食品表示法の改正後、原材料表示に関しては、原則、複合原材料は、分割表示が推奨されるようになってきています。
弊社でも、健康食品業界の複合原材料の代表であるキャリアを含んだエキス末(抽出物)は、キャリア(デキストリンなど)とエキス部分を分けて表示することとしております。

●●●エキス末(デキストリン、●●●抽出物)
 ↓
デキストリン、●●●抽出物

ちなみに、分割表示することで、配合量が少なく見える素材も出てきます。乳酸菌の原料などは、9割以上がキャリアです。

そこで、表示作成の現場で起こる問題/疑問。
外枠に、配合した原材料製品の量を表記しようとした場合、分割表示されたエキス部分の量を表記すべきなのか? という疑問が生じます。
(乳酸菌などは、個数で外枠表示できるので、問題は生じない。)

基本、摂取目安量は、原材料製品の量で設定されています。キャリアも含んでいます。
配合量を強調表記したい場合、当然、原材料製品の配合量:エキス末量で表記したいはずです。一方、その原材料製品のエキス末量≠表示上の抽出物部分の量という矛盾が生じます。
だからと言って、分割表示された抽出物部分の量を表記するのも間違えのような気がします。

その場合、原材料に製品名があれば、商標が取れていなくても、【原材料製品名】(●●●エキス末):XXmgと表記するのが好ましいだろう。まぁ、●●●エキス末(【原材料製品名】)でも良いだろう。

アメリカの商品などは、エキス末名より原材料製品名で表示され、同時に機能性関与成分の名前と含有量が表示されていることが多い。
例えば、弊社原料のヤマイモ抽出物の場合、以下のように記載されるだろう。

DioPower®15: 167mg
 Diosgenin: 25mg


キャリアが含まれてても同じように表示されます。
こういったエキス末の表記の場合、日本でもアメリカンのように必ず機能性関与成分量を書くのが最も好ましいのだが、いろいろと問題もある。
現在、機能性関与成分量を表示が義務付けられているのは、機能性表示食品だけである。

強調表示するべき機能性関与成分は、必ず成分量を書くべきだと思います。

大事なのは、嘘偽りがなく、如何に消費者の誤解を招かない表示にするかだと思います。

弊社、特に私は、強調表示する成分や素材の量を表示しても問題ないような設計を心がけます。数のクリエイティブではなく、量のクリエイティブが謳える素材を選定するからです。
その方が顧客満足度も高いだろうし、先々生き残っていけると考えています

今後、景品表示法や健康増進法がどう変化していくかはわかりません。優良誤認という非常に便利な言葉あるので、良いに拡大解釈して規制することも可能です。
その規制対象にならないよう、少しでも正しい表示を心がけていきましょう!