機能性表示食品の制度は、今年、定性分析(基原の確認)の部分が強化されています。私も、その対応に追われています。
ぶっちゃけ、半分くらいの既存の機能性表示食品は、対応できないのでは?と思ってしまう内容です。
かなり、レベルの高いものが求められています。
実際、海外の機能性表示食品は論外で、トクホより厳しいんでは?思っちゃうくらいです。
そして、消費者庁の8月22日の調査結果を、この定性分析や基原の確認の部分も含みながら、Fidesさんがわかりやすく紹介されていました。
ネットショップ CS情報局
4年目に入った機能性表示食品制度品質管理の課題とは(2)。届出後の分析実施状況(アンケート調査編)
基原の確認を行うため、定性分析を行うのだが、実際問題、原料は、以下の2つのどちらかに区分されるだろう。
毎回の確認できるもの
毎回の分析が困難なもの
前者のものは、HPLCによる定量分析が良い例で、定量分析と同時に定性分析(基原の確認)ができるケースなどが代表例だと思います。
例えば、基原の確認にポリフェノールのパターンを用いるケースや、分子量の幅を用いているケースなどです。
後者は、遺伝子解析や特殊なHPLCなど特殊な分析で定性分析が行われているケースです。
原料を毎ロット管理することは難しいでしょう。
まして、原料納入の段階でのOEM会社による毎回確認は、前者であっても、かなり難しいだろう。ただし、東洋新薬さんの葛花抽出物のようなOEM会社の自社原料であれば、話は別だが・・・。
なので、原料メーカーが、毎ロット行えるのが良いのだろう。
それはそれで大変。国内製造している原料メーカーは容易でも、今までの輸入原料商社(一部を除く)では対応しきれないでしょう。
ぶっちゃけ、性悪説の観点で、基準設定されているような感じがします・・・
完全に認可制であり、メーカーの自己責任の部分は、どこにあるのだろう?と思ってしまう。
一方、cGMPの基準には、原料受け入れの際の同一性試験(同一性確認)というものも含まれています。
私の個人的な見解だが、基原の確認・保証より、この同一性試験を組み込むべきだったと思う・・・。
海外の状況を見ると、IR(赤外)やNIR(近赤外)を用いた管理が行われているケースが多いです。特定波長の光を当てて、波長毎の反射や吸収をスペクトルとして見る機器。例えばアミノ酸なんて、見ても判別が付かないです。ラベルの貼り間違えによる納入ミスがあっても、判別できんことがほとんどだと思います。こういった機器を使えば、チェックが可能です。そういった意味で、OEM会社にも、受け入れ時の同一性試験が求められるのです。
まぁ、今の流れを見ていると、近い将来、機能性表示食品制度や既存のGMPにも原料受け入れの際の同一性試験というものが加わってくるかもしれません。
実際、日本食品分センターでは、以下のような紹介もされています。
近赤外分光法による品質管理(2014年8月)
私は、大学時代、近赤外を用いて、海洋プラスチックごみの分析を行っていたので、近赤外の便利さは理解しています。瞬時に、スペクトルが計測できます。ハンディ型だと、ラボに検体を持っていく必要もなく、倉庫内での確認も容易です。
実際問題、厳密に基原確認を原料毎に行っていく場合、IR(赤外)やNIR(近赤外)を組み合わせていくことも一手だろうと考えています。
定性分析され基原が確認された検体を標準品とし、IRやNIRで標準品との同一性の担保を行っていければ、容易に基原の確認が原料ロット毎で行うことができると思います。まぁ、モノを選びますが。
いずれにしても、品質保証にも、お金がかかる時代になってきました。
弊社は、赤ワインエキス末がcGMPの基準に対応しており、NIRの分析が毎ロット行われています。
理想は、自社で実施できること。ただし、ハンディ型のNIRは500万円もする・・・。
原料事業も、参入障壁が上がっている!
今後、他の原料も、必要になってくる可能性も高いので、外注先を探して、管理用の試験を行っていくことも検討していこうと思います。
一方、現段階では、NIRの分析機器を持っていそうなのは、日本食品分析センターくらいです。日本は、こうった分析面でまだまだ遅れているようです。まぁ、安い中古のFT-IRを購入して、基礎データを自分で取っていった方が良いのかなぁとも考えちゃいます。
3年前、某大手受託加工会社さんに対して、同一性試験の検討用データとしてNIRのデータを提供しましたが、この会社さんは、IRを選択されました。
確かに、日本の場合、それが正解かもしれないです・・・。
最期は、ダラダラになっちゃいまいたが、是非、参考にしていただければと思います。
ぶっちゃけ、半分くらいの既存の機能性表示食品は、対応できないのでは?と思ってしまう内容です。
かなり、レベルの高いものが求められています。
実際、海外の機能性表示食品は論外で、トクホより厳しいんでは?思っちゃうくらいです。
そして、消費者庁の8月22日の調査結果を、この定性分析や基原の確認の部分も含みながら、Fidesさんがわかりやすく紹介されていました。
ネットショップ CS情報局
4年目に入った機能性表示食品制度品質管理の課題とは(2)。届出後の分析実施状況(アンケート調査編)
基原の確認を行うため、定性分析を行うのだが、実際問題、原料は、以下の2つのどちらかに区分されるだろう。
毎回の確認できるもの
毎回の分析が困難なもの
前者のものは、HPLCによる定量分析が良い例で、定量分析と同時に定性分析(基原の確認)ができるケースなどが代表例だと思います。
例えば、基原の確認にポリフェノールのパターンを用いるケースや、分子量の幅を用いているケースなどです。
後者は、遺伝子解析や特殊なHPLCなど特殊な分析で定性分析が行われているケースです。
原料を毎ロット管理することは難しいでしょう。
まして、原料納入の段階でのOEM会社による毎回確認は、前者であっても、かなり難しいだろう。ただし、東洋新薬さんの葛花抽出物のようなOEM会社の自社原料であれば、話は別だが・・・。
なので、原料メーカーが、毎ロット行えるのが良いのだろう。
それはそれで大変。国内製造している原料メーカーは容易でも、今までの輸入原料商社(一部を除く)では対応しきれないでしょう。
ぶっちゃけ、性悪説の観点で、基準設定されているような感じがします・・・
完全に認可制であり、メーカーの自己責任の部分は、どこにあるのだろう?と思ってしまう。
一方、cGMPの基準には、原料受け入れの際の同一性試験(同一性確認)というものも含まれています。
私の個人的な見解だが、基原の確認・保証より、この同一性試験を組み込むべきだったと思う・・・。
海外の状況を見ると、IR(赤外)やNIR(近赤外)を用いた管理が行われているケースが多いです。特定波長の光を当てて、波長毎の反射や吸収をスペクトルとして見る機器。例えばアミノ酸なんて、見ても判別が付かないです。ラベルの貼り間違えによる納入ミスがあっても、判別できんことがほとんどだと思います。こういった機器を使えば、チェックが可能です。そういった意味で、OEM会社にも、受け入れ時の同一性試験が求められるのです。
まぁ、今の流れを見ていると、近い将来、機能性表示食品制度や既存のGMPにも原料受け入れの際の同一性試験というものが加わってくるかもしれません。
実際、日本食品分センターでは、以下のような紹介もされています。
近赤外分光法による品質管理(2014年8月)
私は、大学時代、近赤外を用いて、海洋プラスチックごみの分析を行っていたので、近赤外の便利さは理解しています。瞬時に、スペクトルが計測できます。ハンディ型だと、ラボに検体を持っていく必要もなく、倉庫内での確認も容易です。
実際問題、厳密に基原確認を原料毎に行っていく場合、IR(赤外)やNIR(近赤外)を組み合わせていくことも一手だろうと考えています。
定性分析され基原が確認された検体を標準品とし、IRやNIRで標準品との同一性の担保を行っていければ、容易に基原の確認が原料ロット毎で行うことができると思います。まぁ、モノを選びますが。
いずれにしても、品質保証にも、お金がかかる時代になってきました。
弊社は、赤ワインエキス末がcGMPの基準に対応しており、NIRの分析が毎ロット行われています。
理想は、自社で実施できること。ただし、ハンディ型のNIRは500万円もする・・・。
原料事業も、参入障壁が上がっている!
今後、他の原料も、必要になってくる可能性も高いので、外注先を探して、管理用の試験を行っていくことも検討していこうと思います。
一方、現段階では、NIRの分析機器を持っていそうなのは、日本食品分析センターくらいです。日本は、こうった分析面でまだまだ遅れているようです。まぁ、安い中古のFT-IRを購入して、基礎データを自分で取っていった方が良いのかなぁとも考えちゃいます。
3年前、某大手受託加工会社さんに対して、同一性試験の検討用データとしてNIRのデータを提供しましたが、この会社さんは、IRを選択されました。
確かに、日本の場合、それが正解かもしれないです・・・。
最期は、ダラダラになっちゃいまいたが、是非、参考にしていただければと思います。