健康食品サプリメント市場の理想像・未来像 by 博士マーケッター

勝ち残る健康食品サプリメントをテーマに受託製造加工・原料供給を行う栗山雄司のブログ。原料クリエイティブからの商品設計ノウハウ、最新研究データ、機能性表示食品、食品表示法・薬機法・景品表示法の話など

健康食品サプリメントを利用して介護のない幸せ笑顔あふれる世の中を作ることがです。そのためには、アンチエイジングをベースとしたセルフメディケーション;予防が不可欠です。
本ブログでは、その理想像を追い求めながら、市場の未来を予測しつつ、勝ち残っていける商品作りを追求し続けています。

マーケット情報や学術情報を集約しながら、会社のフォーミュレーターとして、日々、健康食品サプリメントを作ってます。
近年は、機能性表示食品にも力を入れております。

仕事のご依頼がございまいたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

原料メーカーに求められるもの

亜鉛含有酵母のX線分析による残留粗原料チェック

実は、先々月より、新しいメーカーの亜鉛含有酵母を輸入し始めました。
主に、自社のOEMに使用するため。

この亜鉛って、滋養強壮だけでなく、美容商材の体感素材に利用できたり、育毛サプリの主剤の1つにも利用できたりするので、とても便利な素材なんです。

黒点の問題で、いろいろ既存顧客から相談も受けていたので、外販しても良いかなぁと考えています。

黒点が生じるのは、洗いが不十分だからだと考えています。
洗いが甘いと、糖質が残ります。
その糖質の量が多いと、焦げ付きを生じやすく、黒点を作ってしまうのです。
そして、その黒点がソフトカプセルなどで問題になります。

まぁ、どうしても、亜鉛含有量を保ちながら粉末化しようとすると、洗いが甘くなります。
製法によっては、洗い過ぎると、亜鉛が減っちゃいますからね。

この亜鉛酵母は、今まで見た亜鉛酵母の中で最も品質が良いです。

何と言っても、培養時の1回しか亜鉛源が投入されていない!
意外に画期的。
それでかつ、結晶物が検出されない!

zincyeast

結晶物が含まれない場合は、こんな感じにブロードなピークが示される。
含まれると、シャープなピークが示され、データベースと照らし合わせると、どんな成分なのかが定性できる。

粗悪な原料だとX線分析で指定外添加物の酸化亜鉛などが残留粗原料/残留結晶物として検出されてしまう。
未だ、こういった原料が流通する。
理由は、添加物をブレンドしているだけの粗悪な亜鉛酵母の原価が培養時に添加している原料に比べて1/4程度だから。
亜鉛源も、残留しにくい硫酸亜鉛より残留する酸化亜鉛の方が安いからという理由で選択されていることが多い。
業界の闇の部分。
そりゃ、儲かるもん。

この条件で10%の亜鉛酵母を製造するのは、なかなか困難だったのだが、このメーカーは、それを可能にしています。
中国で作っていること以外、マイナスポイントはない。
まぁ、当然、先述の粗悪な亜鉛酵母に比べると、割高ですが・・・。
今や、食品加工の技術力という面では、中国の方が高いケースが多いです。その代表例。

やはり、植物検疫では、中国製造品なので、結構、細かくチェックが入りました。

酷い話、残留結晶物の品質管理方法に対して、分析方法を解説させられました。
分析機器の条件の説明や原理など。
通関とは、関係ないじゃん・・・。

ちなみに、東京検疫所に事前相談した際も、分析方法概要の解説を依頼されました。
私の論文が残っていたのもあり、丁重にお願いされました。
一方、通関時は、命令だたので、気分良くなかったです・・・。まぁ、東京と横浜で連携がとれてないのは仕方ないことなのだろうが・・・。

昔と違って、適当な分析方法で検証されているか? などという点までチェックされます。
良いことなのだが、面倒です・・・。

例えば、試験成績書上の分析条件では、ターゲット:銅 とされていて、亜鉛を測るのにどうして銅なのか?という質問を受けました。

このターゲット(ターゲット金属)と言うのは、X線分析の場合、X線管球の素材を指します。
通常、原子番号の高い金属が望まれるため、主に銅が用いられています。
X線分析を知っていれば常識であり、ちょっと調べればわかることでもあります。

まぁ、こういったチェックが植物検疫でも指導されるようになり、粗悪原料が減るならば、業界にとって、良いことだと思います。
こういった原料は、問題になる前に、通関時に止められた方が良いです。
その方が業界のため。

ちなみに、5kgの梱包形態を崩すつもりはないです。
今、1kgに小分けすると、送料負担が大きくなってきているので、原料価格、人件費やコンタミリスクなどを考えると、得策ではないです。
基本、販売先は、大手さんもしくは受託加工会社さんになるだろう。汎用原料になっていることが多い原料でもあるので、5kgくらいすぐ使ってしまえるだろう。

何れにしても、品質を大切にする顧客に活用していただければと思っております。
まぁ、ニーズはあるだろう。

原料事業の海外展開で成功するために

今月は、ずっと原料事業の海外展開の手配に追われています。
米国・台湾・中国と、一か国ではないです。

加えて、OEMの問い合わせが多い一週間で、人脈案件だけでも2件も案件が舞い込みました。
仕事が追い付かない・・・。

でも、10月にラスベガスで大きな展示会(Supply Side West 2019)があるので、原料に対する対応も待ってくれない状況です。
しんどい・・・。

海外展開する場合、原料メーカーは、日本で求められないようなものも求められます。
例えば、以下のような認証です。

GMP認証
GRAS認証
Kosher認証
Halal認証


日本では、原料のGMP工場って、意外に少ないです。
理由は、顧客があまり求めないから。
一方、米国のcGMPの製造管理では、原料にもGMPが求められます。

GRASとは、Generally Recognized As Safe の略で、アメリカ食品医薬品局(FDA)より食品添加物に与えられる安全基準合格証を指します。

米国の原料ビジネスにおいて、GRASは必須ではないのですが、あった方が大きく展開できる可能性が広がります。

Kosher認証はユダヤ教、Halal認証はイスラム教に関する認証です。
アメリカは、意外にKosherが求められます。

私は、パートナー会社と共に、こういった認証への対応をコツコツと行っています。

ぶっちゃけ、原料事業は、少しでも広いマーケットで勝負した方が研究開発費効率が高くなります。
そうなると、市場における競争力も高くなってきます。

グローバルな機能性食品素材が強い理由 です。

何だかんだ言って、米国の健康食品サプリメント市場は日本の5倍です。
中国は10倍。

原料事業で成功するには、攻略が必須の市場です。

一方、広く流通すると、すぐに模倣品も出てきます。
その対策も重要になってきます。

良い例がナットウキナーゼ。
今や、世界中に中国製のナットウキナーゼが溢れています。

そして、見本とすべき原料は、アミノアップ化学さんの原料。
模倣原料が作られない。
私は、ずっと見本にしている。

世界で勝っていくためには、グローバル社会で勝っていける技術力が必須なんだろう。

抽出物原料なら、ただ抽出されるだけではダメであり、分子量で分画したり、発酵させたり、糖鎖を切ったり、いろいろな技術が求められます。
当然、有効性のエビデンスも。

ぶっちゃけ、今、製造設備は、中国の方が優れています。
日本の技術を用いつつ、中国で委託生産するのも一手です。まぁ、原産国表示のことを加味すると、最終工程は日本で行うのが理想です。

もうボチボチ、次の新規原料を模索していかなければならないのだが、どんな技術を組み込んでいくかが悩みどころです。
日々、進化していかねば!
ファイト!

なぜ?日本では常時在庫・即納が求められるか?

基本、日本の健康食品・サプリメントの原料事業では、常時在庫と即納が求められます。
海外では、そこまでうるさく求められることはありません。

量にもよりますが、納期が3~4週間と回答した瞬間、多くの受託加工会社さんは、積極的に原料採用しにくくなります。
弊社も、供給が安定しなければ、採用しません。
だから、弊社社員には、採用する前に常時在庫量とリードタイムを必ず聞くようにさせています。

まぁ、そういった理由で、海外メーカーが日本に進出して来にくく、日本では輸入商社という存在が成り立つ訳です。
日本の輸入商社は、ストックマネージメントが最も重要な役割です。

さて、なぜ、そこまでうるさく求められるのでしょう?

それは、製造ラインの確保のプロセスに理由があります。

多くの工場では、原料のリードタイムが各社でバラバラのため、原料が全て納入された段階もしくは全ての原料納入日が確定した段階で、製剤加工や包装のライン取りを行っているからです。

ちなみに、前者の方式の工場の方が即納を求めやすく、後者は製造ラインが先まで埋まっていることが多い大きい工場さんで多い方式です。

当然、前者の方式の会社さんの場合、顧客から即納条件で納期を詰められれば、とにかく、一番最初に原料を集めることが重要になってくるのです。

なので、原料メーカーは、常時在庫を持って、即納ができるかが重要になってくるのです。

また、海外に比べ、年間の商品製造回数が多いという背景もあるでしょう。
海外では、1回の製造量も多く、年間1回・2回の製造が多いです。
どちらかと言うと、たくさん作って製造コストの圧縮(ボリュームディスカウント)を図ろうとするのが米国スタイルだと思います。

日本の国土が狭くて倉庫料が高いことや市場の大きさなども影響しているのでしょうね・・・。

日本では、賞味期限の半分ルールなどが存在する業界も存在します。半分切ったら返品・・・。
一度に多くの商品を作りにくい背景もあるのでしょうね。

弊社では、こういった原料事業の商習慣も理解した上で、原料供給を行っています。
基本、2~3営業日のリードタイム。
なので、例えば、まめ鉄のように、できなければ原料供給しないという選択肢を選ぶこともあります。その対応の方が誠実だと考えています。

顧客に迷惑をかける可能性があるのなら、無理しません!

弊社などは、長年の即納できる信頼で原料事業が成り立っている現状もあります。

まぁ、午後に発注して翌日の午前に納入を度々してする会社は、生産管理ができていないしわ寄せだったり、余裕があるのに無理言っているケースなので、当然、お断りしますが・・・稀に緊急事態でお願いされる場合は、きちんと対応しております。

良い商習慣だとは思いませんが、基本、日本は販売会社の立場が強いです。
コンビニ業界の某社ように、納品が遅れたら、機会損失も含めた多額なペナルティーを要求するような業界ではないので、まだまだ良い業界です。

今後も、顧客から評価される会社であり続けるよう努力していきたいと思います。
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博士(水産学) 45歳 富山県滑川市出身  (株)アンチエイジング・プロ COO 現 東京海洋大学卒 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

営業は天職、通販化粧品会社や広告代理店での所属経験がある異色のコンサルタント。
博士論文は海洋プラスチックごみがテーマ。
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