この度は、比較的アクセスが多い以下の記事について、事実を証明する報告/論文について解説してみます。
実は2種類あるプロテオグリカン原料
証明する論文は、以下の論文です。
Kakizaki I, Mineta T, Sasaki M, Tatara Y, Makino E, Kato Y. Biochemical and atomic force microscopic characterization of salmon nasal cartilage proteoglycan. Carbohydr Polym. 2014;103:538-49. Pubmed 外部サイト
プロテオグリカンを可視化した論文です。
プロテオグリカンの写真を紹介している。非常に、画期的な内容です。
この論文では、2種類のプロテオグリカンが存在することだけでなく、以下のことも示しています。
抽出方法によってプロテオグリカンが分解し短くなる
分析に用いるカラムによって示される分子量も変わってくる
この報告では、プロテオグリカンをグアニジン塩酸塩と酢酸で抽出し、抽出されたそれぞれのプロテオグリカンの分子量や写真を紹介している。
抽出されたプロテオグリカンのピークトップ分子量
グアニジン塩酸塩:1,850,000
酢酸4%:540,000
なぜ、グアニジン塩酸塩で抽出されるのか?
それは、変性させないで抽出ができるからです。プロテオグリカンの定量分析でも、抽出に用いられます。
一方、食品には用いることができないため、主にプロテオグリカンの抽出には、酢酸と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が用いられます。
論文では、2つのプロテオグリカンの形状の差が明確に写真で示されているんです。
でも、示されたこれらの分子量は、我々が取り扱うプロテオグリカンの分子量(120万Da)とも、一般流通している弘前のプロテオグリカンの分子量(45万Da)とも異なるのがわかるでしょうか?
理由は、分析に用いるカラムの違いにあります。
主に、排除限界分子量の違いです。
実は、プロテオグリカンは、分析中にカラム内で分解しているのです。検出器に届くまでに、分解しているのでしょう。グリコサミノグリカンの先っちょが切れたり、プロテオグリカン同士の架橋が切れたり。
時間の経過と共に、良いカラムが出てきたので、分析中にカラム内でプロテオグリカンを分解しないで検出が可能になってきているのだと考えています。
それが論文と我々の分子量との差として示されているのです。
検出されている分子量は異なりますが、同じものを測っていると考えています。
実際、我々の最新の研究では、排除限界分子量の高いカラムを用いて絶対分子量の測定に成功しております。2~3量体のプロテオグリカンが存在します。
一方、定量分析を行う場合、アグリカン単位で行うべきですし、条件もコロコロ変えない方が良いです。
今のカラム(排除限界分子量:100万)を用いた条件で、これからも定量分析を行っていくべきだと考えています。
ちなみに、どちらのカラムも高い・・・。排除限界分子量が100万のカラムでも25万円もする。
かつ、消耗する・・・。
まぁ、何れにしても、残念ながら、含有量を偽ったりするプロテオグリカン商品が出てきています。プロテオグリカン協会を作って、プロテオグリカンの定義や定量分析方法を定めていく必要があるんでしょうね。
実は2種類あるプロテオグリカン原料
証明する論文は、以下の論文です。
Kakizaki I, Mineta T, Sasaki M, Tatara Y, Makino E, Kato Y. Biochemical and atomic force microscopic characterization of salmon nasal cartilage proteoglycan. Carbohydr Polym. 2014;103:538-49. Pubmed 外部サイト
プロテオグリカンを可視化した論文です。
プロテオグリカンの写真を紹介している。非常に、画期的な内容です。
この論文では、2種類のプロテオグリカンが存在することだけでなく、以下のことも示しています。
抽出方法によってプロテオグリカンが分解し短くなる
分析に用いるカラムによって示される分子量も変わってくる
この報告では、プロテオグリカンをグアニジン塩酸塩と酢酸で抽出し、抽出されたそれぞれのプロテオグリカンの分子量や写真を紹介している。
抽出されたプロテオグリカンのピークトップ分子量
グアニジン塩酸塩:1,850,000
酢酸4%:540,000
なぜ、グアニジン塩酸塩で抽出されるのか?
それは、変性させないで抽出ができるからです。プロテオグリカンの定量分析でも、抽出に用いられます。
一方、食品には用いることができないため、主にプロテオグリカンの抽出には、酢酸と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が用いられます。
論文では、2つのプロテオグリカンの形状の差が明確に写真で示されているんです。
でも、示されたこれらの分子量は、我々が取り扱うプロテオグリカンの分子量(120万Da)とも、一般流通している弘前のプロテオグリカンの分子量(45万Da)とも異なるのがわかるでしょうか?
理由は、分析に用いるカラムの違いにあります。
主に、排除限界分子量の違いです。
実は、プロテオグリカンは、分析中にカラム内で分解しているのです。検出器に届くまでに、分解しているのでしょう。グリコサミノグリカンの先っちょが切れたり、プロテオグリカン同士の架橋が切れたり。
時間の経過と共に、良いカラムが出てきたので、分析中にカラム内でプロテオグリカンを分解しないで検出が可能になってきているのだと考えています。
それが論文と我々の分子量との差として示されているのです。
検出されている分子量は異なりますが、同じものを測っていると考えています。
実際、我々の最新の研究では、排除限界分子量の高いカラムを用いて絶対分子量の測定に成功しております。2~3量体のプロテオグリカンが存在します。
一方、定量分析を行う場合、アグリカン単位で行うべきですし、条件もコロコロ変えない方が良いです。
今のカラム(排除限界分子量:100万)を用いた条件で、これからも定量分析を行っていくべきだと考えています。
ちなみに、どちらのカラムも高い・・・。排除限界分子量が100万のカラムでも25万円もする。
かつ、消耗する・・・。
まぁ、何れにしても、残念ながら、含有量を偽ったりするプロテオグリカン商品が出てきています。プロテオグリカン協会を作って、プロテオグリカンの定義や定量分析方法を定めていく必要があるんでしょうね。
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