ジオスゲニンの市場も拡大しつつあり、最近、ジオスゲニン含有のトゲドコロ粉末などのクリエイティブ表現を見るようになりました。
それは、完全なる優良誤認です。
実際、酸処理されていないトゲドコロや山芋にジオスゲニン(遊離体)は入っていないです。

某大手さんのトゲドコロ原料に関しては、そこら辺を熟知されているようで、正しい表示に徹底されています。

改めて、その理由を詳しく紹介いたします。

通常、トゲドコロや山芋には、ジオスゲニンではなくジオスゲニン配糖体のみが含まれます。ジオスゲニン配糖体を酸で加水分解処理することでジオスゲニンに変化します。

長崎大学で試験を行った結果、弊社ジオパワー15の粗原料山芋でも、ジオスゲニン配糖体だけが確認されており、ジオスゲニン(遊離体)は確認されませんでした。

そういった理由で、単なる山芋原料では、ジオスゲニンは含まれないのです。

商品パッケージやクリエイティブで使う場合、ジオスゲニンとして分析されていたも、某大手さんの原料のようにジオスゲニン配糖体含有と表記する必要があるのです。

これがジオスゲニン含有のトゲドコロ粉末が優良誤認である理由です。

ジオスゲニン配糖体は、胃酸で多少はジオスゲニンに変化しますが、多くがジオスゲニンとして利用できません。ジオスゲニンを有効的に働かせるには、ジオスゲニン配糖体ではなくジオスゲニンとして摂取する必要があるのです。

次に、こういった優良誤認が起こってしまう理由について。

安易な報告をした学者が悪い!

そもそも、いくつかの文献で、山芋を酸処理してジオスゲニン含有量を測定し、ジオスゲニンの含有量として実験データを示したから、こういった問題が起こってきます。
今からでも、訂正してもらいたい・・・。
少なくても、ジオスゲニン配糖体をジオスゲニンとして定量したという前置き/注釈は必要だと思います。

日本食品分析センターも、同じようなことを行っている。
本来、酸処理してジオスゲニンを測るのであれば、ジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)と分析値を表現するべきなのです。

弊社は、ジオスゲニンを分析する際、酸処理を行わないで分析を実施している。
その酸処理を行わない条件でジオスゲニンが検出されないと、分析値をジオスゲニンとすることはできないのです。

その旨は、昨晩、日本分析センターさんにも意見メールを送った。
どのような返答が届くか、楽しみです。
まぁ、お役所のような機関なので、一筋縄では、非を認めないと思いますが・・・。

また、昨日は、LPでジオスゲニン配糖体の表示でも、リスティングタイトルでは、ジオスゲニン配合の商品を見つけましたので、アドアーズ(Google)に対して、クレームを出しておきました。

自社防衛として、こういったことをしっかりと行っていく時代になりました。
すぐに結果につながるとは思いませんが、こういった情報発信を含め、コツコツと続けていこうと思います。

P.S.
弊社のジオスゲニン原料を用いていて、同じようなお困りの場合は、私と同じようにアドアーズ(広告に対する問題の報告)へクレームをいれたり、消費者庁の景品表示法違反被疑情報提供フォームから連絡されると良いでしょう。
◆つづき
日本食品分析センターからの回答について

【回答】
ジオスゲニン遊離体が含まれていれば、酸処理して分析しても、ジオスゲニンとして検出されてしまうため「ジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)」とは記載できない

ジオスゲニン配糖体だけを分別して定量する方法ではない
そのため、分析試験成績書の項目名は「ジオスゲニン」とし,注釈に「塩酸を用いて加水分解処理後,測定した。」と記載している

山芋の場合は「ジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)」等と表示していただく方がが良い

  ↓

酸処理して分析を行うと「ジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)ならびにジオスゲニン」が正しい
でも、表示が煩雑になる。

【理想】
酸処理する・酸処理しないの2通りで分析を実施
その差からジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)の量を算出して、ジオスゲニンとジオスゲニン配糖体(ジオスゲニンとして)をそれぞれの値を示すのがより好ましい

【結論】
試験成績書の注釈に「塩酸を用いて加水分解処理後,測定した。」と記載されているため、このデータを利用する方が意味を理解して表示を行っていくべき!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。