今回は、生産性についての記事です。2回にわたって記事を投稿いたします。
まずは、健康食品サプリメントの話の前に、食品業界の生産性から。

なお、生産性とは、生産力とは異なります。
ここでの生産性は労働生産性です。
労働に対する成果/労働投入量(従業員数or時間あたりの労働量)

残念ながら、日本は、先進国で最下位とされています。


海外と取引していると、日本は働き過ぎの割に儲かっていないなぁと感じることが多々あります。やっぱり、日本人は働き過ぎ。
海外は労働時間が制限されているけど、しっかり儲けている。

労働時間を制限されないと、日本のように、安易に生産性を労働時間で確保しようと誤った選択をしてしまうのかもしれない。

生産性を下げる要因はいくつも存在しますが、何が一番生産性を落としているのでしょう?
食品業界だけに言えることではないですが、要因には以下のようなものがあると思います。

× 過度な値下げ合戦
× 非効率な業務システム
× 過剰な雇用
× 非国際化


そもそも、食品と業種そのものが、値下げ合戦が起こりやすい業種だと思います。
理由は、衣食住と、人間が生きていく上で必要な産業であり、味とコスト以外での差別化が行いにくい特徴があるためだと思います。

食品は食品でも、外食産業、特に牛丼チェーンを見ていたら、わからないでしょうか?
先進国のどこの国に行っても、こんなに安く食事できるような国はないです。一度、価格破壊すると、なかなか価格は上げれないし・・・。

物が溢れる世の中。
食も、飽食の時代です。
市場が

特に、そういった傾向は、大量生産品で強いです。

そういった背景もあり、コスト競争に勝つためなどの理由で、製造設備に多額の投資を行う会社も少なくありません。
製造ラインを埋めなければならないため、給与の割に営業ノルマがキツかったり、価格勝負をしてしまって収益性の低い仕事に手を出してしまう可能性があります。
収益性が低いだけなら良いのですが、某コンビニへの供給のように、非常に厳しいペナルティーがあったりして、ハイリスクな仕事なケースもあります。

こういったケースは、技術力や特許などより、製造設備やマンパワーありきの経営がなされている会社ほど顕著です。海外進出もしておらず、国内だけの事業展開をされている会社であることも多いです。地方の企業に多いケースです。

忙しいのに儲かっていない

という非常に生産性の低い事業が行われているケースが多々あります。
そして、そういった企業ほど、業務システムがアナログで非効率だったりします。例えば、コスト計算が手計算だったり・・・。
同じ作業が繰り返し行われていてば、そこにメスをいれなければなりません。

その他、情報のデータベース化が行われていなかったり、未だ見積書発行がFAXや郵送だったり・・・。
さらに、すでにチャットで仕事する時代なのに、個々人にメールアドレスさえ支給されていないなど・・・。

実は、IT技術は、地方格差などのような企業における格差ももたらしたりもしています。
競争に勝ちたければ、新しいシステムを導入しなければならない。
改善改善の姿勢が大事です。

また、国内に留まらず、国際競争力をつけるため、積極的に海外進出していくべきでしょう。
市場は、日本だけではありません。
実は、海外進出の有無で、生産性にも大きく差が出てくると考えています。特に、弊社が取り扱うような機能性食品原料などは。

さらに、近年は、深刻な人手不足&人件費高騰です。外国人労働者も集まりにくくなっているようです。
儲からない仕事なのに、人手が足りていないと、地獄モードです。
ますます生産性が下がります。

ちなみに、こんなサイト(年収リサーチ)が存在します。食品業界の大手企業は、軒並み年収が低い。


サントリーや非上場企業のモンスターは別枠。キリンや味の素は、製薬部門もあるから、純な食品会社とは言えないだろう。

実は、通販業界も、年収が低い
新規顧客を獲得するため、収益が広告費へと投資し続けないといけないから。
まぁ、社長さん1人だけで10億越えという労働生産性が超高い会社さんもそんざいしますが・・・。

健康食品サプリメント業界のAFC-HDアムスライフサイエンスさんは・・・。しんどいなぁ・・・上場企業やでぇ・・・。ここは、通販会社もグループに持つから仕方ないのか・・・。

給与が低いと、優秀な人材も集まりにくい。
優秀な人材が集まらなければ、革新的なことも起こせないだろう。結局、価格での勝負になってしまう。
また、社員が給与に満足していないと、人材の流動性で売り上げは落ちてしまいます。
悪循環です。

まぁ、何れにしても、日本の生産性が低いのは、日本の古い企業風土にも原因がありそうです。
時代は、ワークシェアしたり、テレワークしたり、働き方も変わっています。
生産性を高める施策の1つとして、離職率を減らすと紹介もされていたりもします。離職率は、売上だけでなく、生産性にも影響しそうです。


確かに、頻繁に求人を行うだけでも労力がかかりますし、人って、最初から結果を出したり戦力になったりする訳ではないですからね・・・。

前編はここまで
後編に続く・・・

後編は、健康食品サプリメント業界の生産性へ

【追記】191220 9時
ちょっとだけコメント。
今回は、給与の問題にも触れたが、この部分は、非常に難しい。
工場を持ってハードで勝負しているような会社は、会社の成果と個人の成果の境目が見えにくい。過去、そういった不一致から転職や独立して、大失敗している人達を多数見てきました。
この健康食品サプリメント業界なんて、転職時に仕事毎持って来させようとする経営者も少なくないから、転職した先で持っていった仕事だけ取られてポイ捨てされるケースもあるようだ。

また、ここ最近話していますが、成長期の時に案件を獲得した営業マンは評価されやすいが、成熟期に入ってきた営業マンは評価されにくい。本当に強いのは、成熟期でも仕事を引っ張って来れる営業マン。ダメな営業マンは、それなりに理由がある。数字だけで評価してはダメな部分もある。

さらに、地方と首都圏の所得格差もある。
数年前、私に某受託会社(社員の流動性が激しい会社)の東京所長の役職でヘッドハンティングの話が来たが、上記の点を強く感じました。
まぁ、オファーする相手を見てヘッドハンティング会社にオファーさせないと、情報や内情が洩れるだけで、良くないなぁとも思った。

まぁ、すべては経営者の采配次第なのだろう・・・。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。