最近、問い合わせが多い質問です。

Q. 天然型葉酸ってかける葉酸サプリは作れますか?

答えは、作れません。

近年、行政は、天然という表現にとても敏感で、天然という表現は指導されやすいワードの1つになっています。
天然という表現は、少しでも人の手が加わっていたら言えなくなります。天然の条件は、人の手が加わっていないことです。
まぁ、生鮮食品などに限られた表現だったりします。
したがって、天然型という表現は、サプリで標榜することができないという行政からの指導を受けています。スムージーでは、天然志向を標榜したりもしますが、基本、弊社では推奨しておりません。

ただし、レモン果皮由来の葉酸などは、植物性葉酸という表現を行うことは全く問題がありません。

よく行政から聞かれるのは、葉酸の構造です。モノグルタミン酸型?ポリグルタミン酸型?です。
合成のモノグルタミン酸型葉酸であれば、天然どころか自然派なども標榜できなくなります。モノグルタミン酸型の葉酸にも関わらず天然型葉酸と謳う会社さんがいらっしゃるので、その会社さんを意識して行政の担当官さんが疑ってコメントされてきます。
酵母葉酸のように、合成のモノグルタミン酸型葉酸を酵母内に取り込ませたものは、当然ながらモノグルタミン酸型なので合成の葉酸と同じ扱いになります。

行政が敏感になるのは、その両者の葉酸の吸収(利用能)が異なるからです。
植物性の葉酸は、吸収が穏やかで、合成の葉酸の半分しか利用されません。植物性の葉酸だと誤認して、合成の葉酸を摂取すると、上限の1000µgを超えてしまい、過剰摂取のリスクが高まります。近年は、過剰摂取による小児喘息のリスクアップに配慮され、海外では基準変更(600µgDFE)もなされています。
>>詳しくは 最新の妊婦の葉酸摂取基準と食事性葉酸塩当量(DFE)
本来であれば、日本もDFE(食事性葉酸塩換算)で表記すべきなんですよね・・・女性の行政担当者も、海外の動向を知って、同様のコメントをされていました。
まぁ、次の栄養摂取の基準が変わる際、DFEが導入される可能性も高いでしょう。

現在、栄養成分の表示では、DFEでの表示はダメと消費者庁の担当官さんに言われておりますので、残念ながら(特に栄養機能食品で)矛盾を含んだまま、モノグルタミン酸型もポリグルタミン酸型も一色単に表示されてしまいます。
一方、その矛盾を解消しないまま表示を行うことは、良くないことなので、弊社では、行政に相談しながら、適切に表示するようにしております。
まぁ、日本の表示基準が変わるまで待つしかないです・・・。

弊社は、レモン果皮由来の葉酸も取り扱っていますが、基本、合成の葉酸も使用することも少なくありません。大事なのは、誤認されないように正しく表示することだと思います。また、消費者の志向性の問題であり、合成が悪いとは思いません。
何れにしても、赤ちゃんが絡む大事なサプリでもあるので、是非、厳しすぎるくらい適正な表現になされるべきだと思います。