今回は、禁止物質が検出されたDSNサプリメント「アイアンSP」について、私の意見を述べさせていただきたいと思います。



検出されたのは、「DHEA」「5(6)-androstane-3b,17b-diol」「5-androstane-3b, 17a-diol」の3成分。何れも、ホルモン系。

さて、ドームさん(DNSのメーカー)は「当該商品の製造されたラインに残存していた禁止物質が混入した可能性があり、原因究明を進めております」とコメントしておりますが、私自身、残存の可能性は非常に低いのでは?と考えております。
今となっては、なかなか検証できないですが・・・。

私は、この商品の以下の原材料表記を見て、何となく犯人が想定できています。

コエンザイム Q10、銅含有酵母/ヘム鉄(豚肉由来)ゼラチン、ビタミンC、 セルロース、ステアリン酸Ca、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸

私が怪しんでいる犯人は、ヘム鉄(豚肉由来)もしくはゼラチン
動物素材から抽出・精製された原材料。

特に、ヘム鉄は、豚の血液から抽出されている訳ですから、どんなに精製しても、ホルモン系の成分が残存してしまう可能性は取り除きにくいだろう。
ロット間でチェックしていても、しっかり毎ロットチェックしていても。

理由は、分析の検出限界の低さです。

アンチドーピングの試験における検出限界はppbレベル!
とんでもなく低い。
原料でホルモンのスクリーニング検査を毎ロット実施していて検出されないことが確認されていても、アンチドーピングの試験では検出されてしまう可能性があります。

だからと言って、このレベルでの毎ロット試験は、なかなかできないだろう。加えて、どんなに均一に製造しても多少のバラつきが生じるため、同一ロット内でも、検出されたりされなかったりする可能性もあるだろう。

もしくは、禁止成分は、検出されたけど、含まれていないだろう。構造や物性が非常に似た物質が検出されただけの可能性もあります。
(この検査は、植物エキスなどで実施すると、こんな成分が入っているはずないだろう!?と思う成分が検出されます。それくらい厳密な検査。)

これは、ゼラチンに対しても、同様なことが言えるだろう。まぁ、由来が皮なので、ヘム鉄ほど可能性は高くないだろうが。
だって、ヘム鉄の由来の豚の血液には、必ずDHEAなども含まれている。ppbレベルで完全に除去するのは難しいと思う。

実際問題、、過去にも記事で紹介しましたが、アンチドーピングの試験を受ける可能性がある商品は、ハーブ抽出物系の原料を配合してはいけない!



経験上、必ず何らかの検出される。
だから、ドーピング検査を受けているアスリートは、葛根湯なども利用できない。

植物は、微量かもしれませんが、外敵から身を守るために様々な成分を作っています。抽出・精製工程があれば、ドーピング成分として検出されやすくなります。

おそらく、動物性の原料であれば、プラセンタエキスも検出されるだろう。多分、エストラジオールなど女性ホルモン系。この検出限界のレベルは、牛乳やキャベツでも検出してしまうのでは?というくらいのレベルなのです。

仮に、原料由来であっても、原料メーカーは攻めれないと思う。
それくらいのレベルです。
また、このアンチドーピングの試験結果は、あくまでスクリーニング分析であり、厳密な確認分析までされておらず、本当に禁止成分が入っていると断定できないものです。

今回の件、ドームさんは、アスリートの健康を気遣って、鉄素材の中でも吸収が良くラジカルの影響が小さいヘム鉄を選択したのだろうが、それが返って仇になったのではないだろうか?

とてもアンラッキーな事件だと思う。

ドームさんは「ドーピング検査で陽性反応が出る可能性は極めて低い」とコメントされていますが、ほんと、そのレベルで分析しているのです。

今回は、サプリメントだったから大事になりましたが、ぶっちゃけ。一般食品を分析したら検出されてしまう商品も少なくないだろう。

ちなみに、こういった問題が生じると、鉄素材を取り扱う弊社としては、他人事ではない。
ヘム鉄の代替素材としてフェリチン鉄は有力な一方、いくら期限が大豆であっても、同様な問題が生じないとは言い切れない。
期待半分、怖さ半分。

みなさんも、アスリート系のサプリメントを作る場合は、十分に注意していただければと思います。