつつ成長を模索ることが重要であり、これが持続可能な企業成長戦略だと思います。
実際、今の情報化社会において、利益を最大化する方法でもあるんだと思います。

私は、私が考える持続可能な成長戦略を淡々と講じていくだけです!