まず、以下の論文では、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)を用いてプロテオグリカンが可視化されています。検体は、鮭鼻軟骨と牛軟骨。

Kakizaki I, Mineta T, Sasaki M, Tatara Y, Makino E, Kato Y. Biochemical and atomic force microscopic characterization of salmon nasal cartilage proteoglycan. Carbohydr Polym. 2014;103:538-49.

実は、非常に画期的なこと!
素晴らしいなぁ
と思います。

そして、この論文では、抽出溶媒によって鮭鼻軟骨由来プロテオグリカンの形状が異なることも顕微鏡写真で示しています。

これが市場に分子量が異なる2種類の鮭鼻軟骨由来プロテオグリカンが存在する理由です。

本論文でも改めて示されていますが、グアニジン塩酸溶液で抽出すると、プロテオグリカンを壊さず、大きな分子量で抽出が可能である。
論文のFig.3のbの写真のように抽出できます。
ただし、グアニジン塩酸は、食品の加工助剤として利用できない。

一方、酢酸で抽出すると、条件にもよるが、プロテオグリカンが壊れて分子量が小さくなる。詳しく述べられていないが、論文のFig.3のeの写真のように小さく(短く)なる。

抽出条件で分子量(;変性度)が変化する!

リナイス社のノウハウは、酸でもアルカリでも、プロテオグリカンを壊さず、大きな分子量で抽出する技術にある。アルカリで抽出していても、プロテオグリカンは壊れておらず、大きな分子量を保っている原料である。

なお、論文と市場で流通するプロテオグリカンの分子量が若干異なるのは、カラムの種類の違いによるものだと考えています。論文では、グレードが高いカラムで分析されています。そこは、業界として、定量に使用するカラムを統一化していくべきだろう。

ちなみに、実際、機能性表示食品(D305)の定量方法でも開示されているが、グアニジン塩酸溶液で抽出すると、プロテオグリカンを壊さないで抽出できる。まぁ、壊れたプロテオグリカンを壊れない条件で最終商品から抽出していることになる。

機能性表示食品のプロテオグリカンの分析方法(D305)
(この定量方法は、PGを抜いた試作品を用いてブランクを取らないんだなぁ。本当にHPLCの定量限界を満たすのかな?という疑問は残る。)

市場には非変性と変性の鮭鼻軟骨由来プロテオグリカンが存在する事実と理由を証明した論文でもある。まぁ、45万Daが非変性でないことについて、学術的には、この真実は認められていたのだろう。
(なので、試薬も、2種存在する。)

ぶっちゃけ、活性部位の有無が機能性に大きく影響する健康食品では、両者の差は大きくないだろう。実際に、両方とも有効性が示されている。

一方、化粧品では、両者の分子量の差が大きく出るだろう。実際、粘度の時点で大きく差が出てきている。必ず保湿力という点でも、差が出てくるだろう。
加えて、角質の代謝に影響するFGF7様活性は、非変性の原料でしか確認できない。
分子量毎に別物として考えていく必要もあるのだろう。

このプロテオグリカン市場は、いろいろあるが、成長しているのは間違えない。
日本に限らず、米国や中国でも。

競合原料同士、切磋琢磨していく必要があるのだろう。

我々も、努力あるのみです。