最新の論文ではないのだが、ジオスゲニンの面白い論文を見つけたので紹介させていただきます。

簡単に言うと、ジオスゲニンが一部の乳酸菌を増やす(;プレバイオティクス効果)という論文。

Huang CH, Cheng JY, Deng MC, Chou CH, Jan TR. Prebiotic effect of diosgenin, an immunoactive steroidal sapogenin of the Chinese yam. Food Chem. 2012;132(1):428-32. Pbumed ID: 26434311

この表題を和訳すると、タイトルの山薬(中国山芋)由来の免疫活性のあるステロイド系サポゲニン:ジオスゲニンのプレバイオティクス効果となる。

この報告でヘア、ネズミのジオスゲニンの摂取によって、Lactobacillus murinusLactobacillus reuteri(ロイテリ菌)というラクトバチルス属の乳酸菌で顕著な増殖が確認されています。
一方、エンテロコッカス属の乳酸菌では、増殖を示さなかったという結果が示されています。

そして、この結果より、考察では、ジオスゲニンの化学構造上の特性ではないか?と推測されています。

また、Lactobacillus murinusとLactobacillus reuteriは、免疫活性が確認されており、これら乳酸菌の選択的な増殖によって、アレルギー関係への免疫活性(炎症抑制性のT細胞の分化の誘導)の可能性についても述べられれています。
どうやら、こういった乳酸菌を腸で増やすことでβグルカンと同じような機能性を示すようです。

参考:低分子βグルカン摂取により炎症性腸疾患を予防、改善:東京理科大(外部サイト)

実は、この後、このプレバイオティクス効果が作用メカニズムとなり、いくつかの免疫関係の論文につながってきます。
免疫賦活や食物アレルギー改善、心疾患予防などにです。

Lactobacillus murinusについても調べてみましたが、結構、面白かったです。
結構、マニアックな乳酸菌。

まぁ、乳酸菌の商品も増えています。
ロイテリ菌などは、人気が高まりつつある乳酸菌。でも、生菌の担保も難しい原料でもあるので、ロイテリ菌を増やす素材として、ジオスゲニンを活用するのも一手だと思います。
是非、差別化素材として、ぬるっとしたイメージの山芋抽出物も副材として活用していただければと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。