本当は「原料メーカーの勝ちモデル」というタイトルで、記事投稿しようと思たのですが、今回は、最近のWeb広告の動向と商品開発について、解説してみたいと思います。
この順序の方が、市場動向を理解しやすいです。

まず、近年、ECでかなり幅を利かせていた広告は、ニュースアプリです。
今や、利用者の数は、とんでもない数ですからね。
この動向をウォッチするだけでも、いろいろなことが見えてきます。

例えば、先月あたりから、そのニュースアプリで広告される商品に変化が表れています。

健康食品が極端に減った
機能性表示食品が増えた
大手さんの商品が増えた


機能性表示食品は、原料受託バンクでも原材料ランキング10位以内に入っているブラックジンジャーが目立ちます。
機能性表示食品は、地上波の考査にも通るので、短尺の地上波テレビCMとクロスメディアとしてWeb広告も使いやすいという理由もあるだろう。



機能性表示食品でないものは、大手さんのサプリメントが目立ちます。
例えば、協和発酵さんのシトルリンなど。
攻めているけど、黒くはない量のクリエイティブ。

まぁ、機能性表示食品でも、真っ黒な販売が行われているが、おそらく、広告考査の基準が変わった可能性があると思います。
やっぱり、過去にも紹介したグノシーでの問題もあったので、メディアとして、何でもOKとはいかなくなってきているんだと予測されます。
少なからず、メディアも、広告に対して責任が問われるようになってきているのだろう。
当然と言えば、当然の流れ。



もしかすると、真っ黒広告では、広告費用対効果が合わないという状況が生じている可能性もある。
消費者庁の規制が厳しくなっているので、ハイリスクローリターンな販売モデルになっている可能性もあります。

両方が理由かな・・・。

また、どんな商品でも出品できるAmazonでの販売の方も、変化が表れ始めています。

激戦過ぎて儲からない

参入障壁が低く、クリエティブで差が付けにくい販路だと、必然的に、こうなってしまいます。
ドラックストアの商品と同じです。

実は、広告費をかけないと、売れなくもなってきてもいるので、広告費がペイできなくなってきています。
ワンペイスタイルだったAmazonも、リピートやLTVで儲けていく時代へと変化してきているのでしょう。

参入障壁は低くても、利益を出すためのハードルは上がっているのでしょう。

そのうち、原価率を50%前後のドラックストアの商品が勝ち上がってくるのかな・・・と思っています。

加えて、今、新型コロナウイルスの影響で、健康食品サプリメントの市場が一時的に萎んでいるのも一因でしょう。

あと、商品カテゴリー的に見ると・・・
化粧品と同様、美容などQOL向上の商品が落ち、悩み(痛みやコンプレックスなど)の緩和系商材の方が売上を維持しているように感じます。
美容系商材を購入していた人達は、コスパの高いベースサプリメントへとシフトしている傾向あります。
実は、今注目のNMNは、タイミングが悪い・・・。
中国案件でも、ベースサプリの依頼が来るので、そういった市場動向は日本に限らないのだろう。

よくわからないのは、ベタな滋養強壮系商品がよく売れていること。
マカ・ワイルドヤム(山芋)・牡蠣・シトルリンに必ず亜鉛酵母が入る。
レスベラトロールが配合されるケースも増えてきている。
不思議なものです。

こういったことが原料の販売動向でもよく見えてきます。また、2月以降に商品を上市してリピート注文が来ている商品の動向からもよく見えてきます。
今後、こういった市場動向を加味して商品開発を行う必要がありそうです。
いろいろな情報に惑わされてはいけないです。

ちなみに、どこのOEM会社さんも、販売状況などから市場分析を行うマーケッターが必要な時代になりつつあるなぁ。
そうしなければ、的確な商品提案は行て行けないだろう。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。