昨年より研究開発の顧問も行い始めた関係上、特許に携わる機会が増えました。当然、弁理士さんとの打ち合わせも増えているので、特許に関する知識は、年々レベルが上がっています♪

今回は、特許戦略の基本について、ご紹介です。

まず、金曜日、赤ワインエキス末の特許取得について、お知らせさせていただきましたが・・・
なぜ? 弊社は、すぐに告知しなかったのでしょうか?



それには、理由があります。
特許を知っている方であれば、極当たり前のことです。

異議申し立てが可能だから です。

基本、この申し立てが可能な6か月間を経過してから告知すべきなのです。

極論を言うと、特許で裁判になった時、ひっくり返せる根拠やデータがあれば、この期間も関係ないんですけどね・・・でも、やっぱり、異議申し立てされてなければ、ひっくり返る可能性も低くなりますので、6ヶ月経過したら告知すべきなのです。

まぁ、告知しない という戦略もあります。
それは、主に大手さんの戦略です。
中小企業は、取得から6ヶ月経過したら、告知した方が良いと思います。

あと、特願*****と出願中の特許を告知される会社さんも存在しますが、牽制にはなるかもしれませんが、注目される分、取得した際に異議申し立てが行われやすくなります。
注意が必要です。

まぁ、すぐ告知しても良い特許というものも存在します。

異議申し立てされても覆せない自信がある特許
牽制目的だけの特許


実は、金曜日に告知した特許は前者にも該当したのですが、安全を見ての対応でした。
まぁ、ちょうどもう一本、再申請してほぼ取得できそうな特許もあるのですが、こちらは後者の特許なので、すぐに告知するかもしれません。
大々的に告知しなくても、地味に告知する方法もありますからね。
こちらに関しては、取得してから考えようかなぁと思っています

ちなみに、牽制目的だけの特許の中には、出願だけして査定を受けないというものも存在します。
査定に価格費用も無駄だと判断される場合です。意外に、大手さんの特許に多いです。

何れにしても、年々、特許戦略は重要度が増しています!

2016年に食品でも用途特許が取れるようになったことで、健康食品・サプリメントの特許戦略も重要度が一気に増しています。


やっぱり、中小企業は、特許の守りが無ければ、なかなか成長できません。特に、原料メーカー。価格だけの争いになっちゃう。
良くある話で、特許戦略を担っていた優秀な社員が転職することで、一気に会社が衰退するということもあります。
特許は、すぐにお金になるとは限らないので、評価もされにくいという背景もあります。日本の企業は、比較的評価しない?できない?
でも、特許取得は、評価もきちんと行い、積極的に行われる環境を整えるべきなのです。

今一度、みなさまも、特許戦略を見直されては如何でしょうか?

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。