最近、今更ながら、タイトル:空手の基本って何?と思うようになった。

和道流や松濤館流では、その場稽古や移動稽古を行う。

各道場毎の基本稽古が存在する。
ちなみに、和道流と松濤館流でも、基本稽古に違いがある。基本、和道流は、引手のある基本稽古などがあり、組手基本の要素が強い。松濤館流は、組手の要素は薄い。

これは、近代空手の成り立ちが原因しており、和道流は空手に無かった自由組手を生み、松濤館流は、途中まで否定していた。

近年、こういった基礎稽古を行わない道場/教室や学校が増えてきた。特に、高体連は、積極的には推進していない。

そもそも、基本稽古って、綺麗な立ち方を身に付けたり、力強さを養ったりするために行われます。

一方、それらは、必ずしも、古くから行われている基本稽古でなければ身に付かない訳ではない。
ステップトレーニングやサーキットトレーニングなどで下半身の力強さを身に付けることができるだろうし、しっかりと形の練習を行えば綺麗な立ち方を身に付けることができる。

極論、基本稽古を行う理由は、

身体操作力

を身に付けることが一番の目的だと思う。

なので、必ずしも昔から行われているような移動稽古である必要はないと思う。特に、競技空手(そのルール)も変化しており、求められる身体操作の要素も変化してきている。

そのため、過去と現代では、選手の体つきが異なっている。現代では、世界戦は体重別だし、他の格闘技の要素も組み込まれ、足技の重要度も増しているからだろう。

ぶっちゃけ、従来の移動稽古は、組手競技では必要なくなっている。
一部の高校では、すでに行われていない。

実際、私の組手の指導でも、ステップトレーニング(フットワークや突き蹴りを入れたもの)やゴミチューブトレーニングが中心であり、来年は、もっとステップトレーニングを強化するつもりでいる。
少しづつブラッシュアップ予定。
現時点で、全22種類ある。
月曜日は、トライアルとして13種類を行った。

こういった稽古の方が子供達は楽しめて飽きない。
また、体力もつけやすいというメリットもある。やり方次第では、空手の成績も残しやすいだろう。

中学校の武道の空手でも、指導要領で反復稽古はなるべくさけるように指導されており、道場などの稽古でも、バリエーションに富んだメニューにする必要があるのだろう。

時代の変化と共に、基本に対する考え方も、変えていかなければならないんだろうなぁ。

私の基本稽古も、来年以降、工夫を加え、もう少しバリエーションに富んだものに変化させていこうと思う。


P.S.
ステップトレーニングの最新プログラムでは、サイドステップから始まり、ステップを入れた組手の移動稽古に変化し、蹴りの基礎トレーニングで終わるようになっている。
これを20分くらい、実践稽古の前に行おうと考えている。
少しづつ体力が追い付いてくるだろうから、徐々にフルバージョンに近づけるつもりです。

ちなみに、私は、過去、縁あって日本空手協会の緒方先生と国分先生にも指導を受けたことがあるが、基本の塊のような方々で、その場稽古を重要視されていたことを記憶している。武道として大人向けの空手です。

また、和道会で技術委員会委員長を歴任された高木秀穂先生(偶成会)の道場にも通わせていただいた経験もある。先生からは、特別メニューの四方突きを徹底して行うように指導され、脱力しろ!とばかり言われていたなぁ・・・。かけがえのない経験でしかなかった。

それはそれで、決して間違えではなく、正解でもある。
近代的なトレーニングだけが正解な訳でもないのだろう。